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■セブンアイ 「スカーフ」
排気ガスでスモッグのかかるテヘランで、サッカー日本代表に帯同して、「アウェー」の毎日を過ごしている。 「脱がれても構いませんが……、スカーフは絶対に取らないでくださいますか」 イランでは「マグネ」と言われるスカーフを巻くようだ、と先週このコラムに書いたのだが、本当に必ず巻いて取材もしている。選手からは「マッチ売りのオバ……いえ、少女」と笑われながら。体の線を出さないようコートも着るが、レストランで、それさえ脱がずに食事をする女性たちの姿を知った。 ホテルの部屋を掃除してくれる女性は、さらに厳格に、足まで隠れるマントを着ている。 今回はチャーター便を使っており、機内で、イランに滞在する乗務員の女性たちとも、スカーフやコートについて話をした。一人が「いつもこんなに差別されるところに生まれなくて、本当によかったあ」と無邪気に言い、女性全員で何となく笑ったが、それは違っていたと今は思う。「学んで自由に」──彼女が教えてくれた言葉と、代表の勝ち点が、26日未明、チャーター便に乗るときのイラン土産だとすれば、それが最高の旅である。 (東京中日スポーツ・2005.3.25より再録) |
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