チベット体操は「チベット僧侶の平和の祈の準備体操」を、誰もが実
践しやすいように形を変え、現代の形になりました。チベットでは自
らの浄化のために 体操を活用することはあまりにもポピュラーな習
慣です。因みに、ブログに紹介した太陽礼拝の各ポーズは、切手に用
いられるほどよく知られたものです。

チベット体操は5つのポーズ(アーサナ)と1つの呼吸法(プラーナ
ヤーマ)から出来ています。これを6つの儀式と呼びます。
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宇宙の全ては5大元素からなると言われます。儀式は
これと対応したものです。アーサナ、呼吸法、瞑想は
セットで行う必要があります。
アーサナは「個」としての動きの中で行うため、そこ
には自他の違いが存在します。一方プラーナヤーマで
は呼吸を通して他とのつながりを経験するため、自他
の違いが弱まっていくのです。
アーサナは自我が強まっていく。プラーナヤーマは自
我が弱まっていくとも言えます。セットで行うことで
吾であり、宇宙である実感、ワンネスの実感が育ち
瞑想の準備が整います。
各儀式毎にシャバアーサナ(死体のポーズ)を入れま
す。 生命エネルギー(プラーナ)を強化し、循環を促
す為、若返り効果が期待できます。
チベット体操では「生命エネルギー(気・プラウナ・
ルン・神の息)」は、チャクラを通って動き、内分泌
系を通じて体に分配されていると考えられています。
内分泌系から分泌されるホルモンの不均衡や不足はチ
ャクラに問題のある結果です。
健康な人は、7つのチャクラすべての回転速度が同じ
ですべてが調和して働いています。 |
チャクラが遮られて、その自然な回転速度が落ちたり、ひどい時には
止まってしまったりすると、生命エネルギーは、循環できなくなり、
その結果、病気や 老化が起こります。チャクラの回転速度を上げれ
ば老化の進行も遅れるということになるのです。

チベット体操は気が流れている通り道を お掃除するような効果を示
します。気の通りが良くなれば血液の流れも良くなってくるので、や
っていくうちに食べ物の好みも変わって行きます。全部のバランスで
人間の体は成り立っているので、流れを良くしてあげると 血液がサ
ラサラになるような食べ物が自然に取りたくなって来ます。
チベット体操の呼吸法は、心を深いところからリラックスさせていっ
て、副交感神経を優位にしてくれますので、心も安定してきます。
その結果血圧や血糖値が下がります。脳や内臓の働きも活発になり、
身体の状態が良くなります。 呼吸のこうしたパワーを生かして、心
身を健やかにするのが、呼吸法です。
シャバアーサナ
病気や怪我等から身体が本当に回復するのは夜の睡眠中。 チベット体操
も同じです。アーサナ(ポーズ)で私たちの神経系は新たな情報を受け取
っています。神経がその情報を整理するのが「屍のポーズ・シャバアーサ
ナ・完全弛緩」です。体の部位を順番に意識し、その部位を軽く揺すりな
がら、身体の緊張を解いていきます。
行い方
①仰向けに寝て、膝、肘を軽く伸ばす。両脚は肩幅程度に開き、腕は体
側から少し離して手の平は上向き。目は軽く閉じる。
②仙骨が床と水平になるように腰を伸ばし、背骨は頭頂に向かって伸ばす
③ゆったりとした呼吸を行いながら全身の力を抜き、身体を大地に沈み込
ませるようなイメージで呼吸をぼんやりと感じる。同時に全身が広がるよ
うな感覚を味わう。
先ず首を軽く左右に揺らし、肩も揺らして首と肩の緊張をほぐす。腰を軽
く左右に揺らし、手首と足首も揺らして全身の緊張をほぐす。
動作をとめ、呼吸に意識を集中す。呼吸が楽になったら、息を細く長く吐
きながら体のエネルギーの変化を感じてみる。雑念がわいてきたら、息を
吸って吐くことに再び集中する。
④起き上がる時は左足の膝を立て、右側に転がり(腰を痛めないため)腕
の力で起き上がる。
シャバアーサナ中は血管が広がり、血行や気の流れがとても良くなります
様々なアーサナの最後の締めは、必ずシャバアーサナを行います。
シャバアーサナは ポーズの合間に行う時は10呼吸ほど、身体を冷やさ
ない程度に、実習の最後に行う時には5~15分、心が空っぽになるまで
行います。
ほぐれた全身に、効果が染み渡ります。シャバアーサナは、動的ポーズの
効果を最大限に引き出す為のものでもあります。だから決しておろそかに
できない、とても大切なポーズです。
「シャバアーサナ」は 一度完全に自分をリセットして、再生するという
意味を持ちます。シャバアーサナが終わると、生まれ変わった自分として
また新たな人生の一歩を新鮮な気持ちで踏み出すことが出来ます。
新たな一日が「今」始まるのです!!
屍のポーズ(シャバアーサナ)の基本的な効果は
● 脳を休め、ストレスや軽いうつ症状を軽減する
● 頭痛・倦怠感・不眠症を解消する
● 血圧・呼吸数・心拍数を落ち着ける
● 意識を内側に集中させて、瞑想の状態を作りやすくする
● 体操の効果(リラックス感等)を自分自身が身を持って体験できる
● 体(全身)が弛緩する etc.
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オリエンテーション
A・第6の儀式「呼吸法」は 身体の3つの部分を絞めつけながらするの
で練習を しましょう。息を吐ききって、締め付けながら呼吸を止めます。
各々100回ずつ行いましょう。
肛門を締める:緩んできても意識をしてぎゅっと締めつけます。
お腹を締める:お腹と背中がくっつく様に引き締めながら、ぐっと引き挙
げます。
喉を締める:肩を上げて 顎が鎖骨に当たるようにぐっと絞めつけます。

