2003年6月18日

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サッカー

コンフェデレーションズカップ
ニュージーランド×日本
(18日18時フランス・パリ、サンドニ=日本時間19日1時)
キックオフ:18時、観衆:36,038人

ニュージーランド 日本
0
ボール支配率:
46%
前半 0 前半 1 3
ボール支配率:
54%
後半 0 後半 2

 
中村俊輔:12分
中田英寿:65分

中村俊輔:75分

交代出場
ニュージーランド

69分:ヒッキー(リネス)
72分:ジャクソン(バートン)
79分:バウケノーヘ(キレン)
 各大陸別の大会優勝チームなど8か国が参加して行われるコンフェデレーションズカップが18日、パリ・サンドニで開幕した。開幕ゲームとなった日本は序盤から試合を支配。12分、右サイドに流れた大久保嘉人(C大阪)へ高原直泰(ハンブルガーSV)がパスを出すと、大久保はこれを中央へと返す。中にいた中田英寿(パルマ)、高原がスルーする格好となり左サイドを上がっていた中村俊輔(レッジーナ)にこのボールが渡り、中村は角度のないところから落ち着いて決め日本が先制した。この後、スリッピーなピッチや、フィジカルにすぐれるニュージーランドの前に、日本は追加点を奪うことなく前半を終えた。
 後半に入ると、ニュージーランドにボールを支配される場面も作られたが、楢崎正剛(名古屋)のファインセーブなどもあり、日本は勝ち点3を勝ち取るべく1点差を守る。そして65分、中央でボールを受けた中田が、高原、大久保がおとりとなって空けたスペースをドリブルで進み、豪快にミドルシュートを放つとこれがネットを揺らして2−0。さらに75分には、右サイドを上がった山田暢久(浦和)に中村がパスを出し自ら中央に駆け上がると、山田は鋭いクロスをそこに合わせ、中村のヘディングシュートが決まり3−0と試合を決定づけた。
 中田、中村のセリエAコンビの得点と、守備陣の落ち着いた対応により初戦をものにした日本。この後は20日にフランス、22日にコロンビアと対戦し、グループ2位以上、準決勝進出を目指す。

試合後のコメント

ジーコ監督「大変満足している。大会の初戦で難しいところはあるが、それを考えれば結果として大変よかった。緊張感があるが、それをはじき飛ばす動きをしてくれた。ボールを動かしながら相手を動かすという練習の成果を見せてくれた。まだこのチームは2試合しかしていない。これから続けていけばよくなると思う。(中田について)彼には本当に多くの経験があるし、タレントも素晴らしい。チームメイトみんなが彼を信頼している。(中村は)よくポジションチェンジをし、チャンスを作ろうとしていた。もちろん彼にだけではないが、(彼には特に)おめでとうといいたい。次のメンバーは、(この2試合が)良かったから、動かしたくない。これからよく考えたいと思う」

Masujima Stadium
坪井慶介
(浦和)
「相手はやはり(体格が)かなり大きく強かった。どんな相手であっても、やはり0点に抑えることができたのは本当に嬉しい。試合があまり急がしく動くことは無かったので、落ち着いて、集中してできたと思う」

楢崎正剛(名古屋)「今後に弾みをつける勝利となった。守備ではカウンターとセットプレーに気をつけていくように確認をした。前半悪い時間帯があったが、そこで点を取ってくれて落ち着くことができた」

中村俊輔(レッジーナ)「ニュージーランドはビデオを見る限りパワーサッカーだったので、自分たちは足元でしっかりということで、その通りになったことは良かった。後は(攻撃の)形の問題で、今日もイナがサイドに出していく展開を2本くらいやったけれど、ミスをしてしまったんでね。あれが精度とスピードを持って決まれば、自分たちの形になると思う。2得点は、まあ……良かったとは思うけれど、後ろがまわしているんでああして自分が前に出ることができる。スピードをつけて前に出ていけば相手もマークについてこられないし、ちょっと前にヒデさん、大久保、タカさんがいて動いてスペースを作ってくれるところに、自分が最後から飛び込んでいけばいい格好になる。ヘディング? 1年に1回はやっているよ。フランス戦は絶対にまわされる。いろいろと苦い思いをしている相手だけれど、自分たちのやり方で勝負をしたい」

中田英寿
(パルマ)
「(シュートは)僕自身はあまりよくなかったので、あれだけでしたが(笑)決まってよかった。立ち上がり、早い時間帯に得点できたことが良かったと思う。こういう試合は、立ち上がり固くなってしまう部分もあるんで、そこをどうやっていくかが大切でした」

大久保嘉人(C大阪)「相手にも、雰囲気にも負けない試合ができたと思う。しっかりと落ち着いてまわすことを心がけていましたが、やはりゴールが欲しかった。フランス戦は、今からとても楽しみです」

高原直泰(ハンブルガーSV)「率直に言って(体が)重かったです。相手が引いている状態で、前に飛び出して、もう一度引いて、とマークを外す動きを心がけていた。(最初の得点となった際の中村は)、左から来ると思ってみていた。大久保とはもう少し縦の関係を作らなくてはと思う。とにかく結果(ゴール)が欲しいです」

山田暢久(浦和)「(中村へのセンタリングは)一度目にコースをふさがれていたので、一度コースを切って上げなおした。ニュージーランドは強くないから、絶対に勝たなくてはならない相手だったし、日本は中盤で取って支配していればピンチはないだろうと思っていた。中盤とつないでいくこともできたし、サイドで流していこうとおっ持って、(攻撃に)上がっていった。3点目をとれて楽になった。フランスとの試合は、甘くないが、自分たちのやるべきことしっかりとやれればいい試合ができるはずだ」

川淵三郎キャプテン「勝ってよかった。グラウンドが相当スリッピーだったこともあるし、コンディションが良くない中、試合前、3−0くらいで勝ってくれればいいなあ、と思っていた。まあそう簡単には勝たせてくれることはないと思っていたんだが、正直、意外にも手ごたえがなかった。中田の2点目がやはり効いたと思う。あそこでやっと勝ったと思った。試合前にロッカーに行って話をしたが、ロッカーに試合前行ったのは初めてだったから、負けたらどうしようかと思って心配だった。僕は、チームのこともいろいろと怒ってくれて、ヒデ有難うと言ったんだが、彼、なんで僕が有難うと言ったのかわからなかっただろうね(笑)。フランス戦が勝負になる。負けてもともと、という思い切った気持ちでぶつかって欲しい」

釜本邦茂団長「まあ内容にはいろいろと(注文も)あるが、とにかく初戦は勝ってくれたことで本当に良かった。グランドがかなりスリッピーだったことおあるので、ショートパスなど問題はあったが、しっかりとつないでいく中での俊輔(の2ゴール)であったり、中田(のゴール)だった。高原、大久保が(FWとして)点を取ってくれる流れならもっとよかったのかもしれないが、大久保は、まあちょっと緊張もあったのかもしれない。頭、3発でも張り倒してやろうかと思います(笑=大久保の動きは良かったのではないか、と聞かれて、良かったということで嬉しそうに)」



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