2003年6月19日

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サッカー

コンフェデレーションズカップ
日本代表練習日
(リヨン郊外・プロリエール運動公園、快晴、気温31度、湿度58%)

 18日、初戦となったニュージーランド戦に3−0で勝った日本代表は午前、パリからTGVでリヨンに移動し、午後5時(日本時間20日0時)から1時間半ほどの練習を行った。ニュージーランド戦の先発メンバーは、基本的にフリーとし、山田暢久(浦和)、大久保嘉人(C大阪)の2人はホテルで静養のため(怪我などの報告はなし)練習には参加せず、ほかのメンバーは「自主トレ」として軽く走るなどした。


「ニュージーランド戦後」

 先日、選手の午前、午後練習のために70キロを移動する「苦行遠足」について書きましたが、今、私は遠足をはるかに凌ぐ400キロを、車でリヨンに向かって移動しているところです。試合後は、例によって大混乱のミックスゾーンで、「お、きたなあ」とばかりの表情を見せる中田の腕をつかんで「ヒデェェ! 一言ォォ」とすがりついてコメントを取ったり、川淵キャプテンが「試合前ベンチに行ったのは初めてでね、緊張したよ」とおっしゃるコメントにみなで「えー、ベンチに行っちゃったの?」とかく乱されたり(よほど嬉しかったのか、ロッカーと間違えたようです)、まあ、あの取材風景というのは、バーゲン会場をどぎつくし、さらにその主体が女性ではなく男性である、といった光景ですか。そんな会場に入らない方法はいくらでもありますが、選手と腰の高さほどのボード一枚を隔てて、中田にすがって笑われたり、大久保の目のふちが少し傷ついているのを「どうしたの、それ?」と聞いたり、握手した高原の手がピッチの高温のためか本当に熱かったり、ジーコ監督のポロシャツが汗びっしょりだったり、そういう姿に触れることは、スポーツに関わる中でおそらく、もちろん私にとって、なのでしょうが、もっとも贅沢な幸せなのだと信じています。信じてないと、あんなところに老体に鞭打って入れませんが(笑)。

 取材をしてすぐにホテルに戻って、コメントを入れ、さらに雑誌の仕事と締め切りを多く抱えていますのでそれらを最優先し、食事は近くの中華のテイクアウトで済ませて、ほとんど寝ずに荷物をまとめて、パンを買って、レンタカーで高速に乗り……。パーキングエリアで書きながら気分が悪くなってきます(笑)。
 選手と、選手と一緒に移動をしなければならない新聞メディアのみなさんは、これから11時パリ発のTGVでリヨンまで行くはずですが、「はず」と書いたのは、パリは今全土で国鉄のストライキが行われていて、長距離路線は間引き運転をするなど、交通にはかなりの影響が出ています。荷物も多く、もし「これは動きません」などといわれると(代表の乗るTGVは大丈夫のようですが)、フランス語で駅員に文句を言うことができないので(笑)、おとなしく車にしました。

 海外のクラブで、どんなにプレッシャーのかかる試合を経験したとしても、W杯を経験したとしても、選手としてたとえ神様と呼ばれようとも、昨晩代表選手たち、監督がニュージーランドに3−0で勝って、ミックスゾーンで見せた「安堵の表情」と、彼らから聞いたコメントは、自分にとって興味深いものでした。
 早くも明日のフランス戦に向けて、選手は後7時間後、夕方から前日練習を行います。対戦は94年以来5試合目、過去4敗(00年ハッサン国王杯は2−2でPK戦負け)、得点3、失点12。何であっても、ピッチのどこであっても、些細であっても、「打破」というものを見たいです。

 では休憩を終えてまた高速へ戻り、練習会場へと向かいます。高速LINEA6にて



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