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「元気 からだ」の係あてに、大学受験生から「頑張りがきく夜食を教えて」というお便りが届きました。本来、夜中に食べるのは肥満のもと。でも、遅くまで机に向かっていると、どうしてもおなかがすいてきます。太らないで、しかも勉強の効率アップができる。そんな工夫ができないか、調べてみました。(中村 通子)手紙をくれたのは、千葉県市原市に住む渡部みなほさん(18)。私立大学の文科系を目指す高校三年生だ。普段、夜食は食べないが「食べるともっと頑張れるのかな。でも夜道く食べるのって、体にはどうなんだろう」と思っていたそうだ。
この疑問に答えて、国立健康・栄養研究所食品科学部(東京・新宿)の平原文子さんは「本当は、夜中には食べない方がいいのですが」という。夜中の間食は、食べ過ぎることが多く、太りやすい。翌朝は空腹を感じず、朝食を抜き、生活のリズムが狂いがちになる、というのが理由だ。太りやすい夜
15〜18歳の若者に必要なエネルギーは女性で一日約2200Kcal、男性で約2700Kcal。夕食後にポテトチップスを一袋(500Kcal)食べたり、フライドポテトとハンバーガー(合計550Kcal)を食べたりすると、あっというまに栄養過剰になる。 さらに、同じ量でも、昼より夜の方が太りやすい。夜は、副交感神経の働きで、体がエネルギーを蓄え、昼間の活動に備える態勢に入っているからだ。しかも食べてすぐ寝ると、エネルギーはさらに蓄積されやすくなる。
生活習慣病に詳しい東京慈恵会医科大学健康医学センターの医師、佐々木温子さんは「社会人になって糖尿病などになった人の話を聞くと、受験期に太りはじめた人が結構います」という。バランス大切
だが、夜食は、悪いことはかりではない。栄養研の平原さんは、夜食は疲れた頭をちょっと休める気分転換や眠気覚ましになる上、家族が作ってくれることで「励まし」という「心の栄養」も補給できるという。
「カロリー過剰に気をつけながら、上手に気分転換や眠気覚ましができる献立にすれはいいのです」という平原さんに夜食のこつを教えてもらった。原則は@生活習慣に組み込むA食べ過ぎないB消化のよい献立Cカフェインや香辛料は避ける、だ。
朝昼夕夜の四食を、トータルでカロリーやバランスを考えて取れは、食べ過ぎを防ぐことができる。また、食事時間を決めることで生活のリズムが保てる。
平原さんは、一日の総力ロリーを100とすると、朝30、昼25、夕30〜25、夜15〜20ぐらいで、という。消化のために夜食と就寝の間は二、三時間あけたい。
平原さんが勧める夜食メニューは、野菜煮込みシチューや卵おじやなど(図)。ボリューム感があり、カロリーは控えめだ。
「消化吸収のよい糖質中心に、疲労を回復するビタミンを加えるのがポイントです」果汁は優れ物
おなかはすいてないけどちょっと疲れた、というときには果物のジュースや野菜スープで十分だ。水を飲むだけでも眠気覚ましや気分転換になるが、ジュースならビタミンが補え、酸味で気分がリフレッシュ。さらに、糖質で体が温まる。
「好きな香りのハーブティーもいいですね」。口を動かすと目が覚めるので、酢コンブやガムも効果的だという。
ただ、ガフェインが入っているコーヒーや紅茶、緑茶をのむと頭が冴え過ぎてかえって疲れる。香辛料も同じ理由から避けたい。夜食に向かないものは、ハンバーグやフライドポテト、カップラーメンなどのインスタシト食品、マヨネーズなど、脂っぽいものだ。親は、子供が好むこってりしたものを食べさせてしまいがちだが、カロリーが高く、消化が悪い。
慈恵医大の佐々木さんは、「カロリー消費は期待できませんが、夜食を取る在ら、寝る前にストレッチを」と勧める。体の調子を整え、勉強に疲れた心身がほぐれて熟睡できる。「思春期の食習慣は、とっても大事。上手に食べて、合格も健康も手に入れてください」
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