キトラ古墳5・四神獣
ページ・【1.キトラ古墳・緯度】【2.黄道】【3.赤道】 【4.星宿】【5.四神獣】【6.リンク】
▲古天文目次へ■ホームページへ

●四神

●四神(しじん)
 四神獣は 「玄武(げんぶ)」・「白虎(びゃっこ)」・「青竜(せいりゅう)」・「朱雀(すざく)」 の四神を言います。三角縁神獣鏡などにも描かれておりますね。

 最近の例では、 相撲に使う土俵の屋根に、フサが4つぶら下がっておりますが、あれが四神獣の簡略形です。

 四神獣は二十八宿のうち7宿ずつ割り当てられており、その方角の神獣となっています。

●[東方蒼竜]
 東方の宿は四神獣のうち竜を形どった「蒼竜」の形が当てられ 「角・亢・氏 ・房・心・尾・箕」の 7つの宿からなります。
●[北方玄武]
 北方の宿は四神獣のうち亀に蛇を形どった「玄武」の形が当てられ 「南斗・牽牛・須女・虚・危・営室・東壁」の7つの宿からなります。
●[西方白虎]
 西方の宿は四神獣のうち白い虎を形どった「白虎」の形が当てられ 「奎・婁・胃・昴・畢・觜・参」の7つの宿からなります。
●[南方朱雀]
 南方の宿は四神獣のうち鳥を形どった「朱雀」の形が当てられ 「東井・鬼・柳・星・張・翼・軫」の7つの宿からなります
●白虎が逆向き
 石室の天井には星宿図。壁面には四神獣が描かれていました。 描かれていた四神獣で問題なのは白虎の向きが逆向き(北向き)であったことです。

 ★西壁に白虎を描けば良い程度の知識しかなかったのではないか。 ★単なる間違え。 ★構図上しかたなかった。 ★意図的な変更。など意見が分かれているようです。

 次に紹介しますのは、黄道が逆さまなことと関係があるのではという説です。 う〜ん。これは・・・説明が難しいので・・・ま〜きばってみますか(^^;



天象列次分野之図
●古天象図を元に復刻
 天象列次分野之図は1395年に高句麗の「古天象図」を元に復刻されたものです。 歳差による補正「14中国度」等が加えられました。

 その高句麗の「古天象図」はAD667の高句麗滅亡時に大同江に沈んでしまったものです。

 天象列次分野之図はキトラの天文図と似ている点がありますので、同じこの高句麗の 「古天象図」が基になったとした場合のおはなしです。


逆向き白虎
●北東の方角に
jpnkitorazzcz10.gif  左図は二十八宿と方角を表したものです。四神は円の周りにあるように、頭と尾の方向が 決まっていたようです。

 キトラの場合白虎は南を向いているはずなのに、何故か北を向いています。

 高松塚古墳では白虎は南を向いていました。
 天象列次分野之図の北東の方角(左上)に「南方朱雀七宿・・略・・」と刻まれております。 これは「古天象図」にも、この位置に「南方」と刻まれておりまして、 同じ「古天象図」又はその系統をキトラ古墳でも使ったとした場合、 本来二十八宿の南に方角を合わせるべきところ、「南方」と刻まれていた方角(北東) へ「白虎」を向けてしまったのではないか?と言うことです。

東アジアの古代文化97号:キトラ古墳星図ー飛鳥への道ー橋本敬造著:大和書房より


右45度の回転
●西方白虎
 さて、同じく白虎の間違えです。出典は同上。

 「古天象図」の北西の箇所に「西方白虎」の文字がありまして、 この方角と西側の壁が合うように、原図を45度右回りに回転させて、書いてしまった。

 よって星図の東西南北と四神獣の位置が全て45度ずれてしまったという説です。

 「黄道が45度ずれていた」事と「全て45度ずれてしまった」って関係あるんでしょうかね??

●Apollonの勝手な憶測
 「全て45度ずれてしまった」のは白虎さんのせいだとしまして、「黄道が45度ずれていた」 のは多分内規・赤道・外規と違い黄道は「同心円ではない」ためではないでしょうか。

 つまり「星を描くと同心円」は同じ作業として行って「黄道」を後から書いた。 その際、間違ってもう一度、45度回転させてしまったと言う可能性もあるような 気がしないでもないですね〜。ウム?


ページ・【1.キトラ古墳・緯度】【2.黄道】【3.赤道】 【4.星宿】【5.四神獣】【6.リンク】
▲古天文目次へ■ホームページへ