ヘラクレス座1・系図

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ヘラクレスの系図

●ひ孫
 系図は通常お話の最後に持ってくるものですが、それでは読んでいる途中訳が分からないので、 最初の項目にしました。

 ヘラクレスはペルセウスとアンドロメダーのひ孫にあたります。 そうゴルゴン姉妹の1人メドゥーサを倒したあのペルセウスですね。

ペルセウスは冒険の後ミケナイの支配者となり、 ペルセウスの死後子供のエレクトリュオーンが後を継ぎます。 そしてエレクトリュオーンの子がアルクメーネー、このアルクメーネーがヘラクレスの母になります。

 下の系図ではメドゥーサ・ゴルゴンといった名前が出てきますが同名の他者です。

        |―ペルセース 
ペルセウス   |―アルカイオス      
  |―――――|    |―――――――アムピトリューオン
アンドロメダー | アステュメドゥーサ|  |――――――――ヘラクレス
        |          | アルクメーネ**************************************
         |          |  |――――――――イーピクレース             *
         |          | ゼウス         |―――――イオラ-オス  *
          |          |           アウトメドゥ-サ            *
         |          |―アナクソー...............................        *
        |                                                               .        *
        |―ステネロス                                                    .        *
        |   |――――――――アルキュオーネー                        .        *
        | ニーキッペー   |―メドゥーサ                              .        *
        |          |―イーピス                              .        *
        |          ⊥―エウリュステウス                       .        *
        |              |―――――――アドメーテー        .        *
        |            アンティマケー |―アレクサンドロス    .        *
         |                    |―イーピメドーン      .        *
         |                    |―その他省            .        *
        |            ポセイドーン                          .        *
        |―メーストール             |――――タピオス―プレラーオス    .        *
        |   |――――――――ヒッポトエ                             .        *
         | リューシディケー                                              .        *
        |                                                                .        *
        | アナクソー.....................................................        *
        |     |――――――――アルクメーネー************************************
        |―エレクトリュオーン    
        |     
        |―ゴルゴポネー

●もう1人
 お話の中でエウリュステウスが良く出てきます。ヘラクレスの叔父にあたる人ですね。

 それから「しし座」のお話に出てくるヘラクレスの異父兄弟の子供イオラーオスなどがいますね。 なんだこの人親族だったのという人が出てきますので、たまにこの系図を見て下さいね。


ヘラクレスの祖先

●ご先祖様のお話
 ヘラクレスのお話の前に、ヘラクレスのご先祖様のお話をしておきましょう。

●ミュケナイの王権
 ペルセウス座のペルセウスは冒険の後にミュケナイの支配者となり、 ペルセウスの3番目の子ステネロスはペルセウスの後を継ぎミュケナイとティリコンスの 支配者となりました。
 そしてそのステネロスの死後、ステネロスの弟エレクトリューオンが 王権を引き継いだのです。

 一方、祖父を海神ポセイドン・母方の曾祖父をペレセウスの4番目の子メーストールにもつ ギリシア西端の島々を支配下に置くプテレラーオス王がおりました。
 プテレラーオス王は「ポセイドンの黄金の髪」を持っている間は 決して他の者に征服されることはないという特権を持っていたのです。

●牛泥棒
 ギリシア西端の島々を支配下に置くプテレラーオス王には6人の息子がおり、 その息子はみな獰猛(どうもう)な海賊でした。

 彼らは軍を従え突然ミュケナイに現れて、 エレクトリューオン王にミュケナイの王権を返還するように要求しました。

 エレクトリューオンはメーストールの後裔(こうえい)達の要求をはねつけました。 怒ったプテレラーオス王の息子達は、ミュケナイの牛の略奪を始めました。
 略奪を阻止(そし)しようとエレクトリューオン王の8人の息子の内7人(一人は幼かったリキュムニオス)が 戦いを始め、プテレラーオス王の6人の息子のうち5人・ 戦いに出たエレクトリューオン王の7人の息子全員が戦死しました。

