第1回懇話会における質問事項及び事務局回答
質問事項1 条例案第1条(目的)について
大綱案では「情報の公開を譜求することができる権利を制度的に保障することを目的とする」とされているにもかかわらず 「知る権利を尊重し」となっている。なぜ「保障」という文言を使えないのか。一歩踏み込んで「知る権利を保障し」とすべきではないか。
事務局回答
情報公開の目的は「知る権利」を保障することではなく、市民に対し「情報の公開を請求する権利」を保障することと考えます。
「知る権利」及び「説明責任」という言葉は、ともに情報公開制度の理念を示すために明記するものです。このことから「知る権利を尊重しの表現が適当と考えます。
質問事項2 「第2条(定義)について
各種審議会(諮問機関)等は実施機関に含まれるのか。例えぱ、この情報公開懇話会もそうであるが、報酬審議会、文化財 保護審議会等はどうか。議事録をとっていない会議はどうか。
事務局回答
地方自治法第138条の4第3項に基づき、条例で定められた執行機関の附属機関は、当然に対象機関となり、その属する機関が実施機関となります。条例で定めた審議会としましては、例えぱ、総合計画審議会、特別職報酬等審議会、公民館運営審議会(教育委員会)、文化財保護審議会(教育委員会)、廃棄物減量等推進審議会、都市計画審議会です。実施機関の内部の諮問機関は、実施機関の権限下にあり実施機関に含まれるものです。
議事録というのは公文書であり、情報公開の対象となります。情報公開とは、会議の公開ではなく文書の公開であるので、会議を録音したテープや議事録等は対象となりますが、会議そのものは対象となりません。
質問事項3 第7条(公文書の公開義務)について
第1号ウ「(当該公務員の氏名に係る部分を公にすることにより、・・・当該部分を除く。)」についてであるが、公務に関する情報は本来ブライパシーとは無関係てあり、公開によって説明責任を全うすぺきであると考えるため、この文言は必要ないのてはないか。「権利利益を不当に害する」とは、例えぱどういう場合か。
事務局回答
公務員の氏名は、行政事務の遂行に係る行政組織の内部管理情報として担当公務員を特定するために行政文書に記録される ことが多いが、同時に、当該公務員の私生活においても個人を識別する基本的な情報として一般に用いられており、これをすぺて公開すると、公務員の私生活等に影響を及ぽすことがありえます。公務員の身体に危害が加えられるおそれなどがあると想定されます。
質問事項4 第11条(公文書の存否に関する情報)について
「個人のプライバシーを尊重するため、当該文書の存否については答えられない。」と回答すれぱいいので、この条文は必要ないのではないか。
事務局回答
明文の規定を置くと否とにかかわらず、行政文書の存否を答えない応答が必要な場合が存在することは否めません。この条文ば、法第8条と同じであり、公文書の存否を明らかにするだけで、非公開情報の規定により保護される利益が害されることとなる場合でありますが、明文の規定なしに拒否を行うことは不透明であり、真に必要な場合については、明文の規定を設けるのが筋と考えます。
質問事項5 第12条(公開請求の拒否)について
請求権者を「何人も」とし、講求書には目的を記載しなくてもよいとされているにもかかわらず、「不当な目的によることが明らかなとき等は当該公開請求を拒否することができる」とされている。目的を記載していないのにそれが不当であるという判断はどうやって下すのか。国の条文にはないし、この条文は必要ないのではないか。
「目的」という文言が人っているため、ある意味(で)問題視されるのではないか。例えば、何度も同じ人が請求するというような不当な権利を保障し、情報公開の趣旨と違うということであり、技術的な部分での不当性があるとすれぱ、表現を変える余地があるのではないか。
事務局回答
「不当な目的によることが明らかなとき」とは、例えぱ、専ら市の事務遂行能力を減殺させる目的て大量の公開請求を行うこと、嫌がらせを目的として同一人が同一の公開請求を何度も繰り返し行うこと、第三者の権利を害することを目的として公開請求を行うこと等、公開請求の態様等から判断し、この条例の趣旨及び目的から著しく逸脱する目的で公開請求が行われて
いることが明らかなことをいいます。判断にあたり、仮に情報公開請求書に請求目的を記載する項目があったとしても、これをもとに判断するものではありません。ただし、条文上「目的」という文言は必要ないと考えます。
権利濫用に関する一般法理を適用することによって対処することができると考えられますが、実務は、請求を濫用であるとして扱うことを躊躇してきた事実もあり、一般法理の発動が現実的かという間題も残ります。