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■セブンアイ 「桜」
氷点下に冷え込むワルシャワの公園で、霜柱を踏みしめて走る。体脂肪の燃焼を最大のテーマとする私のジョギングではあるが、サッカー日本代表のお陰で、走った国は彩り鮮やかである。今回は初めてポーランドに滞在し、毎朝、公園を走りながら、無意識のうちに目線が上に行くことに気が付いた。桜を探して。 「日本の春の美しさは特別な気がした」 「みんなスターを心待ちにしてW杯を見る。中でも得点王は特別な存在だと思う。自分たちは、人々の目の前を一瞬にして流れ去ってゆく、そんな運命なのかもしれない」 あの人は今どうしているのだろう、とふと思い出したくなる選手たちがいる。輝きと同時に消えるはかなさ、そうした選手たちもまた、不思議な魅力がある。そう、桜の魅力も、パッと咲いて、散るはかなさにあるのだ。 (東京中日スポーツ・2002.3.29より再録) |
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