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缶入りの飲料や食品の中に、内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)の疑いがあるビスフェノールAが混じっていることを複数の研究チームが突き止め、12月11日から京都市である日本内分泌かく乱化学物質学会で相次いで報告する。
缶の内側の被覆剤である合成樹脂から微量、溶け出しているとみられる。業界は防止対策を検討、専門家は乳幼児への影響を重視している。飲料や食品を詰める缶の中には、味や臭いの変化を防ぐため、内側をエポキシ樹脂で覆っでいるものが多い。この樹脂の原料がビスフェノールAなので、高温殺菌処理時などに缶の中の飲料や食品へ溶出する可能性がある。
長崎大学環境科学部の有薗幸司助教授(衛生化学)らのチームは、複数のメーカーのエポチン樹脂を使った缶入り飲料を分析した。
コーヒー(4種)の濃度が最も高く、89.6〜127.1ppb(1ppbは十億分の一)。 ウーロン茶(2種)で7.2〜8.0ppbだったほか、スポーツ飲料や野菜ジュースなどからも数ppb以下で検出された。
有薗助教授は「大人が飲んでも心配ない濃度と思われるが、乳幼児や妊婦から胎児への影響などを注視していく必要がある。多くの製品を調べていくべきだ。」と話す。
一方、東京理科大学薬学部の武田健教授(衛生化学)らのチームは、日本と米国の複数のメーカーのコーン缶詰を調べてみた。
いずれも、コーンを浸す液の部分からは5〜10ppb、コーンそのものからは20〜30ppbのビスフェノールAが検出された。
武田教授は「実際に缶入りの飲料や食品の中に存在しているほどの量で、胎児にどう影響するか調べる必要がある」と話している。海外では、数10ppbでも女性ホルモン作用のあることを確かめた報告がある。国内の製缶企業の中には、ビスフェノールAを出し難い被覆剤へ切り替えたり、被覆量を減らす研究を試みたりしているところもある。
飲料メーカーでつくる全国清涼飲料工業会は「ビスフェノールAの健康への影響は不明とはいえ、消費者に不安があるのは事実だ。製缶企業が溶出を防ぐ対策を検討しつつあり、今後はビスフェノールAが溶け出さない製品が増えていく筈だ」と話している。
国内では既に、ポリスチレン製のカップ麺の容器について、製品状態でお湯を入れると環境ホルモンの疑いのある「スチレントリマー」がごく微量溶け出すという報告があり、議論になっている。
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