'99年12月


「無問題(モウマンタイ)」- 我是大丈夫 -

 アルフレッド・チョン監督脚本、岡村隆史,ジェシカ・スン,佐藤康江、吉田親彦。
 
 恋人の玲子(佐藤康江)を追って香港までやってきた大二郎(岡村隆史)は、友人の健治(吉田親彦)のツテから映画のスタントマンを始める。そんな時、中国本土からの不法入国者として警察に追われていた女の子、流青/リュー・チン(ジェシカ・スン)を匿う事になる…。
 なかなか頑張ってる。岡村隆史は「岸和田少年愚連隊」がよかったので期待していたが、頑張っていて好感が持てる。香港的なラブ・コメディとしては、まだまだノリが悪いし、話に広がりが無かったのも残念。
 しかし、最後はああなるとは予想してなかった。

→ 「無問題」 Official Website


「ナビィの恋」☆

 中江裕司監督、西田尚美、村上淳、平良とみ、登川誠仁、平良進。
 中江裕司監督は「パイナップル・ツアーズ」の第2話「春子とヒデヨシ」を監督しているらしいが、あまり印象になかった。特に期待も無く、どちらかというと「ひみつの花園」の西田尚美目当てで行ったのだけど、これは面白かった。

 都会暮らしに疲れた東金城奈々子25歳(西田尚美)は久しぶりに故郷の島へ帰る。ここで起きる奈々子の恋物語だと思っていたら、タイトル通り、祖母のナビィ79歳の恋愛騒動…。
 沖縄の風景、音楽、人々が素晴らしく奇麗に描けて、最後には最高の余韻を残す。

「ナビィの恋」 Official Website


「ワイルド・ワイルド・ウエスト」- Wild Wild West -

 前回香港で観た時は字幕無しだったので、とりあえずもう一回観ておく。
 でも、印象は同じで、あいかわらずの能天気さ。

「ワイルド・ワイルド・ウエスト」 Official Website


「ジャンヌ・ダルク」

 リュック・ベッソン監督脚本、ミラ・ジョヴォヴィッチ、ジョン・マルコヴィッチ、フェイ・ダナウェイ、ダスティン・ホフマン、デズモンド・ハリントン。

 15世紀、フランスはヘンリー5世が率いる英国と"英仏百年戦争"のまっただ中、小作農の末娘のジャンヌ・ダルク(ミラ・ジョヴォヴィッチ)は神のお告げを聞く。自らを神の使者と信じるジャンヌは、王太子シャルル(ジョン・マルコヴィッチ)に進言、兵士を率いて英国軍に勝利していく…。
 ベッソンという事で期待大だっただけにちょっと物足りなかった。一人の少女として、ジャンヌの心の内面まで入り込んでいる所は面白いし、活劇としてもかなりの大迫力を出し満足出来るのだけど、なんか見終った後に不完全燃焼の印象がある。

「ジャンヌ・ダルク」Official Website


「ゴジラ2000ミレニアム」

 大河原孝夫監督、鈴木健二特技監督、村田雄浩、阿部寛、西田尚美、鈴木麻由、佐野史郎。
 日本海溝で6千万年の眠りから覚めた地球外生命体。巨大な岩から出現した全長200メートルの巨大UFOと北海道納沙布岬に上陸したゴジラが、東京新宿で対決する…。
 性懲りもなく見てしまった…、前回までのゴジラは、人間側と怪獣側の話が噛み合ってなくて、映画として成立していない様に思えたが、今度のは詰まらない映画ぐらいにはなっている。しかし、今時、エイリアンを出すのにタコ星人は無いだろうに…。
 
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「ファイト・クラブ」- Fight Club -

 デイビッド・フィンチャー監督、ジム・ウールス脚本、ブラッド・ピット、エドワード・ノートン、ヘレナ・ボナム・カーター、ミート・ローフ・アディ、ジャレッド・レト。

 車両保険会社のサラリーマン、ジャック(エドワード・ノートン)は不眠症で悩んでいた。ある出張の時、隣になった若者タイラー(ブラッド・ピット)と知り合い、"ファイト・クラブ"に誘われ、事件に巻き込まれていく…。
 意外なストーリ展開がまず驚き。あの展開は、まず予想出来ないんじゃないかなあ。しかし、スリリングではあるけど、ある種、ストーリに乗り切れない部分もある。映像的には面白い。エドワード・ノートンはブラット・ピットより遥かに魅力的な演技だった。
 デイビッド・フィンチャーは、驚きのドンデン返しにパワーがかかり過ぎている感じはする。でも、宣伝で、ブラッド・ピットや暴力的な面に集中させ、あっと驚くストーリ展開の面を隠しているのは上手いと思った。
 
「ファイト・クラブ」 Official Website


海の上のピアニスト」 The Legend of 1900

 ジョゼッペ・トルナトーレ監督脚本、エンニオ・モリコーネ音楽、ティム・ロス、プルート・テイラー・ヴィンス、クラレンス・ウィリアムズ3世、ビル・ナン、ピーター・ヴォーン。

