2000年2月

月に5冊しか読んでないのは何年ぶりだ…?


「いまは涙を忘れて」
メアリ・H・クラーク 深町眞理子訳 新潮文庫
- Weep No More,My Leady - Mary H.Clark

 今回は主人公は完璧な美貌の女優レイラ・ラサール。舞台は高級保養地で、レイラの妹、その婚約者、ライバル、保養地の経営者、元エージェントなどなどが絡みあう。他過去に傷をかかえる聡明な美女が事件に巻き込まれ、最後には最愛の男に助けられるというパターンはいつもと同じ。余りに同じパターンが続いているので、印象が薄い。


「聖母の日」上 ☆
F・ポール・ウィルスン 白石朗訳 扶桑社ミステリー
- Virgin - F.Paul Willson

 湾岸戦争時、イスラエルの砂漠、死海文書が発見されたクムラン近くに落ちたミサイルにより洞窟が現れる。そこで発見された古文書をもとに、神父ダン、修道女キャリーはマリアの遺体を探し当てる。このマリアの遺体が数々の奇蹟を起こしていく…。
 「ザ・キープ」などで有名なF.ポール・ウィルソンが、メアリー・E・マーフィという女性名で出版したもので、おそらくキリスト教系の圧力が恐かったせいだと思う。大胆なストーリ展開が面白く、宗教をネタにしてここまでよく書けるなと関心。当然、いつもの様にストーリー・テーリングは巧み。
 ヴァチカンの司教リッチオはヴァチカン奇蹟調査員。ちょうど「スティグマータ奇蹟」の主人公と同じ役目だと思う。


「聖母の日」下
F・ポール・ウィルスン 白石朗訳 扶桑社ミステリー
- Virgin - F.Paul Willson


「闇の報復」上
F・ポール・ウィルスン 仁科一志訳 扶桑社ミステリー
- Reprisal - F.Paul Willson

 「リボーン」に続く、ナイトワールド・サイクルの第5作目。
 米国南部、ダーネル大学数学科准教授リスルは、大学院生レイフによって道徳的に徐々に堕落させられていく…。ナイトワールドの中でも超自然現象を大胆に使ったものではなく、人間の中の悪を扱っているもので精神的な恐さを持ったこういうタイプの方が好き。魔神ラサロムの悪意が善良な精神を蝕む様が恐い。
 ナイトワールドは次の6作だけど、なんかバラバラの順番で年数が離れて読んでいるので、前を思い出すのに苦労してしまう。
 
「ザ・キープ」
「マンハッタンの戦慄」
「触手(タッチ)」
「リボーン」
「闇の報復」
「ナイトワールド」


「闇の報復」上
F・ポール・ウィルスン 仁科一志訳 扶桑社ミステリー
- Reprisal - F.Paul Willson


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