![]() |
■セブンアイ 「稲本の負傷」
サッカー尾イングランド戦(1日、シティ・オブ・マンチェスター・スタジアム)終了後の取材エリアで、日本代表は彼らが見せた90分とまったく同じに、落ち着いた口調で試合を振り返っていた。突然、彼らの声が聞き取れなくなる。ベッカムが真横に立ったからだ。 「サインもらって来てえ!」 イングランドとの親善試合は、9年前、日本代表が始めて聖地・ウエンブリーで試合をした当時とはすべてが変わっていた。日本代表の9年間の変化を劇的に表すのが、体力的にも厳しいプレミアリーグで3年間プレーを続けてきた稲本潤一(フルハム)の存在である。 「イナモトの足はどうなんだろう。私も、いつも笑顔で楽しそうにプレーする彼が好きなんだ。お見舞いを伝えてほしい」 2年前の夏、稲本のロンドンの自宅で取材をさせてもらったことがある。自炊するキッチンにはコシヒカリの袋と炊飯器が並び、食堂には体重計が、リビングには「ハリー・ポッター」の原書が置いてあり、「すごいね」と言うと「ちょっとずつ読んでいるんです」と照れくさそうに笑っていた。 「ベッカムも同じリーグで戦ったことのある稲本のことを心配していると思う。あとで伝えておくよ」 (東京中日スポーツ・2004.6.4より再録) |
BEFORE |
|