老人ホームを選ぶ
  〜自分に合うか 足使い確認

 1999.10.17  朝日新聞

(著作権の関係上、内容をそのまま全て掲載出来ません。 概要として纏め直して掲載しています。)
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 東京の下町に住む坂田圭子さん(61)=仮名=は、老人ホームを探して6年目になる。独身。今は姉夫婦と同居中だが、将来は予想がつかない。
 姉と同居する前、寝たきりの母親を自宅で介護した。仕事から帰ると、母がベッドから落ちて床の上で動けずにいたことがあった。
 その姿が頭に残る。「安心」の二文字が欲しいと、手探りで調べる中で知ったのが「ケアハウス」だ。民間の有料老人ホームだと数千万円もする入居金が、数百万円で済む。ほかに月十万円前後を負担すれは、三食付きの個室に住め、緊急時にはブザー一つで職員が対応してくれるという。
 でも年金生活となって、不安が頭をもたげた。社交ダンスも続けたいが、お金が足りるか。寝たきりになったらどうなるか。「じつくり考えていたいけど、いつか決断しなけれはならないし…」

介護の有無を考えて

 一口に「老人ホーム」と言っても種類は様々。分かりやすく分類すると、どうなるのか。老人ホームに関する相談を引き受ける非営利組織(NPO) 「シニアライフ情報センター」事務局長の池田敏史子さんは、「入居者が介護を必要とするか否をよって、大ざっぱに2種顛あります」と言う。

 それぞれが、行政の補助金を受けた福祉施設と、民間の契約施設とに分かれる。福祉施設は費用が安い代わりに年齢や体の具合など入所要件があり、持ち込める私物も限られる場合が多い。民間施設は割高だが自由度が大きい。

 「体の状態や家族状況、資産や収入に照らして選ぶ。活動的に過ごしたいかどうかなど、生活をイメージすることが大切です」

 ケアハウスは、自立型の福祉施設の一つ。厚生省の新ゴールドプランは今年度末までに十万人分を整備目標としている。
 養護老人ホームも似たタイプだが、収入が少ない場合などに限られる。
一方、介護型の福祉施設は特別養護老人ホーム。契約施設には小規模なグループホームという形もある。

有料ホームには6種類

 特に混乱しがちなのが、民間の有料老人ホームだ。介護をしてくれる所とだめな所と両方あり、6つのタイプに分類されている。

 有料ホームの有志が出資してつくった「有料老人ホーム展示場」(東京・銀座)の相談室長中村寿美子さんによると、どのタイプがいいかは考え方次第。「希望者が多いのは、自立状態で入居できて介護が必要になってもみてくれる『介護付き終身型』。

 『健康型』は介護が必要になったら退去しなけれはならない場合もありますが、はつらつと生活したいと考える人には、万一の時の当てがあれは向いていると云えるでしょう」

 大切なのは、契約の前に必要書類をよく読むことだ。「週二回以上の掃除は30分500円」といった細かい点までチェック。
 「管理規定や重要事項説明書を見せてくれない所は避けることです

 その上で、自分の目で確かめる。「シニアライフ」の池田さんは、最低一週間の体験入所を勧める。「食事や入浴の時に、入居者の話を聞くこと。トップの考え方もぜひ尋ねて下さい」

 こうしてみると情報収集は前提だが、自分が何を求めているか書き出してみるのが最初の一歩だ。予算を検討するときは老後の生活をイメージすることを忘れずに、体験入所は遠慮せず申し出る。
 ただ、特養ホームの場合は勝手が違うようだ。待機者が列をなしている今、選ぶ側の自由はあまりない。雑誌「痴呆性老人研究」編集長の泉田照雄さんは、「いい施設に育てていくよう、地域を挙げた働きかけが必要」と話す。

 人生の最後を過ごす場に、手間と覚悟は当然の対価なのだろう。

お助け情報は

 ◆民間の相談窓口は、
  「シニアライフ情報センター」03−5350−8491(会員制)、
     ホームページ:http://homepage1.nifty.com/oze/senior/

  「有料老人ホーム展示場」03−5550−0125、
  「老人介護情報センター」047−333−5014(会員制)

 ◆参考図書は、
  「最新ケアハウスガイド」(中央法現、本体3500円)、
  「有料老人ホームさがし
   (東京都消費生活部指導課:03−5388−3067、コピー、送料実費)



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