凄く久しぶりの泉麻人。調べてみると、「三十五歳たちへ。」からだから4年ぶり。この本は、エッセイだと思って読みはじめたが、東京の色々な場所を舞台にする短編小説だった。
「螺子の町」の白金、「携帯を拾った男」の錦糸町、「ニコタマ夫人」の二子玉川など。まあ、それぞれ街の雰囲気は面白いものの、内容は重みが無い。それなりには楽しめて読めるけど。
ちなみに、この小説ではニコタマだけど、最近はフタコと呼ぶらしい。
初出「マダム」1988/4〜1989/12に連載のエッセイ。副題の通り、オバサンについての考察であり、連載された雑誌の「マダム」の読者に、真っ向からオバサンについて語るのは面白い。それも、論理立てた固い書き方でオバサンを分析するので、読者からどういう反応があったか興味深いところ。玉村豊男のオバサン像は1)中年の女性、2)自己中心的、3)社会性がなく、4)ワケもなく自身に満ちている。社会学的な視点や、考現学的考察を入れ、エスプリをきかせて面白い。
1973年から1989年に色々な所に書いた玉村豊男のエッセイを集めたもの。「文芸春秋」から「おもしろ半分」「世界美術の旅」などなど。内容は、ツアーコンダクター経験、ワインの話、料理の話など様々。内容的には玉石混淆と言ったところ。
一番、気に入ったのが、p164のパスポートの写真で、特に1968年フランス留学時の一次旅券の写真の秀才風写真は笑える。
映画「シーズン・チケット」が気にいったので原作を読みはじめた。基本設定などは同じだが、映画はエピソードを微妙に脚色していて、そこが上手い。ラストも映画の方がずっと夢があって、後味がいい。映画の方が好きだなあ、という印象。
小説から受けるジェリー、スーウェル(映画ではスーエル)の印象に、俳優の二人が凄くあっていたのに驚いた。
→ 映画「シーズンチケット」感想
誉める人がいたので読んだが詰まらなかった。読んでいて「聖なる予言」そっくりな雰囲気。ニューサイエンスの香りがする生ぬるい精神世界モノ。キリスト教の世界観もちょっと強すぎる。
翻訳も「聖なる予言」を翻訳した山川紘矢・亜希子で、雰囲気が余計に似ている。この夫婦、精神世界モノの翻訳がお得意だけど日本語の文章は下手。それも、解説によると原書のポルトガル語版からではなく、英語版からの翻訳。原書の味が随分と失われているかもしれない。
山川紘矢・亜希子のサイトを読むと「星の王子さま」も「かもめのジョナサン」も読んだ事が無いらしい(^^;)。こんな翻訳家の翻訳信用出来ないぞ。
読んでいるうちに「日本人の英語」を思い出したが、同じ著者の本だった。
日本語の微妙なニュアンス、例えば「日記が読まれた」と「日記を読まれた」が持つ微妙な違いと同じ様な違いが英語にある事を実感させてくれるだけでもためになる。実例も、「ゴットファーザー」「第三の男」「カサブランカ」や「ザ・プレイヤー」など、映画のセリフとその状況からニュアンスを説明してくれて面白い。
キングが愛娘ナオミのために書いたファンタジー。王国、魔法使い、ドラゴン、陰謀と道具立も展開も真っ当なファンタジー。しかしながら、部分的な書き込みの深さがキング的な生々しさがあって、子供にはちょっと怖い過ぎる感じもするけど。同時に二つの視点から物語を語ったり、小説としてはちょっと上級。
字がデカくて、電車で読むのはちょっと恥ずかしかった。(下巻を読んだのは一月あと)
1998/1〜2000/6まで「MINE」に連載されたもの。まついなつき、その主人と三人の息子の生活…フリーマーケット、育児、レジャー、片づけ、家事、食事、パン焼き、児童館通い、大掃除、収納、クリスマス、とごく普通の生活。
まついなつきは宝島時代、「プロジェクトC」を書いていた頃を知っているから、余りの平凡ぶりに驚き。「笑う出産」がヒット以降、まるで主婦向けになってしまったみたい。「東京暮しの逆襲」は、まだ昔の毒が満ちていて面白かったのに、残念。
→ 「開かれたまついなつきのホームページ」
ビーパルなどに連載しているシェルパ斉藤の著書。サブタイトルの「ものを出す人々からみたアジア考現学」そのままの内容。中国、サハリン、インドシネア、ネパール、インド、タイ、イラン、韓国。テーマがはっきりしていて、なかなか面白かった。旅のエッセイではトイレの話はよく出てくるが、ここまで突っ込んでいるとデータ的にも面白い。特に、ネパールでのブタトイレを求める旅や、イスラム教国でのトイレの掟などがよい。
「シェルパ斉藤の いきあたりばった旅」は嫌いだったけど、こういうテーマを絞ったのは面白い。
著者は米国の女性精神科医。ネット恋愛、不倫などを体験談を元に細かく分析している。不倫と離婚問題の解決、多くのトラブルへの対応など、さすがに専門家だけあって科学的だし、実践的。Eメールのやりとりは外見より中身から始まり、よい所ばかり見える、といった事は当たり前なのだけど、指摘されないと判らない人は確かに多いかも。
そういえば、インターネットも一般的でない、1986年「インフォマニア」(エリザベス.M.フェラリーニ、当時32歳)という、というパソコン通信で理想の伴侶を探し求めるなんて本があった事を思い出した。
最近、出会い系メル友殺人事件が世間を騒がしていたので読みはじめた本なんだけど、始めて会う時のアドバイスに、身の安全を守る方法が詳しく書いてあるのが米国的。
→ 「Internet Advice Online Seductions Book for Online Singles」
著者は別名で「溶解する公安調査庁」「お笑い公安調査庁」なども出版している。インターネットで著者を検索すると公安調査庁を止めてからも、同庁と色々トラブルがあるらしい。実は読むまで、法務省下の公安調査庁と、公安警察の違いもよく判ってなかった(^^;)。
内容は、公安調査庁のCIA研修の日記、講義内容他。CIA、公安調査庁の一面が判るだけでも面白い。CIAの分析方法は、サラリーマンでも役に立つかも。
→ 公安調査庁フロントページ
→ 公安警察
→ CIA - Central Intelligence
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