注)2002年7月25日の文章
W杯、盛り上がりました!中国は残念ながら敗退しましたが、日本よくやった!
なんて書いてますが、この原稿を書いている時点では、日本が決勝トーナメント出場決定したところ。
あたりさわりのないコメントですみません。
サッカーといえば、お薦めの香港映画があります。「少林サッカー」です。香港では2001年に公開された松林寺憲法とサッカーが融合したはちゃめちゃ映画です。「んなアホな!」とスクリーンにつっこみっぱなしの映画です。理屈抜きに笑えます。これぞ香港映画の真髄です!
香港映画をまだ見たことない方にもお薦めします!
というわけで、今回は中国の映画のお話しなど・・・ 注:文中、1元=15円くらいの換算。
映画人口
大学の中に講堂があり、そこでは時々、学生やご近所の方のために映画が上映されました。
映画館で見ると20元〜30元はするところが、5元くらいで見れるので大人気でした。
当時から映画館はいつも閑古鳥が鳴いてました。大体、当時の北京の平均月収1000元からみても、映画代金は高騰しすぎだったと思います。また、海賊版のVCDがロードショー前に売り出されるので、これも映画館に行かない原因だったようです。VCDというのはビデオCDのことで、パソコンやVCD専用の機械で見ることができます。海賊版のVCDなら10元、正規版のVCDは50元くらいで買えます。地下鉄の入り口やバス亭などの道端で、布の上に海賊版を並べて売っている人がよくいました。これはもちろん違法です。布の四隅には紐が通してあり、警察が来たら四隅の紐をきゅっとひっぱり商品を背負って脱兎の如く逃げるわけです。賢い!試しに海賊版を買ってみましたが、映像が途中で止まったりして、これこそ安物買いの銭失いでございました。また、レンタルVCDを5元くらいで借りることもできましたので、これじゃあ映画館には誰も行かないですよね。
でもこれも98年頃のお話ですので、都市部の年収が上がった今では上海あたりの若者はデートで映画館に行くようです。去年上海で映画を見たのですが、デパートの上の映画館は若者で一杯。でも、映画を見てる最中でも、いたるところで携帯電話が鳴り、席も立たずそこでずっと会話を続けるのには閉口しました。
余談ですが、中国では映画上演の前に国家斉唱するんですよ。最初は、みんな一斉に立ちあがりはじめて、何事が始まるのかと思いましたけど。
中国で有名な日本の俳優とは?
タクシーに乗ったら、私はなるべく助手席に坐っていました。中国人でもそうする人が多いのと、行き先を地図で示すのに前に乗った方が便利だし、とにかく北京の運転手さんはおしゃべりな人が多いのですが、外国人の私は前に坐らないとよく聞き取れないのです。
で、「どこから来たのか?」から始まり、何をしているのか?年収は?何歳?結婚しているのか?子供はいるのか?と中国ではお決まり(?)の会話に突入します。最初はあまりにプライベートなことを聞いてくるので、まあ失礼!と思ってましたが、相手もほんとに聞きたいわけじゃなく、あいさつがわりに聞いてくるだけなので、適当に答えているとその次に決まって話題になるのが日本映画の話でした。
日本の俳優で誰を知ってるか聞いてみると、30代以上の運転手さんの答えはほぼ決まってました。高倉健と中野良子です。30代以上の運転手さんが小さかった頃は、映画が娯楽の王様だったらしく、テレビチャンネルも少なく、映画館の入場料も安かったのでよく映画を見たそうです。中でも、日本映画を見たという人がけっこういます。それで、ほぼ全員が「小さい頃に見た“追捕”が良かったなあ。あんたも見ただろう?」という言うのです。大体、高倉健と中野良子の映画を見た記憶がない私は、うーんとうなるばかり。私は今だに“追捕”が日本ではどんなタイトルの映画なのか知らないのです。どなたか心当たりの映画があったら教えて下さい。
北京の映画村
「北京電影旅遊城」という正式名で、北京映画製作所のセットを一般公開している、いわゆる北京の映画村みたいなところがあります。ガイドブックにはテーマパークと書いていますが、施設的にはそれとは程遠く、入場料金だけはテーマパーク並の60元です。地元の人達はこんなものに60元も払いませんから、物好きな留学生が行くくらいでしょうか。でも、私はとっても気に入りました。ほんとにほぼ毎日何かしら、映画やテレビの撮影が行なわれているのです。観光客向けのアトラクションは特に何もないのですが、あの映画のシーンはこのあたりかしら?と想像するのも映画ファンとしては楽しかったです。
私が行った時には、清朝の装束を着た人達が何か撮っていて、出番待ちの俳優さん達と写真を取りまくりました。撮影を見ていると、お役人さんが何かを発布するシーンらしく、下々の人々がワラワラと集ってきて、ははーと平伏すというお芝居をほんとにみんなやる気なさそうに演じてました。これでいいの?と思っていると、案の定、監督から「エキストラ、もっと早く走ってこんかい!」と怒られてました。また行きたい場所です。上海には20年代のセットがある映画村があるらしいので、そちらにも行きたいなーと思っています。
では、今回はこの辺で。サイナラサイナラ…(ふるっ。)