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            第2回尾張旭市情報公開懇話会議事要旨




1 日時及び場所
  平成12年3月22日(水)午前10時から12時
  市役所講堂(2)


2 出席者
(1) 委員
   今井光映委員、安藤公爾委員、川崎美智子委員、谷口 昌委員、足立 巖委員、
   松本純子委員
(2) 事務局
   若杉総務部長、稲垣総務課長、松原文書係長、山下主事


3 第1回懇話会における質問事項について
  別紙「第1回懇話会における質問事項及び事務局回答」により論議する。

(1) 条例案第1条(目的)について

 (足立委員)
   国のあり方、法律に我々自治体が従うべきなのかという疑問があります。国は後追
  い的に情報公開法を作ったのであり、法自身よりも進んでいる自治体もあります。国
  に合わせて足をひっばられるという形になるのは残念であるため、当市も先進的な所
  を見せる必要があるのではないでしょうか。「知る権利」の具現化として、市民に情
  報の公開を請求する権利があるということを定め、請求権を行使し、行政側は開示の
  義務を追うということが「知る権利を保障する」ということだと思います。保障する
  ことが目的というわけではなく、保障することによって市の市民に対する説明責任、
  市民の参加ということが呼び掛けられるのではないでしょうか。

 (安藤委員)
   目的としてとらえる場合、「知る権利を尊重し」という事務局の回答がいいかどう
  かは別として、こういう方向性のもとにすべてが考えられているという考え方も捉え
  れば、第2条以下についてもすべて「知る権利を尊重する」という姿勢でもって考え
  なさいという全体としての基本釣な考え方を表示しているという解釈の場合において
  も「知る権利」を最大限認めていくような形でやりなさいという意味で置かれている
  いう位置付けをするなら、「尊重し」でもいいのではないかと思います。「知る権利
  を尊重し」ということでは不十分であると断定するところまではいかないのではない
  でしょうか。精神的というか、解釈の根本的な性格規定を位置付けしているという意
  味でいけば、こういうあり方もあるのではありませんか。

 (足立委負)
   公文書を公開するという権利はどこに発生してくるのかということ自身が、まさに
  その情報公開法に謳わなかったらあいまいさが残ります。情報公開というのは、行攻
  側から一方的に下されるものではなく、当然市民の権利であるということを謳わなけ
  ればなりません。「行政が情報、公文書を積極的に公開する義務がある」ということ
  を明解に謳うべきだと思います。例えば、東京都中野区の条例には「知る権利を保障
  する」と明記されており、本市も国に合わせるのではなく、いち早く取り入れた方が
  いいと考えます。

 (谷口委員)
   一般の市民の人たちがこの条例を見てどう受けとめるだろうかということですが、
  「尊重」は一般的であり、「保障」は強い感じがするので、一般市民感覚でいえば
  「尊重」でいいと思います。

 (松本委員)
   「尊重」という表現では意味がないような気がします。何のための情報公開法かと
  いうと、「知る権利を専重する」というのは当然のことであって、その上で「保障」
  すべきだと思います。

 (川崎委員)
   「保障」だと言葉が大きいかとは思いますが、ここでは「保障する」とはっきりさ、
  せた方がいいのではないでしょうか。他にまったくそういう条例がないということな
  ら他市に合わせてということにもなりますが、他にもあるということならいいと思い
  ます。

 (足立委員)
   市民としては保障してもらった方が安心できます。情報公開条例は、いろいろやっ
  ていく過程で永久に修理していかなければならない条例であるという人もいます。山
  形県金山町の担当主事にメールを送ったら、1週間以内に自分の言葉で今までのいき
  さつ等を書いたものが返送され、文書の最後に「職員の資質向上等は、今後の当町に
  とっても永遠の課題といっても過言ではありません。」と書いてありました。行政側
  から「永遠」という言葉を聞くのは初めてであり、こういう文学的な表現をする職員
  のいるこの町自身が情報公開や町民とのあり方に関して非常に密接に繋がっていると
  感じられました。情報公開に積極的な考え方をもって取り組んでいる所は、すぐに回
  答してくれ、こういうことは、情報公開ということが市町にきちんと浸透していない
  とできないことであると思います。

 (安藤委員)
   保障が絶対いけないというわけてはありませんが、第1条を精神的な意味での解釈
  規定と捉えていくと、「尊重し」というのが極めて消極的な表現だとは必ずしも言え
  ないと思います。

 (足立委員〉
   いけないということではなく、どこまで踏み込めるかということです。「知る権利
  の保障」ということが目的規定にあるのが重要であり、「尊重」だと努カ義務のよう
  て、尊重する努力をすればいいというように取られてしまいます。

