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※無断転載を一切禁じます 陸上 第25回東京国際女子マラソン アテネ五輪女子マラソン代表選考レースでは国内最初のレースとなる東京国際女子マラソン(残りの選考レースは来年の大阪、名古屋)がこの日、行われた。国内では3年8か月ぶりのマラソンとなった高橋尚子(アジアスカイネット航空)が五輪代表権を狙ったが、2時間27分21秒で2位と、エチオピアのアレム(2時間24分47秒)に敗れた。アレムは初優勝。
◆レース後のコメント 小出義雄監督「(予想外の展開だが)まあ、一言で表現するならば、絞りすぎた、ということかもしれない。 ──次のレースは? ──敗因は ──ダメージはないか ──高橋といえば食べるということではなかったか ──食事と関係するが、ドリンクは?
高橋尚子「自分では久しぶりにきついレースをしたな、練習を含めてきつかったな、と思います。それでも全力でやった、という気持ちがあるので今はすっきりしています。28キロ過ぎで足が棒のようになってしまって、あと14キロあるのに大丈夫かな、と思ったんですが、とりあえず(ペースは)落さずに、行けるところまで行こうと思っていました。35キロからの坂はもう長いなあ、と思って。(アレムの追撃は)1キロごとにタイムを見ていたんで、これはあまりにひどい(遅い)タイムだな、と(後ろが)来て当たり前のタイムだと思っていましたんで。もう30キロで危ないとは思っていましたが、やっぱりな、と。そこではもう足が動かなかった。 ──28キロで足が棒になったということだが ──後半の失速は ──レース間隔があいたのは ──アテネが目標のはずで、今後のことを考えないのか ■第25回東京国際女子マラソン 公式サイトはこちら
兼 アテネオリンピック代表選手選考会
(東京・国立霞ケ丘競技場〜大森海岸交番前折り返し)
42.195キロ、12時10分スタート
気温:24度、湿度:51%、南南西の風2.7メートル
高橋は最初の5キロを16分14秒とハイペースで入ったが、下り坂で足を使い、また、この日の気温は平年よりも10度上回る異常な高温と、前半の向かい風でも体力を消耗。折り返してからペースアップを図ってアレムを一度は引き離したものの、28キロ過ぎ「足が止まった」と、スタミナ切れを起こし、もっとも難しい最後5キロの上り坂(39キロ地点)でアレムに逆転されてしまった。
高橋は、五輪金メダルを挟んでマラソン6連勝中だったが、これがストップし、無難に勝てば代表権を手中に収めたはずが、27分台での2位は、五輪金メダリストの実績とどう評価するか難しくなった。高橋陣営は、今後、残る2選考会に出場するかどうか、決めておらず、本人も「今は考えられない」と、この成績での選考を待つ構えで、好記録が予想される大阪と、名古屋で残り2議席(野口みずき=グローバリー がすでに決定)は、またも大混乱となる可能性が出てきた。
高橋はもうベテランの域に入っていて、何かをもう細かく言わなくてもいいと思うスキがあった。例えば食事をとっても、注意を払っていなかったと思う。この2日間、一緒に食事をしていなかった。こちらに帰って1週間も食事をついて見ていなかったことも、自分の大きな油断だった。今朝ご飯を食べているのを見て、あれ、貧血かな、と思うようなところがあった。
ペースでも同じことが言える。もう何も言わなくても、と思ったが、最初は5分でいって帰りを7分で、といいながら、前半から早めに突っ込んでいった。
アジア大会のときも全く同じで、28キロで足にきてしまったので、今日も28キロで足が止まって『ああ、これで後半持つかな』と心配だった。
軽くてよく足が動いても、筋肉に力がなかったのかもしれない。タイムトライアルでちょっと痩せすぎてしまったな、と思って、うなぎでも肉でも食ってくれ、と言ったほどだった。(ちゃんと見ていなかったから)そういうところに落とし穴があった。注意を払う、そういうミスを自分が犯したことを今つくづく悔やんでいる。
