2003年9月9日

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サッカー

キリンチャレンジカップ2003
日本代表 対セネガル戦前日練習
(新潟・新潟スタジアム ビッグスワン)

 セネガル戦を前に、日本代表は公式練習をビッグスワンで行い、レギュラー組には、GK曽ヶ端 準(鹿島)、DFには山田暢久(浦和)、坪井慶介(浦和)、宮本恒靖(G大阪)、三都主アレサンドロ(清水)、MFに遠藤保仁(G大阪)、稲本潤一(フルハム)、中田英寿(パルマ)、中村俊輔(レッジーナ)、FWに大久保嘉人(C大阪)、柳沢 敦(鹿島)が入った。
 ジーコ監督は「セネガルは強豪であり、相手に不足はない。今の代表(の実力)をはかる絶好のゲームだ」と話し、主将の中田は、「勝つことが第一。そして自分たちのコンビネーションを高め、見にきてくださった方たちも、自分たちも楽しめるような試合を」と、W杯でベスト8に進出したアフリカ、セネガルとの対戦に意欲を見せた。

中田英寿「コンディションは前回よりも良いと思う。セネガルは高い身体能力とスピーディなパス回しが得意というW杯での印象がある。試合になってみないとどうやって相手を崩すのかなどわからないが、大切なのは、相手のことより、自分たちがどういうサッカーをするかです。勝利も大事だが、コンビネーションを高めることも重要になる」

小野伸二(フェイエノールト)「コンフェデレーションズ杯に欠場して外から代表を見たことは良かったと思う。その間、非常にいい試合をしていた。自分がいない間だけでも、もうポジション争いが厳しくなっていて、今回は、日程は厳しくてもこういう合宿にどんどん積極的に参加してアピールをしていかなくてはならないと思っている」


「軽くて、軽くて、足は重く」

 8日の紅白戦では、右足、左足、ヘディングでのシュートに、アシストと抜群の切れ味を見せた大久保嘉人は、前日練習のこの日も軽快な動きでスタメンで挑むセネガル戦での初ゴールを予感させた。
 体を軽く感じることが好調のバロメーターでもあり、現在は、自分でも不思議なほど体が楽だという。夏場であることも考え、“省エネ”を心がけて、これまでは前線から中盤まで下がってボールを受けてきたのを止めた。

「頑張ろうという気持ちでもあったけれど、1試合で無駄に動きまわっているうちに、体力を使いきってしまい、ここぞという時にシュートが打てない。だから、今は前線に張ってシンプルにやろうと心がけている。それが結果につながったのかもしれない」

 運動量を落とすことで肉体的な疲労は減るが、今度は精神的な疲労、つまり前線で待ち続ける忍耐、辛抱といったメンタル的な疲労を相手にしなくてはならない。
 右ひざも「痛くてシュートは打てない状態」(本人)と気になるが、体が軽くて、軽くて仕方ないというフィジカル・コンディションと、思うように動かないという足の状態のアンバランスさが、21歳の勢いに乗るFWにどんな結果を生み出すのかは興味深い。

 6月のコンフェデレーションズ杯では、中田英寿から、「飛び出しが早過ぎて中盤が戸惑って探してしまう。しっかりと声を出してから走りだすこと」、「裏に抜けたら、決して止まらず走り切ること」、「ボールをもらう時には、一端相手DFを引き付けてから出てくること」といった、シンプルで、しかし重要な助言をされている。フランス以来となる先発での、受け手と出し手のコンビネーションは、代表のピッチにどういった新たなラインを描くか。
 大久保はこれがAマッチ8試合目となる。



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