2003年3月17日

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サッカー

日本代表 米国遠征メンバー発表
(東京・日本サッカー協会)

■サッカー日本代表
pos. 選手(所属)       
GK 川口能活(ポーツマス)
下田 崇(広島)
楢崎正剛(名古屋)
DF 秋田 豊(鹿島)
名良橋 晃(鹿島)
服部年宏(磐田)
山田暢久(浦和)
森岡隆三(清水)
宮本恒靖(G大阪)
松田直樹(横浜FM)
坪井慶介(浦和)
MF 福西崇史(磐田)
中田英寿(パルマ)
三都主アレサンドロ(清水)
中村俊輔(レッジーナ)
小笠原満男(鹿島)
中田浩二(鹿島)
稲本潤一(フルハム)
小野伸二(フェイエノールト)
FW 中山雅史(磐田)
鈴木隆行(ゲンク)
黒部光昭(京都)
高原直泰(ハンブルガーSV)
 3月26日のウルグアイ戦(サンディエゴ、クアルコムスタジアム)、29日のアメリカ戦(シアトルシーホークスタジアム)を戦うサッカー米国遠征の日本代表メンバーが発表された。

    ◆ジーコ監督会見から

ジーコ監督「現在、世界的にも戦争に直面するような緊張が高まっている中でこうして日本以外で2試合のゲームを行えることは、関係者の努力のお陰でもあり、無事にこのミッションを終えたいと思っている。ウルグアイ、アメリカともに、アウェーで自分たちの力を試すのにふさわしい相手でもある。米国は安定した力を持っており、W杯ではドイツに敗れたもののもっと上に行けるチームだった。ウルグアイは、今回、かなり顔ぶれを変えてくるだろう。南米の伝統あるチームとのアウェーでの一戦は、今後の経験に大きく役に立つはずだ」

    ◆質疑応答(要旨抜粋)

──2試合で選手の起用法は
監督 できるだけ全員を使いたい希望はあるし(いろいろ試してみたいということ)、ある程度のベースも作りたいと(選手の固定)も考えている。しかし、欧州でプレーする選手達のコンディションについては現時点ではわからないこともあるので、話し合いながらやっていきたい。いずれにしても、全体にできるだけリズム感を損なわないようにしたいと思う。

──復帰した選手と、新加入の黒部について
監督 森岡は怪我が理由で実戦から離れていただけで、コンディションが上がり、彼のクオリティについては今更説明する必要はないだろう。黒部は年間でコンスタントな力を発揮している。努力して安定した活躍ができれば、代表の道は必ず開けるという現実的な手本だと思ってほしい。川口はアンラッキーな部分もあるだろうから、私自身の目で状態を確認したい。

──DFについて、センターバックの働きをする選手が多いが。それと服部以外で、左サイドをできる選手がいないのでは
監督 服部については、ジャマイカ戦でも非常にいいプレーをしてくれた。今回は、もしかすると3バックを導入も、ということを念頭に置いている。3バックをやる、というのではなくて、4バックのオプションとして考えることになる。

──中山、秋田といったベテランについて
監督 繰り返してきたが、私は今現在のベストメンバーが代表であるべきだと考えているし、年齢は関係なく、目の前のことを確実にこなしているかである。中山についていえば、彼は常に若々しいプレーをしており、試合に挑む精神の強さ、ファイティングスピリットといったもの、また1試合たりとも、彼が力を温存して次の試合に、などといった態度をしたのを見たことがないこと。どんなボールでも全力で追う。彼の貢献度、生産性を考えると、彼は代表に欠かせない存在と思っている。

──下田はJ2からの選出だが。また森岡は、チームでは(今は)右サイドだが。
監督 いいゴールキーパーであることは、現時点で2部に落ちたからといって変わりはない。森岡は、もちろん彼がもっともフィットする場所を考えればセンターバックでの起用であり、チームで(右サイドでも)の状態は問題ではない。

──ジャマイカ戦はかなり自由に攻撃をさせていたが
監督 私の頭の中には、4バックでも3バックでも、このメンバーになるだろうという想定はある。ただ、アメリカに着いた時点でコンディションを見て考えることも多い。MFを2枚か3枚かなどあるが、いずれにしても1人1人の創造性を尊重する基本方針には変わりない。ジャマイカ戦のメンバーがスタメンのベースになるだろうが。

──3バックを試す狙いを
監督 先ほども話したが、チームを3バックにするという意味ではなくて、オプションのひとつとして可能性がある、ということだ。日本代表はこれまで4年、ずっと3バックだけをやってきており、4バックにもできるだけなじんでほしいとは思っているが、どうしても3バックで、という選手の声があるかもしれない。現代のサッカーでは情報合戦が激しく、すべてのやり方がわかってしまっているような状況下で、どれほどのオプションを持てるかがカギとなるだろう。

──今後の強化の基本方針は?
監督 すべての代表監督の悩みでもあるが、ゲームの多いこの3か月で何試合、海外組を揃えてできるかの制約がある。しかしできるだけ招集してもらって、同じチームで戦っていくことだ。

──左の可能性のある選手は?
監督 クラブでの専門職を尊重したいが、彼らと話してみて、こういう(新しいものに)チャレンジをしたいという気持ちが強いならば、考えてみたい。中田浩二、中村俊輔、アレックスといった選手達の可能性はあるが、やはり本人が望まないのに無理やりやらせるようなことでは力が発揮できないだろう。まずは彼らと相談したい。


「3バック、4バックより気になるのは」

 そもそも遠征が行われるのかどうか、イラクをめぐる国連の動き、米国の武力行使がクライマックスを迎えている今、協会の判断も秒読みだろう。
 日本サッカー協会の平田GSは、会見に先立って「イラクへの攻撃がされるかどうか重大な局面を迎えているが、攻撃があってもテロや空爆が局地的なもので、全世界的な規模に及ばないものであるなら、基本的には遠征を行う。外務省とも、米国協会とも緊密な連絡をとって、セキュリティーに万全を尽くしたい」と話した。遠征は、予定通り行うことで協会は準備を進めており、使用ホテル、便名などを完全に「クローズ」する(情報を出さない)よう選手に伝え、報道陣にも改めて申し入れた。
 平田GSによれば、詳細は明らかにできないものの、外務省からは非常に細かな指導や連絡を受けており、選手への安全確保は万全を期しているという。記者なども数十人が取材に行く予定だ。



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