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■セブンアイ 「地震」
「これが地震かい? 大丈夫なのか、天井は崩れないのか、逃げなくていいんだろうか」 6日夜、サッカー日本代表の合宿を取材するため千葉のホテルにいた。場所柄、外国人が多く宿泊しているため、地震初体験の人が多かったのだろう。廊下で心配そうな外国人を気の毒に思い、点検に来たホテルマンに「余震もあるかもしれないし、何かアナウンスしてあげれば」と聞いてみた。 さて、13日に運命のオマーン戦を控えるジーコ監督、天候不順、ケガ人続出と、傍目にはさんざんな国内合宿のように見えるのだが、なぜかこちらも自信満々である。 ──監督、不安な点、注意すべき点は? この場合、楽観主義を言葉通り真に受けると大きな勘違いをする。真にあるのは悲観主義、つまり、最悪のこと、万が一、それらばかりを想像し続けた結果であるからだ。 飛行機で出張した際、前列の3人そろって椅子を定位置に戻さず離陸した。これでは救命胴衣は取れないのだから、なぜ確認に来ないのか、と乗務員に抗議すると、反論された。 地震も着陸も、何かあったら完全に遅いのである。私は1週間で2度も蛇に噛まれてしまったのだと、スポーツより日常生活のリスクの高さをしみじみと考えた。 (東京中日スポーツ・2004.10.8より再録) |
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