栄養たっぷり海の肥料「深層水」くみあげ魚を集めろ   

 2000.01.21  朝日新聞

(著作権の関係上、内容をそのまま全て掲載出来ません。 概要として纏め直して掲載しています。)
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水産庁実験へ、  温暖化も防止

深層水で好漁場造り  海の深いところにあり、栄養分が豊富な「海洋深層水」をくみ上げ、魚があまり取れない海域にまき、好漁場を人工的に造り出す−−。こんな研究実験が四月から、水産庁を中心に始まる。

 海洋深層水は水深がおおむね200mより深く、太陽の光が届かないところにある海水。海藻や植物プランクトンの光合成が行われないため、海水中の窒素やリンなどの栄養分が消費されずに残っている。海面に波の力を利用した自家発電装置を備えたポンプを浮かべて、海底の取水口から深層水をくみ卜げる。水面上でプロペラなどでかき回し、表面の海水と混ぜる。海水は潮流で拡散し、広い範囲で植物プランクトンが増殖する。一年程度でプランクトンをえさにする魚が集まり好漁場ができる、というプランだ。

一日当たり数十万トンくみ上げるが、深層水は世界の海水量の95%を占めており、はぼ無尽蔵の資源だ。植物プランクトンは、光合成で大気中の二酸化炭素を吸収する役割もあることから、漁場造成のはか、地球温暖化防止も狙えるという。五年後の実用化を目指す。

 米国の研究によると、魚がよく取れる海域は、栄養分が豊富な海洋深層水が水面に上がってくる「湧昇流水域」とされ、これは海の全面積の0.1%に過ぎないが、世界の魚の約半数がここで生まれるという。

 国内では養殖場などで、深層水を利用している例があるが、水産庁は「深層水を利用して外海に大現模な漁場を形成する試みは、世界でも初めてではないか」 (整備課)と話している。

 研究は水産庁と、大手鉄鋼メーカーや建設会社、県漁達、大学などでつくる農水省の外郭団体「マリノフォーラム21」が共同で行う。2000年度は約三億円をかけ、具体的な実験方法を決めるほか、室内プールを使った実験にも書手する。




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