 生き残ったプテレラーオス王の息子とテレボエス人の軍は、 奪った牛をエリス王ポリュクセノスのもとに置き、 ペロポネソスの西岸に停泊させておいた船で帰還しました。

●テレボエス攻撃
さて話しは前後しますが、エレクトリューオン王にはアルクメーネーという美しい娘がおりました。 エレクトリューオン王は甥のアムピトリューオンに、娘と暮らすための新しい故郷を探すことを条件に 娘アルクメーネーを嫁にあげると約束しておりました。

 エレクトリュオンは弟のステネロスに国を任せ、自ら息子の仇を討つために、 プテレラーオス王の国テレボエス攻撃をしようとしておりました。 丁度そのときにアムピトリューオンが、エリス王ポリュクセノスから牛を買い戻して連れ帰って 来た所だったのです。

●エレクトリューオン王の死
 えっと。ここでアムピトリューオンがエレクトリューオン王を殺してしまうのですが、 はっきりとした話は伝わっておりません。それではお話がとぎれてしまいますので、 所伝を二つ紹介いたします。

 エレクトリューオン王は盗まれた牛を買う馬鹿があるかと怒られたため、 アムピトリューオンは腹立ち紛れに牛に棍棒を投げつけましたが、 その棍棒が牛の角に当たってはねかえり、 エレクトリューオン王に当たったため死んでしまったといいます。

 今1つは、牛の1頭が逃げ出したため、棍棒を投げつけたら牛の角に当たり、 その棍棒が牛の角に当たってはねかえり、 エレクトリューオン王に当たったため死んでしまったといいます。

●テーバイで
 エレクトリューオン王を結果的に殺してしまったアムピトリューオンは、 エレクトリューオン王から国を任されていたステネロスは、 罰を口実としてアムピトリューオンを国外追放に処しました。

 アルクメーネーは「父を殺したのは偶然なので何の恨みもありません。だた 7人の兄弟の仇を討つまでは、私に指1本触れてはいけません。」と言いました。

 こうしてアムピトリューオンはエレボエス攻撃軍の指揮を執らなければならなくなりましたが、 十分な戦力がないのでテーバイで攻撃軍の参加を呼びかけることにしました。

 アムピトリューオンはテーバイに向かいアルクメーネーとその幼少の弟リキュムニオスを連れて いきました。テーバイの王クレオーンはアムピトリューオンの罪を清め、 エレボエス攻撃に助力する条件としてカドメイアの牝狐を退治するように言いつけました。

 この頃テーバイでは誰にも捕まえられない運命を持つ牝狐が、 それを幸いとして悪さをしておりましたので、 アムピトリューオンは アッティカ地方の英雄ケパロスに牝狐の退治と義勇軍への参加を持ち掛け、 ケパロスは牝狐の退治(こぎつね座)に助力し、 エレボエス攻撃軍に参加することになったのです。   

●義勇軍
 ケパロスの助力を得て、テーバイで募った義勇軍とでエレボエス攻撃が開始されました。

エレボエスを支配するプテレラーオス王はポセイドンが頭に植え付けた「黄金の髪」が付いている間は 不死になり、かつ、決して他の者に征服されることはないという特権を持っていたのです。

 しかしプテレラーオス王の娘コマイトーはアムピトリューオン(一説には曙の女神エオスにさらわれる ほどの美男子ケパロス)に恋してしまい、彼を助けるために父プテレラーオス王の「黄金の髪」を 毟り取ってしまい、プテレラーオス王は死に、アムピトリューオンはこの地を征服しました。

 コマイトーはこの後殺されてしまったと言います。

●それでは
 ヘラクレスは数々の功績により、ゼウスの子供でただ一人神々の席に加えられるまでになりました。 それではその長い長いヘラクレスの冒険の始まりです。

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