B・緊張している身体をほぐすために身体を揺すって(スワイショウ)
背骨のラインの筋肉をゆるめます。

C・五大元素の特徴を観ます。下欄を参照してください。
6の儀式の行い方
①地元素に対応。骨、筋肉を刺激してくれます。第1、第7チャクラを刺
激します。
足を肩幅に開き 指先をそろえた状態で 両腕を肩の高さで横に開き腕
をピーンとまっすぐに伸ばした状態で右に3回、回ります。
シャバアーサナ:第1チャクラと第7チャクラが活性化されたのを感じます
②水元素に対応。血液、リンパ液、、津液(しんえき)人体中の正常な
水液の総称で、唾液、胃液、涙、汗などが含まれます。
津液の主な作用は、潤いを与えることであり、津と液に区分され、その
性質、分布、作用も異なっています。
津は、清く希薄なものをいい、分布は広範囲で、皮膚体表などを滋潤さ
せます。液は、比較的粘稠で、臓腑を滋養し、関節運動を円滑にさせま
す。第1、第2チャクラを活性化し、刺激します。
横になり、脚は閉じ、腕は体側、掌は床につけます。鼻から息を吸い込
みながら頭と揃えた両足を上げていきます。
お腹と脚は90°、足の付け根と足首は90°に曲げます。息を吐きながら
、足を下ろしてから、頭を下ろします。
シャバアーサナ:第1チャクラと第2チャクラが活性化されたのを感じます
③火の元素に対応し,体温に関係します。身体をエネルギッシュにして
くれます。第3,4チャクラに対応します。
金剛坐に座り、お尻を持ち上げる。両膝の間隔を肩幅に広げる。足の指
先はできるだけ身体に近くなるように立て、お尻に手を当て(腰の痛い
人は腰に手を当て)喉を閉めた状態(下を向く)で息を吐きます。吐き
きったら、鼻で吸いながら喉、胸、鳩尾、肩甲骨を開いてゆきます。
(後ろに反らす)腰の位置は動かさないで。最後に吐ききります。息を止
めて起き上がります。
シャバアーサナ:身体の内が活性化されたのを感じます。
④風元素と対応します。風元素は気を現し、身体の内の気の流れをスム
ーズにし、強くするテーブルのポーズです。
足を肩幅に開いて、前に伸ばし、背筋を立てて座る。寄りかかった姿勢
、猫背は駄目。腕は肩から垂直に降ろし、指先が足の方向に向くように
腰の両横に置きます。
テーブルの形を作りますが、足と手の位置は動かさないようにします。
喉を閉めて息を吐きます。吐ききったら 鼻から吸いながら頭を下げ天
井を見て、身体を持ち上げてください。その時、膝が直角になるように
します。息を吸いきったら3秒、呼吸を止めます。吐きながら戻ってき
ます。
シャバアーサナ:第4チャクラと第5チャクラが活性化されたのを感じます。
⑤空と対応します。頭蓋や腹腔など身体の内の腔がある部位と対応しま
す。第5,6チャクラの活性化を促します。
足を肩幅に開いて立ち、そのままうつ伏せになります。足の指は立てま
す。両手を胸の横に置きます。身体太腿までを少し浮かせ、吐きながら
胸を反らせて天井を見ます。吸いながら背、お尻を引き上げ山型のポー
ズをつくります。
うつ伏せのシャバアーサナ
⑥呼吸法。宇宙の儀式と言われます。エネルギーと一体になる呼吸法で
す。第6,7チャクラを刺激します。
1~5の儀式の効果を一層強めます。下垂した内臓をあるべき位置にし
たり、歪んだ骨盤を正しい位置に戻す効果を期待できます。体内の若返
り効果も期待できます。
脚は肩幅に開いて立ち、息を吐ききります。手を腰に当て肛門、お腹、
喉の3か所を締めます。苦しくなったら肩の力を抜いて、一気に吸いま
す。2、3回呼吸を整えて繰り返します。
実習最後のシャバアーサナ
活性したエネルギーを 生きとし生けるすべてのもの、必要とするとこ
ろに送るために円になって祈る。
「エネルギーが届きました。ありがとうございます。」
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