2003年5月27日

※無断転載を一切禁じます


サッカー

日本代表合宿より
(福島・Jヴィレッジ)

レポート・古賀祐一

 韓国戦(31日、東京・国立競技場)に備えて福島・Jヴィレッジで合宿中の日本代表は27日、午前、午後2回の練習を行った。午前9時からの1回目の練習は、ウオームアップの後、手でボールを扱うゲーム、次に左足だけでボールを扱うゲーム、最後に右足だけでボールを扱うゲームを行い、レクリエーション的なメニューの中で汗を流し、選手間のコミニュケーションを図った。午後4時からの2回目の練習では1対1の動きなどを練習したが、いずれも全体練習は軽めのメニューで終了した。中山雅史(磐田)=股関節痛、宮本恒靖(G大阪)=右足底筋損傷、坪井慶介(浦和)=左足関節捻挫、永井雄一郎(浦和)=右下腿打撲、奥大介(横浜FM)=左ひざ打撲が午前、午後とも、森岡隆三(清水)=左アキレス腱炎が午後のみ負傷で別メニューとなるなど、コンディションがそろわない事情もあって本格的な戦術練習は行わなかった。
 この日、ジーコ監督が力を注いだのは個人練習。午前の練習ではGK川口能活(ポーツマス)が居残りで約20分もカンタレリGKコーチからマンツーマン指導を受けた。また、FW鈴木隆行(ゲンク)、MF稲本潤一(フルハム)、松井大輔(京都)、石川直宏(FC東京)、FW大久保嘉人(C大阪)の5人には午前、午後の全体練習の後にシュート練習を課し、ジーコ監督、エドゥーTAの球出しから5人合わせて286本ものシュートを放った。ジーコ監督は「試合で起こるシチュエーション。GKと1対1を絶対に決める。簡単なボールを100%決めるという感覚を繰り返し体に覚えこませる」とその狙いを説明。将来日本を背負う3人への英才教育が始まった。

ジーコ監督「選手の動き、気持ちも入っていたし、満足できる初日だった。グラウンドにいなかったメンバーもいたが、ピッチにいたメンバーは気持ちも入っていた。韓国戦は結果が求められる。確実に勝てる準備をしたい。全体の見直しを行う。ベースは出来あがっている。この前の合宿でDF面はよくなっている。ボールを奪って前につないでいく中盤の仕事、前の仕事をうまく時間をかけながらやっていきたい。U−22代表組の3人は最初は気を使っていたが、慣れれば大丈夫。何かをつかんで、上に上がろうとしてくれればいいし、後に続くメンバーにいい刺激になると思う。鈴木、稲本らにはフィニッシュの練習をやらせた。特に若い3人は疲れを知らないのでガンガンやってもらった。狙いは、試合で起こるシチュエーション。GKと1対1を絶対に決める。簡単なボールを100%決める。その感覚を繰り返すことで体に覚え込ませる。高い質のものを見せてくれた。そういう意味で満足している」

FW大久保嘉人「楽しいですね。全然緊張もしなかった。皆話しかけてくれて楽しい。U−22代表との違いは、食事の時間とか、U−22では12時と言われれば、その前に集合するけど、A代表では自己管理に任せている。ジーコ監督の印象は、もう少し怖いかと思ったけど、楽しく出来た。シュート練習は最後の詰めをやった。ジーコ監督からは『かぶせろ』と言われた。外すと怒られるので集中してやった。自分のいい所は、ドリブルとシュートだと思うのでアピールしたい」

MF松井大輔「ジーコ監督は怖い人かと思ったが、思ったより気楽に話してくれる。シュート練習では『ボールを上から叩け』と言われた。シュート練習はチームでやらないので、いっぱいできてよかった。A代表でできて、やっぱり面白い。稲本さんとは中3の時に関西トレセンで一緒だった。知り合いがいて解け込みやすかった」

MF石川直宏「皆さん話しかけてくれて助かっている。秋田さんと一緒に1対1の練習をやって、ガツンとやられた。『洗礼だ』と言ってました。シュート練習は、僕らの世代の課題だと思う。やっていることはチームと変わらないけど、こういう基礎が大事なのかなと思う。左足のシュートはまだまだです。まだ本格的な練習はしていないから明日からどうやっていくのか楽しみ」



読者のみなさまへ
スポーツライブラリー建設へのご協力のお願い


BEFORE LATEST NEXT