2003年5月28日

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サッカー

日本代表 合宿2日目
(福島・Jヴィレッジ)

 恥骨周辺の炎症のために、26日の集合以来別メニューで調整を行っていたFWの中山雅史(磐田)が、この日は、ダッシュを行い、午前午後ともフィジカルを十分にこなす回復ぶりを見せ、29日の練習からチームに合流、31日の試合にも滑り込みで間に合う可能性が高まった。


「若返りの合宿」

 若手選手に聞けば、おそらく「逆ですよ、逆」と笑うだろうと思う。今代表中もっとも若いのは、五輪代表で20歳の大久保嘉人、最年長は中山雅史の35歳。中山は15歳下の選手との「代表合宿」をこんな風に話す。
「いろいろとコミュニケーションを取りたいと思って、大久保の情報もちゃんと仕入れてきてはいるんですよ、なんかあまり話さないらしいですね。彼らのような若い選手のエキスを吸って、自分も若返りたいですね。足して2で割れば、平均年齢は20代になれるのかな。今回は若返りの合宿ということで」
 若手はむしろ、今年36歳になるベテランの若々しさに圧倒されているはずだ。アップから、体操から、中山は常に精一杯の表現を自らに課し、彼に「老い」がつけ込むのはちょっと難しいかもしれない。

 W杯からちょうど1年目に開催される日韓戦に強い思いもある。
「ホームの声援を背中に受けての試合は特別なもので、もちろん熱くなる。あとは監督の判断ですが、出たいという気持ちは強い」と、力を込めた。

 ジーコ監督は「中山は、若手選手の模範だ」と繰り返して来た。大久保は、今、若さや勢いをバックに大きなチャンスをつかむかどうかの岐路にいる。競技では、若さと若々しさが無縁だということ、20歳はむしろ簡単に35歳に置いていかれること、若返るのは、本当はどちらだろう。大久保はこの合宿で中山に何を見て、ジーコの言う「模範」を何と解釈するのか。
 15歳の差で映しあう鏡の姿は、実に興味深い。



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