 (今井委員)
   目的というのは「究極目的」と「手段目的」とがありますが、この第1条は「手段
  目的」だと思いますが。

 (足立委員)
   この目的規定の中には内訳があって、目的規定全体が目的であるとともに、「もっ
  て市の・・・公正で開かれた市政を推進することを目的とする。」という内訳項目、つま
  り究極目的があります。

 (松本委員)
   「尊重」という言葉を使うと行政側の逃げを感じるので、「保障」にしたいと思い
  ます。

 (足立委員)
   これからはただ理解と協力を求めるということではやっていけません。皆運命共同
  体であるので、すべて隠さずに出してもらって、問題の解決方法を見つけてやってい
  かなければなりません。情報を公開する義務があるということを職員全体に周知しな
  ければならないと思っています。

 (今井委員)
   中野区は「保障」という言葉を巡って議論があったのかということと、金山町の職
  員が個人でしたこと(足立委員に答えたこと)の責任はどこにあるのかということを
  調べておいていただきたいのですが。

 (足立委員)
   金山町宛てに問い合わせをしているから、職員個人の責任問題とは何も関係ないと
  思います。

 (今井委員)
   行政の組織としてはどうなのてしょうか。

 (総務課長)
   内部的には間題になることだと思います。意思決定がどういう過程で行われたのか、
  その回答が公文書にあたるのか、どこで決定していくのかは重大な問題です。行政側
  からみると、電話相談にも類似しており、今後電子メールての問い合わせ等も多くな
  ると思いますが、その内容が組織として意思統一されたものかどうかという認識は現
  実的には難しいものであります。

 (足立委員)
   条例が施行されていない尾張旭市にメールで何度も資料を請求したら、送ってくれ
  ましたが。

 (総務課長)
   公文書ではなく、資料提供の範囲内で、行政サービスとして行っているものだと思
  います。

 (今井委員)
   資料というものは客観的なものであるが、金山町の職員の回答には主見が入ってい
  るのではないですか。

 (足立委員)
   今は金山町のことについて話すときではないのではありませんか。

 (今井委員)
   そのプロセスを知りたいのです。そういうことも知っておいた方がいいのではない
  かと思いました。今日結論を出すということではなくて、さらなる議論があったとい
  うことで、中野区の件を調べておいてほしいと思います。

 (総務課長)
   どこまで教えてもらえるかわかりませんが、確認を取ります。

(2) 第2条(定義)について

 (足立委員)
   前回の質問事項にはありませんが、第2項の「管理」という文言についてですが、
  法では「保有」であり、大綱案の要点2では「決裁・供覧等の文書管理規程上の手続、
  的要件で対象文書の範囲を画することは適切でなく」と書いてあるのに、なぜ「管理」
  としているのでしょうか。「保有」という文言を使ってもらいたいと思います。「管
  理」の領域に入っていないから文書は不存在だといわれるのを危惧しております。

 (文書係長)
   市の場合、一般的に「文書を管理する」という言い方をしています。「管埋」も
  「保有」も意味に違いはありません。文書の作成、保存、保管、廃棄までを合めて文
  書の管理と言っております。

 (安藤委員)
   言葉の整合性というのは大事であるので、混乱を起こさないように「管理」で統一
  した方がいいと思います。

 (足立委員)
   「保有」と「管理」は違います,「管理」というのば意識的なものであり、「保有」
  というのはどんな形でも、乱雑てもそこにあるものであります。

 (総務課長)
   行政機関が持っているものは必ず管理していなければならないということですが。

 (総務部長)
   文書は「管理するもの」と決められております。

 (谷口委員)
   そう文言にとらわれることはないのではありませんか。その場所で持っているもの
  は管埋しているものと解釈すれば、「管理」でいいのではないですか。

 (足立委員)
   法律というのは、文書を解釈するものであるので、きちんとしておかなければなり
  ません。国は「保有」という言葉を意識しています。

 (今井委員)
   基本的な区別をつけたものではないということでよろしいのではないでしょうか。

 (足立委員)
   現在議事録をとっていない所には、来年4月以降に意恩形成の過程がわかるように
  議事録をとるようにさせるのですか。自治省は、特別職報酬等審議会について、「審
  議経過、答申の理由等を明確にし、住民の理解が得られるように特に留意すること。」
  としています。会議公開を情報公開の中に入れている所もあります。

