2003年3月28日

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サッカー

国際親善試合
日本×ウルグアイ

(東京・国立霞ヶ丘競技場)
天候:曇り、気温:13.5度、湿度:24%
観衆:54,039人、19時2分キックオフ

日本 ウルグアイ
2 前半 1 前半 2 2
後半 1 後半 0
23分:中村俊輔
57分:稲本潤一
フォルラン:21分
レンボ:25分

 ジーコ監督就任以来3試合目となるウルグアイ戦は、DFに森岡隆三(清水)を加え、ジャマイカ戦と同じ布陣でスタートした。今回は4日間のキャンプを経てのゲームに、監督は「練習での課題を消化してほしい」と試合前に注文。そのひとつでもあった、キープ率を高め、ミスのないゲーム運びを注意深く展開した。
 また秋田 豊(鹿島)と、ジーコ監督になって初めて出場する森岡とのセンターバック、サイドバックとの連携、安定した1対1からの守備も課題としてあげられていた。

 カウンター攻撃が鋭いウルグアイに対して、内側の守備を徹底するため、ラインをこれまでの2試合よりも高めに置いて、自分たちのリスクを下げ反対に中盤でのカットに積極的に出る。こうした守備に対して、ウルグアイは自慢のカウンター攻撃を遮られる形となった。しかし、ボールの支配では上回り、相手のチャンスを摘み取りながら前半21分、左サイドからのボールに対して、森岡がフォルランに体を入れられてしまいヘディングをゴールに、失点を先に許してしまった。
 しかし直後、老獪なプレーのウルグアイに対して、アルゼンチン戦では失点で一気に流れを奪われてしまったゲーム運びにも、修正がなされていた。この後、すぐに建て直しをはかって、中田英寿(パルマ)がエリア内で体をうまく反転しながら、左サイドをすり抜けた鈴木隆行(ゲンク)にスイッチで絶好のアシストパス。鈴木は積極的にシュートまで持ち込もうとしたため相手のファールを誘ってPKに。これを中村俊輔(レッジーナ)が、ジーコ監督になって初のゴールを左足で決めて、すぐに同点とした。
 リズムをつかみかけたが、ウルグアイのレコバのコーナーキックを、代表では昨年5月以来の出場となった川口能活(ポーツマス)が一度手でつかみながらファンブルし、このこぼれ球を押し込まれて1−2と勝ち越しされてしまった。前半はそのまま1−2と、3試合目にして初めて、ビハインドでのハーフタイムを迎える。

 後半は、ふくらはぎの故障をしていた中村を、練習の4日間絶好調だった三都主アレサンドロ(清水)と交代。小野伸二(フェイエノールト)も、中田と交代し、左サイドにも突破口が生まれる。
 12分には、中田がまたもチャンスメークし、エリアぎりぎりの付近で相手4人をマークにひきつけるキープ力を見せて、ノーマークとなった稲本潤一(フルハム)へ。稲本はこれを落ち着いてグランダーでゴール左隅に決めて同点とした。
 その後、黒部光昭(京都)を投入したが大きく流れは変らないまま、3試合目も同点で終了。これで通算2分1敗と、またも勝利はならなかった。代表はこのあと韓国戦、東アジア大会、そして今年最大の目標となるコンフェデレーションズ杯(パリ)に向かう。

川口能活
(ポーツマス)
「ミスにはいろいろな要因がありますが、あれは光(照明かフラッシュかわからず)が目に入ったために起きたミスだった。ただ、誰がどう見ても自分のミス。みなさんがご覧になったように書いて下さい。ミスは誰もするもので、大切なのは、そのあとに切り替えができたことだった。ミスしたからといって、(前に)出られなくなるのは一番いけない。今日はそれも積極的にできたと思っている」

秋田 豊(鹿島)「練習4日で臨んだ試合としては、課題は十分すぎるほど十分なものだったと思う。センターバック、隆三(森岡)との連携も、安定していたしカバーリングもしっかりとできていた。ジーコのサッカーの大事な形の部分は今回でかなり強くできてきたと思っている」

名良橋 晃(鹿島)「課題はセンターとのカバーリングで、それはよく消化できた。8割方、こちらがボールを持って攻めていたので相手にやられてしまったという感じはしていない。監督からは、今後チームに戻っても、しっかりと練習をやってほしいという話があった」

服部年宏(磐田)「全く悪くはない。一番よかったのは、落ち着いて試合を運べたことだと思う。攻撃の勢い、ゴールへの姿勢は非常によかったし、4バックもまだまだだけれど、大きなミスは出ていないはず。何より、負けなかったことはよかった」

試合データ
日本   ウルグアイ
12 シュート 7
6 GK 7
4 CK 3
15 直接FK 11
3 間接FK 2
2 オフサイド 2
1 PK 0
森岡隆三(清水)「(失点の場面は)試合の中で1本だけ(前に)いれてしまった失点だった。キープして、キープして得点を取られるのは、DFにとって集中力を維持するのがとても難しい。4枚の守備は、まだ多少慣れないところはあったが、それでもお互いの連携には注意を払ったので、決定的に破られることはなかった。自信になる」

稲本潤一(フルハム)「(ゴールは)ヒデさんからいいボールが来たので、狙って打つだけでした。練習からシュートが枠に飛んでいたので、調子はいいのかなと思っていた。でもダフったのがかえってよかったのかな。(黄金の中盤といわれているが、と聞かれ)4人ではサッカーの話をよくするようになった。試合は決定的なチャンスはこちらのほうが多かったと思うが、決めなくてはならないところはしっかり決めないと。90分出られるのはありがたいです」



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