2003年9月3日

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サッカー

対セネガル戦 日本代表メンバー発表
(東京・渋谷、日本サッカー協会)

レポート・古賀祐一

日本代表
 対セネガル戦 メンバー
Pos.
  選手(所属)
GK
土肥洋一(F東京)
楢崎正剛(名古屋)
曽ヶ端 準(鹿島)
DF
山田暢久(浦和)
森岡隆三(清水)
宮本恒靖(G大阪)
三都主アレサンドロ(清水)
中澤佑二(横浜FM)
手島和希(京都)
坪井慶介(浦和)
市川大祐(清水)
MF
山田卓也(東京V)
中田英寿(パルマ)
中村俊輔(レッジーナ)
小笠原満男(鹿島)
本山雅志(鹿島)
稲本潤一(フルハム)
小野伸二(フェイエノールト)
遠藤保仁(G大阪)
FW
久保竜彦(横浜FM)
柳沢 敦(サンプドリア)
黒部光昭(京都)
大久保嘉人(C大阪)
:9月8日チーム合流
<試合日程>
・9月10日(水)19:20キックオフ
キリンチャレンジカップ 2003
対 セネガル戦(新潟・ビッグスワン)
 日本サッカー協会は3日、「キリンチャレンジカップ2003」日本代表×セネガル代表戦(10日、新潟スタジアム)に出場する日本代表23選手を発表。ジーコ監督(50歳)が東京・渋谷の日本サッカー協会で記者会見を行った。国内初勝利を飾った8月20日のナイジェリア戦のメンバーがベースになっており、新たに招集されたのはMF本山雅志(鹿島)、FW黒部光昭(京都)の2人だけ。FW高原直泰(ハンブルガーSV)は昨年エコノミー症候群を患っていることから移動による体調面への影響を考慮して選出されなかった。ジーコ監督はMF本山のFW起用や、大久保嘉人(C大阪)、久保竜彦(横浜FM)、黒部光昭(京都)への期待の言葉を口にしてFWの新戦力発掘にかける意欲をのぞかせた。日本代表は7日夜に集合し新潟市内で合宿をスタートさせる。

ジーコ監督「今回の試合は大切なものになる。セネガルはW杯でも目覚しい内容のサッカーを見せて、成績的にももっと上にいけるような期待を持たせた。アフリカを代表するチームと、W杯予選が間近に迫っているこの時期に対戦できることは素晴らしい。ベースとなる人間に新しい選手も加わった。彼らにもどんどんアピールしてほしい」

――本山の選出理由と起用法は?
ジーコ監督 彼の持っている才能は今更私が説明する必要はない。ただ今までケガで複数の試合に出続けたことがない。調子がいいとケガでブランクができた。今はコンスタントに出ている。ボールを持った時のうまさは彼の年代でも特筆すべきものがある。今までも鹿島や代表で目覚しい活躍をして来た。平山と同じ様な使い方になる。間近で見てみたいので選んだ。サイドバックでは考えていない。チームでやっているように小笠原とポジションを変えながら目先を変えて前に行く使い方。もう1つはFWとして考えている。彼のボールをゴールにいれる技術、スピード、判断の早さ、的確な技術を生かすために前の方で考えている。

――セネガルは準備に1週間かけるが?
ジーコ監督 我々にとって、相手が強ければ強いほどいい。ただし、セネガルは1週間前に来日してメンバーも完ぺきに近い形で練習する。その成果を試合で見られるのは、監督にとっていいこと。その後のアフリカ選手権でも優勝を狙っているから、いい調整になる。彼らが1週間で本来の力を出せるようになることは、日本にとってもいい強化になる。楽しみだ。自分ものどから手が出るほど、1週間完ぺきなチームで練習したい。それが出来ない間は手もとの選手をブラッシュアップしたい。

――小野の起用法は?
ジーコ監督 確かにブランクがあるし、試合感の問題はある。しかし、この前の試合で後半に出て、ある程度ブランクを克服する機会を得たと思う。スタメンとは考えていない。ベンチスタートで必要な局面で使う。彼の才能はチームで欠かせない存在だ。日本代表が活動している間はできるだけ参加してもらい、1つの家族という基盤を作りたい。正直この前の試合に参加してくれてほっとしている。他の選手も試合に出ていない選手でも仲間という意味で参加してもらう。