 (総務課長)
   付属機関の会議の進め方については、条例で定められておりますが、個々の審議会
  ごとに具体的に定めるべきものであると思います。

 (足立委員)
   議事録、資料がないから見せれないということだと、市民に対して説明が付きませ
  ん。

 (谷口委員)
   市役所はたくさんの仕事を抱えており、会議すべてをテープにとって文書化してい
  くのは困難だと思います.大事な決定事項は当然公開するというのは本筋だと思いま
  すが、細かい議事録等を公開するというのは困難であります。議会は議会事務局を持
  っているからいいと思いますが。

 (今井委員)
   行政改革と関連するのではないかと思います。

 (足立委員)
   大変だからやれないではなく、やらなければなりません。市民は、審議の過程を知
  リたいのですから。

(2) 第7条(公文書の公開義務)について

 (足立委員)
   基本的には、公務員のプライバシーと公務員が公務上書類に書いた名前とは分ける
  べきです。名前を出した場合に命の危険にさらされるような仕事が本当にあるのです
  か。国ても中央省庁の課長相当職以上には適用されますが、その人たちのことはどう
  なのでしょうか。

 (総務課長)
   国家公務員と市町村職員とは違い、市町村の職員は地域密着型であるため、本人は
  さておき親族にまで影響が及ぶというようなことも考えられるのではないでしょうか。
  本人が公務員として行ったことについては責任を取るべきだと思いますが、本人を公
  表したことによって、家族や親族にまで影響が及ぷ度合いというのは、地域密着型ほ
  ど強いのではないてしょうか。

 (足立委員)
   「不当」を「相当」にかえなければいけないと思います。なぜ名前を出すかという
  と、名前を出すことによって責任が全うされると思います。また、「説明責任」と一
  言で言ってしまうと、1つの意味になってしまうので、「説明」と「責任」に分けた
  方がいいと思います。

 (川崎委員)
   1つ質問があります。第6条(公開請求の手続)の第3号は、どんなことてすか。

 (文書係長)
   自己情報の公開か公文書の公開かということや、公開の方法として閲覧なのか、写
  しの交付なのか、又は郵送を希望するのかということです。

(4) 第11条(公文書の存否に関する情報)について

 (足立委員)
   この前は北海道の例をあげましたが、静岡県は運用できちんと回答しています。何、
  も問題は起きていません。

 (文書係長)
   具体的にはどういったものかというと、個人の措置入院に関する文書、生活保護に
  関する文書、特定企業の開発計画に関する文書等てす。

 (足立委員)
   国は外交機密、軍事機密や犯罪の捜査に関するものと特定のことしか言っていない
  のに、警察もない本市でなぜこの条文が必要なのでしょうか。

 (総務課長)
   運用ではなく根拠規定を置かないと、説明ができません。

 (足立委員)
   あるともないとも言わないなら、あると見なされます。この条文は意味がなく、情、
  報公開の歯止めであります。

(5) 第12条(公開請求の拒否)について

 (足立委員)
   武蔵野市が約200万円かかったというのは、資料の中のプライバシーに関する所
  を黒塗りして、やり直したりしてたら、こんなにかかってしまったということであり、
  こういうことがあって、大量請求というのがあちこちに流布してしまったのです。こ
  れは、主客転倒だと思っております。大量請求を恐れるのではなく、ファイリングシ
  ステムを整備して解消していくのが筋だと思います。結果的に大量請求になるのは、
  それが必要な文書なら仕方がありません。

 (文書係長)
   大量請求のことだけではなく、いやがらせ目的とか、第三者の権利を害するもの等
  全部を含めています。

 (足立委員)
   ごくごく一部のことに関してこの条文を入れるのは主旨に反しています。窓口の人
  がよくわからずに誤った方向にいってしまうときがあります。

 (文書係長)
   窓口は総務課です。処理できる範囲であれば、たとえ時間をかけようと公開します。
  大量というのは、延長、特例でも処理できないほど多くて、時間的に不可能なときの
  ことです.請求の段階て請求者と相談しますが、相談にも応じないような請求のとき
  です。

 (安藤委員)
   これらの問題はないとはいえません。窓口だけで拒否するのではなく、第2項で審
  査会の意見を聴くことにもなっているし、いいのではないですか。書き方は別にして
  も、必要であると思います。目的があるかないかというのは内心の部分なので、「目
  的」という文言はない方がよく、「不当なことが明らかな」とか「不当に使用する」
  といった書き方ではどうですか。

 (川崎委員)
   この規定は必要であると思います。こういう規定がないために、明らかに不正な目
  的で請求する者があるでしょうし、守るべき市民の情報もあるのにそれが守れなくな
  ると思います。

 (足立委員)
   本当にごくわずかで、ありえないかもしれないことです。極力使わないようにする
  べきで、電子化、ファイリングをしっかりやれば、大量請求には対応できます。