向かい風の行きで16分59秒で走っている箇所で、帰りならば(追い風だから)16分20くらいで戻れるのに、16分47かかかっている。
いつもなら35キロまでもつはずの筋肉が、今日は28キロまでしかもたなかった。エネルギーは、体の中に持っているものだけで何とかなるものだが、時々、ふっと血糖値が下がることがある。どんなにやっても、足が動かなくなることがある。いくら食べてもそういうことが起きる」
小出監督 もうここまでやって来たんだからいい、というのと、またやろうというのと両方あるだろう。今はまだ終わったばかりだから。ただ、もう一度走らないとダメですか? と本人も言っていた。27、28分くらいではどうにもならないだろうし、1番じゃない。
小出監督 エネルギー切れというか、フーっと血糖値がどこかで切れてしまうようなことが起きていたのかもしれない。そうなると、もうどうにもこうにも動けないで、その場で眠ってしまうような状態にもなる。
小出監督 明日走れと言えばきっと23分くらいで走れるだろうから何も(体へのダメージは)心配ない。ただ、本当に食事は失敗をしたと反省している。今レースが終わった高橋は弁当を2個も「おなかすきました」と平らげていた。今朝、少ししか食べなかったときに、もう大丈夫です、後で何か食べますから、と言っていた。その時、しつこく言わなかった。あの時、ちゃんと食わせておけば、と今反省している。
小出監督 痩せればいいというものではなかったと思う。彼女のベストは45キロ、しかしタイムトライアルの時に43キロだったんで、慌ててしまった。痩せ過ぎて、足に力がなくなってしまった。見ている人も、本人もがっかりしているだろう。でもこれがマラソンだし、本人は本当に最後まで頑張っていた。(やっぱり歳かなということも言われたが)33歳までは大丈夫だと思っているし、練習量の調整はするが体力の問題ではない。ただ、(レース)感覚は失わせてしまった。ハーフも何も出ていない。
小出監督 今日は水ではなくて、エネルギー切れ。炭水化物が不足していたのかもしれない。間隔があいたことも大きい。前半で、もっとべたべた走っていれば後半持ったが、(調子がいいから)今日は前半から全力でバネを使って、行くしかない、と思って走っていたと思う。気負いすぎたかな、とも思うし、いろいろな原因がある。
キュウちゃんが何と言うかわからないが、よしやるぞ、となれば、プラスにはなる。
今年は体重計にあまり乗らなかったんで、やせなければいけないから食事を抑えるというのはもちろんあるが、いつもと変わったことはしていませんでした。もう少し落ち着いてレース展開をすることもありましたが、自分なりに積極的に行った結果だから、悔いはありません。今は終わったばかりですし、走っている自分の姿を想像できません。(大阪は記録も出ると思うが)それはその時にならないとわからないですね」
高橋 気持ちは行けるとこまで行こうと思っていた。呼吸はそんなにハアハアなることはなかった。足がやはり動かなかった。
高橋 前半飛ばして行って、足を使ってガンガン下っていってしまったところかな、と。いつもならばもっと落ち着いたペースで入るところですが。練習でも調子が良かったですし、別に油断をしたわけではなすね。みなさんに応援していただいて、テレビで見ていてみんな暗くなったんだ、と知り合いにも言われましたが、私は逆に何でそんなに暗い顔をしているんだろう、と思っています。自分ではとても晴れやかな気分ですから。
(選考は)いろいろな試合が終わって、みなさんが決めることです。条件も違うし、いろいろあるし、このレースで自分はベストを尽くした。もうお任せしますという気持ちですね。
高橋 レースは1年に1本という感じですから。ただ、わくわくする気持ちが先行してしまった、もう少し落ち着いて走ればよかった、浮いてた(浮ついていた)かな、と思っています。
高橋 今の時点でここまでやっていて、アメリカでの練習がうまく出し切れなかったな、というのはありますが、とりあえず、今回終わったな、というのだけで、次をどうするか、とは考えていません。
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