環境ホルモン 使用の歴史刻む
  〜東京湾海底の泥調べたら 60、70年代に高い値

 1999.11.27  朝日新聞

(著作権の関係上、内容をそのまま全て掲載出来ません。 概要として纏め直して掲載しています。)
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 東京湾の海底の海を深さ別に分析したところ、内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)の代表的な性質である女性ホルモンのような作用は、1960年代から70年代に高いことが分かった。毒性が高い農薬ポリ塩化ビフェニール(PCB)などが大量に使われていた時期に一致する。一方、魚をメス化するとされるノニルフェノールは近年になって急増するなど、海は化学物質使用の歴史をはっきりと刻んでいた


60、70年代に高い値

 調べたのは、工業技術院資源環境技術総合研究所(茨城県つくは市)など。95年に東京湾中央部の深さ約17mの海底に、長さ93cmのパイプを突き刺して、1900年から95年にかけてたまった海を採取。輪切りにして、同研究所の山下信義・主任研究官らが海中の女性ホルモン様作用の活性(総エストロゲン活性)や、PCBダイオキシン類を測定した。

 分析の結果、20年代以降の海から女性ホルモン様作用が検出され、代表的な女性ホルモンの作用と比べると、60〜−70年代の層で高かった。

 界面活性剤の原料で、魚のメス化を進める原因と疑われているノニルフェノールは、65年以降の層で検出され、近年まで増加傾向を示していた=図。このことから、残留している女性ホルモン様作用の主役はノニルフェノール以外の物質と分かった

 また、化学物質全体のダイオキシン類似の毒作用の指標である「総ダイオキシン活性」は70〜80年に大きなピークがあり、85年以降減っていた。

 ダイオキシンが不純物として混じる除草剤が多く使われたのは60、70年代であり、PCBの使用禁止は72年、という時代を反映した結果になった。

 山下さんは「今回分かったのは海に残留するものだけ。残留しない物質がどれだけ使われたかについては別の調査が必要だ」と話している。



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