2000年10月


「劇場版 未来日記」

 杉本達監督、佐藤友香、鶴野太朗、三島邦起、カメオ出演で柳沢慎吾と山田花子。
 基本的にはTVの「ウンナンのホントコ!」「未来日記」そのまま。ある島で繰り広げられる、ひと夏の三人の高校生の恋物語。
 こんな企画で、90分近い時間を退屈せずに見せられるのか不安だったが、まあ、出演者のキャラクタや、展開の意外性で飽きさせないのは立派。 それでも、TV的な嘘臭さは拭えないし、ビデオの画像はかなり目が疲れるので苦しいものがある。やはり、TVで十分でしょ、という印象。

TBS「ウンナンのホントコ!」未来日記
劇場版「未来日記」Official Website


「キッド」- The Kid -

 ジョン・タートルトーブ監督、ブルース・ウィリス、スペンサー・ブレスリン、エミリー・モーティマー。
 主人公ラス・デューリッツ(ブルース・ウィリス)は、成功したイメージ・コンサルタント。40歳を目前にした彼の前に、8歳の自分、ラスティが突然あらわれる…。
 ディズニーだけに、ストーリだけはもうちょっと期待していたんだけど、余りに平凡。観客を引っ張っていく謎も無く、展開に起伏が全く無い。ストーリの先は読めるし、ファンタジー性が感じられない。
 まあ、そこそこ楽しめる程度の映画。子役の太り加減が絶妙だったが。
 
 しかし、「シックス・センス」「マーキュリー・ライジング」など、子供とブルース・ウィリスという設定が続くのはなんでだろう?

「キッド」 Official Website


「顔」

 阪本順治監督脚本、藤山直美、佐藤浩市、豊川悦司、國村準、大楠道代、牧瀬里穂。
 親のクリーニング屋の二階で、家に閉じこもり暮らす正子(藤山直美)。衝動的に妹を殺した事により、逃亡の生活を送る事になる。
 と、言っても、逃亡のスリリングさもミステリアスな感じもなく、自堕落に逃亡する正子が逆にリアリティある感じがする。主人公を突き放した感じは面白いのだけど、もうちょっと緊張と緩和のメリハリがあっても良かったんじゃ無いかなあ。
 阪本順治の今までの作品の、動の部分を抜いて、不思議な感覚の部分だけを引き出した感じで、魅力はあるんだけど。
 
「顔」Official Website


「五条霊戦記/GOJOE」

 石井聰亙監督脚本、中島吾郎脚本、隆大介、浅野忠信、永瀬正敏、岸部一徳、國村隼、船木誠勝、勅使川原三郎。
 平安末期、"遮那王"こと源義経(浅野忠信)は五条大橋で平家武者を次々と切り殺し、鬼と恐れられていた。一方、啓示を受けた弁慶(隆大介)は五条大橋に鬼退治に出かける…。

 予告編はあんなに面白そうだったのに、イマイチ。弁慶の隆大介の演技は良かった。それに対して浅野忠信はダメ。殺陣をほとんど、短いカットのつなぎでごまかしているのが気になる。
 2時間17分はこの物語にしては長過ぎる。ストーリ的には面白いのだけど、もっと刈り込んでテンポをよくすればずっと面白くなったと思う。あと、殺陣の短いカットは 香港映画を気取っている感じがするが、悪い部分だけを真似していると思う。誤魔化しは、やはり誤魔化し。 

 しかし、物語に女っ気が無いのは、意図的なもんだろうか?

「五条霊戦記/GOJOE」 Official Website


「X-メン」- X-MEN -

 ブライアン・シンガー監督、 ヒュー・ジャックマン(ウルヴァリン)、パトリック・スチュワート(チャールズ・エグゼビア教授)、イアン・マッケラン(マグニート)、ファムケ・ヤンセン(ジーン・グレイ)、ジェームズ・マーズデン(サイクロップス)、ハル・ベリー(ストーム)、アンナ・パキン(ローグ)、タイラー・メイン(セイバートゥース)、レイ・パーク(トード)、レベッカ・ローミン=ステイモス(ミスティーク)。

 ミュータント登録法案の推進者、ケリー上院議員を狙うマグニート。また、ミュータント能力が発現したローグと彼女が出会ったミュータントのウルヴァリンが教授たちの仲間となる物語が主軸。まだまだ、登場人物紹介の段階で、シリーズのイントロという感じ。
 アメコミの中でも40年の歴史があるという有名らしいが、ちょっと知っているだけ。なんか、かっこいい割には間抜けなサイクロプスが面白い(目薬はどうさすのか、目が痒い時はどうすのかなど疑問続出)。
 
 監督がブライアン・シンガーというのが驚きだが、彼らしいところはあんまり感じられなかった。収容所、教授とマグニートの昔の関係などに物語が深くなればシンガーらしい味が出てきそうだけど、そこまでシリーズを彼が手掛けるだろうか…。どっちにしろ、シンガー向けのシリーズでは無いと思う。

「X-メン」 Official Website


「パトリオット」- The Patoriot -

 ローランド・エミリッヒ監督制作、メル・ギブソン、ヒース・レジャー、J.リチャードソン。
 米国独立戦争の最中の1776年、仏インディアン戦争の英雄、ペンジャミン・マーチン(メル・ギブソン)は、7人の子供と平穏に暮らしていたが、英国軍の残忍な将校に息子を殺される。復讐のため、国のため、彼は再び、戦火に身を投じる事になる。

 監督がエミリッヒという事で期待度はゼロ。まあ、その通りだった。派手さでそこそこは楽しませるけど、根底にあるのは米国的な一方的正義を押し付ける愛国主義。彼の「インデペンデンス・デイ」などと同じ。

「パトリオット」 Official Website
「The Patriot」Official Website


「サウスパーク<無修正映画版>」

 トレイ・パーカー監督、声優はアイザック・ヘイズ、ジョージ・クルーニーなど。
  CATVでTV版は見ていたがそれ程面白く感じてなかった。しかし劇場版は、意外に面白かった。下ネタ、下品なジョークは面白くは無いのだけど、それが作るリズムとポップさは面白い。ここまで、チープに下らなく出来るのは見事。
 キャラクタも豊富で、物語的にも飽きさせない。得に、地獄のサタンとフセインの使い方なんか上手かった。でも、一番面白かったのは、ビル・ゲイツの登場シーンか(^^;)。

 この映画とか「最終絶叫計画」みたいな下らない映画をそれなりに面白く作って、おまけに輸出までしてしまうハリウッドはやっぱり凄い。
 
「サウスパーク<無修正映画版>」 Official Website


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