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■セブンアイ マラソン
開店前からルイヴィトンの前に並ぶ日本人は、かなり異様だが、マイナス2度の中、鼻水たらしてセーヌ川沿いを走る日本人はもっと異様だろう。サッカーの取材でパリにいる。 「今こそ日頃の取材の成果を思い出すときです。逆境でもそこそこにまとめるのが、いいアスリートの条件だということを!」 彼女たちへの畏敬は深まるばかりだが、自分が走ることによって、ある意味でもっとも驚かされたのは、日常をやり繰りし、ささやかな戦いとともに走る「普通の人々」の力である。1月下旬、大阪女子マラソンから帰京する際、同じ年代の市民ランナーと一緒になり楽しく話した。体が弱く、入退院を繰り返したが、あるとき一念発起して歩き始め、そこから走り、距離を伸ばし、実に20回目の完走を果たしたと言われ、拝んでしまった。 私が青梅で知りたいのは自分の可能性などでは全くなく、こういった人々と走る喜びの力だと忠う。現状ではスタートラインに立てればもう万歳で、完走できない場合は男子30キロに出場する男子マラソンの日本最高記録保持者・高岡寿成(鐘紡)らをちゃんと取材して帰りますので、会員のみなさまお許しください。 主催新聞社の仲間からメールが届いた。 (東京中日スポーツ・2003.2.14より再録) |
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