――高原を外した理由は?
ジーコ監督 ナイジェリア戦の時にも話す機会があったが、自分もエコノミークラス症候群を心配している。早く克服して欲しい。今回も彼自身が今の体調を報告してきた。私は選手の言うことは100%信じる。彼らも国を代表する光栄な地位にある。互いの信頼関係を保っていきたい。W杯までに病気を克服していい形で活躍してくれると期待している。今回は彼の考えを尊重した。この種の病気の克服は本人の気持ちが大事。あれだけの選手だし、前回のように夢に見ていたW杯に出られなくなるようなことがないようヘルプしたいが、本人にも精神的にタフになって、大きな目的に向かってまい進する気持ちが必要だ。それからJALに頼んでエコノミーでなく、ファーストクラスをお願いしたい。

――先発は?
ジーコ監督 高原のところに大久保が入る以外はナイジェリア戦と同じ。

――センターバックが多いが?
ジーコ監督 左サイドの三都主が変更を余儀なくされる場合、これまで中田浩二がいたが、彼がケガをしたので、代わりに誰を呼ぶか考えた。オールスターで手島があのポジションをうまくこなした。ファイトできるし、ちょっと見てみたい。森岡はケガで調子を落としていたが、最近の試合で良くなっている。

――勝敗の分かれ目は?
ジーコ監督 セネガルは強いチームだ。W杯の試合もすべて見たが、特に攻撃の選手は早さ、強さ、うまさを持っている。上背もあるが、高いボールより、足もとのうまさを使う。それから中盤の守備が強く、中盤でボールを奪ってカウンターをしかけるのが特徴。トルコがやったように彼らの弱点をつく必要がある。攻撃的なチームは裏に弱点がある。そこをうまくつきたい。早いボール回しで、ミスをしないで、突破する。練習で1つ1つ確認して勝利をものにしたい。

――セリエAの3人に期待することは?
ジーコ監督 それぞれチームでの、ポジション、役割も違う。それが彼らの適応能力を証明している。チームでの役割が違っても心配していない。違う役割をやることで彼らはさらに成長できるし、彼らには克服できる能力がある。一番心配しているのは、昨年の鈴木、高原、稲本のように試合に出ないこと。ブランクが代表に来た時に響いてしまう。才能があっても試合感は如何ともしがたい。できるだけ試合に出て欲しい。鈴木は、試合に出ているし、高原も多くの時間プレーしている。1つ残念なのは、中村だ。彼ほどの才能ならチームを勝利に結びつけることが出来る。彼がスタメンで出ないのは残念だ。

――FWに求めるものは?
ジーコ監督 とにかくいい活躍をしてほしい。個性を生かして。とにかく得点が求められる。1点でも多く取ってほしい。FWの役割は点を取ることだけでなく、後ろから上がってくる人にスペースを空けて、マークを引き付けること。チーム全体で点を取って勝てばいい。それから、ボールを失った時に最初にあたりにいくことも含めて、点を取ることだけでなく、FWとしての役割をやってほしい。

――久保、黒部の選考理由は?
ジーコ監督 黒部はウルグアイ戦でもいい形で試合を進めてくれた。そのあとケガで調子を落としてきたが、最近調子を戻してきていい活躍をしている。久保は、ナイジェリア戦の時にも話したが、海外でも十二分にやれる才能を持っている。持病を治して欲しい。しっかり治して頑張ることが、国のため、代表のため、自分のためにもなる。万全を期した形で活躍して欲しい。今回も話ながら、いい形で使いたい。私がじっくり治すと言うことを話してから、数試合休んでくれたことをうれしく思っている。彼ほどの才能を持ったFWがこれで終わってしまうのは見るにしのびない。高さもあるし、左利きだし、足もとの強さ、早さを日本のために生かして欲しい。W杯予選で本来の力を出してほしい。

――前回スーツで指揮を執り勝ったが、今回は?
ジーコ監督 いい時のチームはいじりたくない。

――大久保のよさは?
ジーコ監督 彼の場合C大阪が2部落ちして、彼の得点によって1部昇格がもたらされた。コンスタントに点を挙げられる。若手にしてはムラがない。スピード、技術があり、へディングのタイミング、ポジショニングのよさで頭で叩き込むこともできる。こちらから声をかけながら、彼のよさを引き出していきたい。それから、2トップの場合、どの相棒と組んでも、自分のよさを出せる。高原と組んだときに、彼の頭のよさを感じた。



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