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※無断転載を一切禁じます サッカー サッカー日本代表合宿2日目 28日のウルグアイ戦を前に、欧州でプレーする選手がすべて揃い、高原直泰(ハンブルガーSV)、小野伸二(フェイエノールト)、鈴木隆行(ゲンク)、川口能活(ポーツマス)、稲本潤一(フルハム)、がこの日午前の練習に参加した。また、中田英寿(パルマ)も午後、成田に到着した足で着替えだけすると、グランドを訪問。ジーコ監督と握手で挨拶を交わし、チームメイトと談笑した後、別メニューでの調整を行った。中村俊輔(レッジーナ)は、セリエAで負傷した右ふくらはぎの痛みが飛行機の移動で増し、様子を見るために午前中は市内のプールで軽い調整にとどめ、午後も別メニューで筋トレを行うなど大事を取っている。 服部年宏「ジーコ監督のやろうとしていること、基本的な約束が徹底しつつあると思う。簡単だがそれがきちんとできるかどうかは別だけれど、チームの雰囲気もよくなっている。ウルグアイは早くて強くて、上手い。全員でカバーする意識をもちたい」 小野伸二「今日は初練習なのでまだ体が重いところもあったと思う。3ボランチは、まだ今日初めての練習で声を掛け合っている段階、スペースをしっかりと止めていくにはまだまだコミニケーションが足りないので試合までに整える。ウルグアイは個々の能力がとても高いチームだと思う」 川口能活「今日の午前の練習では時差ぼけで全然動かなかった。午後には向上したので、試合にもし出られるチャンスがあるなら精一杯やるつもりです」 高原直泰「まだ1試合も勝っていない。今回はホームでの試合なので勝って、早くジーコ監督に勝利を贈りたい。練習でのテーマはいかに全体的な意志を統一して守備をするか。今回は時間があるので心配はない」
「STOP THE WAR」 久しぶりの練習で右まゆ上を裂傷した川口は、ホテルで縫合手術を行い、なぜかお似合いの「バンテージ」を頭に巻いて午後の練習にも参加した。そして練習後の会見で、戦争当事国から来日した意識、良い意味で日本国内に漂う雰囲気とは違う「温度差」を、明確に現した。
(茨城県・鹿嶋市)
川口はレギュラー組でプレーし午前のシュート練習中に服部年宏(磐田)と接触し、左まゆ上を裂傷。市内の病院で3針縫う程度だった。
代表はこの日午後、雨中で30分の紅白戦を行い、3ボランチでウルグアイへの守備の確認を徹底させた。なお紅白戦のレギュラーメンバーはGK川口能活、DF名良橋晃(鹿島)、秋田豊(鹿島)、森岡隆三(清水)、服部年宏(磐田)、MF福西崇史(磐田)、稲本潤一、小野伸二、小笠原満男(鹿島)、三都主アレサンドロ(清水)、FW高原直泰だった。
「とにかく戦争は辞めて欲しい」と、表情を曇らせ言葉を続ける。「ウルグアイとの試合をして、スポーツでいいプレーをすること、そうした感動を観に来てくれるファンに伝えられたと思う。勝ち負けは当然としても、とにかく戦争は止めて欲しいと思っている」と、中田英寿が開戦直後、自身のHPで示した姿勢と同様、反戦へのメッセージをメディアの前で公言した。
ポーツマスでは出場機会に恵まれず、代表では昨年5月の欧州遠征でノルウェー戦以来のAマッチ出場に備える。
イングランドでは、当事国として内外での批判もあり、川口はデモの様子を「決して(戦争を)肯定している市民ばかりではない。ブッシュとブレアの写真に×とつけて抗議しているデモもテレビでやってますよね」と、複雑な表情をのぞかせた。
日本代表の遠征が中止となり、影響は各方面で多大なものとなった。政治的に反戦を声高に主張するのではなく、サッカーの試合が普通に行われ、スタジアムで普通に観戦できる幸福を、日常を、しっかりと噛み締めて欲しい──川口の本意であろう。
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