 1900年、大西洋往復の豪華客船ヴァージニアン号で生まれ、置きざりにされた子供は、やがてピアノの天才的な才能を見せる。死ぬまで船を降りなかったピアニスト、"1900"(ティム・ロス)の物語。それぞれのエピソードは面白い。特にピアノ対決のシーンなんか、強烈な迫力で熱気を感じさせるピアノであった。
 お得意の回想も効果的だし、一度だけ録音されたの恋のレコードというセンスもいい。でも、ラストだけはあんまり好きになれない。

「海の上のピアニスト」 Official Website


「御法度」

 大島渚監督、司馬遼太郎原作、松田龍平、浅野忠信、武田真治、ビートたけし、崔洋一。

 あんまり面白くなかった。新撰組に一人の美少年、加納惣三郎(松田龍平)が入隊した事により起こる混乱。
 松田龍平が、大根でしょうもなかった。その他の田代彪蔵役の浅野忠信、沖田総司役の武田真治なんかは良かったんだけど。各メディアは、こぞって松田龍平の演技を誉めているけど、本当なんだろうか?二代目の新人なら、例えば「雨あがる」の三船史郎の方が一枚も二枚も上手だと思うけど。
 原作を読むと、惣三郎はしたたかで怪しく、もっと深いキャラクタの気がするんだけど、なんとも上っ面な感じしかしない。大島渚は、同性愛を出していれば新鮮、みたいな感覚でいるんじゃないかと思う。切っ先が鈍った様な感じしか受けない。

「御法度」Official Website


「AMY/エイミー」☆

 ナディア・タス監督製作、デヴィッド・パーカー制作脚本撮影、アラーナ・ディ・ローマ、レイチェル・グリフィス、ベン・メンデルソン、ベン・メンデルソン。
 ロックスターの父親の死により聴力障害となったエイミー(アラーナ・ディ・ローマ)は、歌うことでしかコミュニケーションが出来なくなった…。突然歌ってしまうミュージカルの不自然さを逆手に取ったミュージカルというのがなんとも傑作。近所の人々との交流は、ほのぼのとして面白かったし、何より主演のアラーナ・ディ・ローマの可愛らしさはバツグン。

「AMY/エイミー」Official Website


「地雷を踏んだらサヨウナラ」

 五十嵐匠監督、浅野忠信、ロバート・スレイター、羽田美智子、市毛良枝。
 '72年ベトナム戦争時、25歳の戦場フリージャーナリスト、一ノ瀬泰造は、カンボジア民族解放軍クメール・ルージュの聖域であるアンコールワットを撮影することに熱意を燃やしていた…。
 実話をベースとしているからかもしれないけど、どうも展開が平凡でメリハリが感じられない。ベトナムの自然の雄大さと、戦争の悲惨さみたいなものも出てない。唯一、浅野忠信は飄々とした演技が魅力的。
 奥山和由の復帰第一作として注目されていた。
 
「地雷を踏んだらサヨウナラ」Official Website


「ゴースト・ドッグ」- Ghost Dog:The Way of the Samurai -

 ジム・ジャームッシュ監督、フォレスト・ウィテカー、ジョン・トーメイ、C・ゴーマン。
 
 主人公のゴーストドック(フォレスト・ウィテカー)は、「葉隠」が座右の書でサムライ精神に魅了され殺し屋。ハイテクを使いながら、連絡は伝書鳩、ビルの屋上の小屋で鍛錬に励むヘンな奴。取り巻く周りの人物もかなりのアクが強いのが多いが、特にハイチからの不法入国者、アイスクリーム売りのレイモンとの、言葉が通じない交流なんかは最高に面白い。面白くはあるけど、まとまりが無いなあと感じながら、最後にはすっぽりと治まる不思議な映画。そういう所が、ジム・ジャームッシュらしいのか。
 
「ゴースト・ドッグ」 Official Website


「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」 - The Blair Witch Project -

 ダニエル・マイリック/E・サンチェス監督脚本、ヘザー・ドナヒュー、ジョシュ・レオナルド、マイク・ウィリアムズ。
 
 メリーランド州の森の魔女の伝説のドキュメンタリーのがめ、大学生三人が森へ入っていく。そこで起る奇妙な出来事…。
 まるで恐くなかったけど、妙な魅力はある。恐いというよりは、気持ち悪いというか、神経を逆なでされる感じ。それに加えて不安定なカメラで船酔い状態になってしまう。

「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」 Official Website


「ターザン」- Tarzan -

 ケビン・リマ/クリス・バック監督、声優はニー・ゴールドウィン、ミニー・ドライバー、グレン・クローズ、ロージー・オドネル、ランス・ヘンリクセン。

 物語はご存じターザンそのまま。アフリカの奥地で動物により育てられたターザンは、野生のゴリラの研究のために訪れたポーター教授と、その娘ジェーンと出会う…。
ストーリはまあまあという気がするけど、映像は非常にいい。木を滑る疾走感の出し方は最高に上手い。CGが無ければ出せない新鮮さ。

「ターザン」 Official Website


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