4 情報公開大綱(案)及び情報公開条例(案)について
  第13条以降について論議する。

 (1) 第13条(公開請求に対する措置)について

 (足立委員)
   「公開請求者に対し、」の次に「すみやかに」という文言を人れてほしいと思いま
  す。不服申立てについては記載されていませんが。

 (文書係長)
   処分を通知するときに、通知文に不服申立てについて記載します。

 (総務課長)
   表示義務があります。

 (2) 第14条(公開決定等の期限)について

 (足立委員)
   「遅滞なく」はマイナスのイメージがあるから、「すみやかに」に変えていただき
  たい。

 (3) 第15条(公開決定等の期限の特例)について

 (足立委員)
   「相当の期間内」というのは判断基準が不明であり、実施機関の恣意的裁量になる
  のではないかと危惧します。「遅延してはいけない」というような制裁規定を入れた
  らどうでしょうか.
   「相当の部分」というのはどのぐらいかを請求者と相談してやっていくことが必要
  だと思います。

 (4) 第16条〈第三者に対する意見書提出の機会の付与等)について

 (足立委員)
   第1項は「与えることができる」という任意規定であるのに、第2項は「与えなけ
  ればならない」という義務規定になっています。第三者を重視しすぎるのではという
  心配をしています。こちらも任意規定でいいのではありませんか。

 (文書係長)
   第三者については、知らない人に知らないうちに自分の情報を知られてしまうので、
  そのことを知っておいてもらう必要があります。

 (安藤委員)
   利害関係を持つ第三者に対しては、チャンスを与えないとその者の権利を侵害する
  恐れがあります。意見書を出すか出さないかは別として、機会を与えるということは
  必要だと思います。

 (足立委員)
   行政手続法の不利益処分の対象になりえるのでしょうか。当てはまらないと思いま
  す。判断は本人に任せて、義務規定ではなく任意規定でいいと思います。

 (5) 第17条(公開の実施)について

 (足立委員)
   公開請求書の受領方法についての要望として、郵便は当然として、ファツクス、E‐
  mai1、フロッビーディスク、直接パソコンからパソコンというような多様な受領方法
  を取り入れてほしい。情報公開が有効に実施できるように文書が管理,整備される文
  書管理システム(ファイリングシステム)を導入したらいいと思います。コビーはど
  の大きさまでですか。

 (文書係長)
   A2まてです。

 (総務課長)
   コピーとしてはA4が基準になります。

 (足立委員)
   カラーコビーはできますか。

 (文書係長)
   カラーコビーが入れば、対象にしていきます‐請求書の受領方法については、紙、
  ファックス、メールが整備されればメールでという方法もあります。押印は不要なの
  で、必要な事項(氏名、住所、どういう情報が必要なのか、どういった公開の方法で
  なのか等)がわかれば、請求できます。

 (今井委員)
   あまり具体的に挙げなくても、「情報化の進展状況を勘案して」とあるからいいの
  ではありませんか。

 (6) 第18条(他の制度による公開の実施との調整)について

 (足立委員)
   個別法が情報公開法に合わせるのが本当でばないかと思います。
  前にできた個別法に合わせるのてはなく、そのときそのときに合わせてきちんど判
  断できるようにしていただきたい。

 (文書係長)
   例えば、戸籍法によりまして戸籍の謄本をとると200円ですが、情報公開法では
  10円になってしまいますのて、戸籍法による手数料は当然必要になります。

 (足立委員)
   書き方がちょっとわかりにくいので、もう少し簡単になりませんか。代名詞が多い
  のでばないでしょうか。

 (文書係長)
   「前条」等を直すと、条例が改正されたとき、前条が変わるとこの条まで変えなけ
  ればならなくなります。

 (今井委員)
   課題としましょう。

 (7) 第19条(費用負担)について

 (足立委員)
   手数料は無料というのは、閲覧も無料ということですか。

 (文書係長)
   はい。

 (足立委員)
   デジタルカメラで写してもよいことにしてほしい。

 (安藤委員)
   写しの交付という概念がどこまででしょうか。写真等で撮るという所まて認めるの
  ですか。

 (文書係長)
   それは自由です。費用負担は、写しの作成に要する費用と郵送料です。

 (足立委員)
   写しの作成の際、本人の申請内容によっては、減免措置を考えたらいいのてはない
  でしょうか。
   作成してきた追加資料を出すので、議事要旨と一緒に配っていただきたい。

 (今井委員)
   今回は第19条までということにしましょう。

5 その他
  今回の議事要旨を各委員に送付する。
  次回の懇話会は、4月19日(水)に開催予定である。   

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