ATOのミキサー日記
第3話 初仕事
98/10/9 放送分より
9時の約束でスタジオに入った。
緊張気味の私に、田口さんがいろいろと声をかけてくれる。こういう時に知り合いがいるというのは非常にありがたい。
これから、長い?つきあいになるであろう、FMさくだいらのミキサー卓の前に座り、以前N氏(11月2日までFM佐久平のミキサーをつとめられた方である。テレビ放送局を定年でリタイアされた氏は、FMさくだいらの開局からミキサーをつとめていたのであるが、10月の番組改編に伴い退かれることになっていた)から指導を受けたミキサーの使い方を一つひとつ復習していった。
9時30分を過ぎると、田口さんがニュースの下読みを始めた。「おお!下読みをするなんて。さすがプロだ。」と、感心しているうちに、刻一刻と時計の針は10時に近づいていく。
約5分前にスタジオに入る。
まずはニュースである。難しいわけではなく、それこそ基本中の基本の作業である。が、なにせ初めてなこと。大概のことを機械が行ってくれるわけではあるが、人間がきちんと指示をしなくては機械も動きようもない。
やることは、簡単。
1 ONAIRのランプが点灯したと同時にニュースのテーマをかける。
2 約13秒で、テーマが終わるのでアナウンサーにCUEを出す。
3 天気予報を読み終えた後にCMを出す。
4 CM終了と同時にCUEを出す。
5 時間が余ったら、BGMを流す。
概ね、こんな流れで進行するわけである。やるのは簡単だが、マイクの向こうにたくさんのリスナーがいると思うと、かなりの緊張感があるわけで、なかなか世の中うまくいかない。
そして初仕事の時間がやってきました。
ニュースのタイトルMDをセットして1曲目をメモリ、そして頭出しをして、準備完了。時計を見ながら定時(11:00)と同時に音を出して、テーマ曲終了と同時にCUEを出してMDを止める。
途中CMが入るのを忘れずに・・・CMが終わったら、はいキューね・・・。
あっという間の初仕事でした。(つづく)