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※無断転載を一切禁じます サッカー 第3回フットボールカンファレンス アジアから14か国が参加して2年ぶりに開催されるフットボール会議が始まり、初日は日本代表ジーコ監督の「日本代表チーム 2006年に向けて」と題した講演と、足の手術のために出席できなかったトルシエ前監督に代わって、田嶋幸三技術委員長が「2002年FIFAW杯 日本の準備と戦いについて」と監督との4年の仕事について、綿密な準備や支援体制などのレポートを行なった。 川淵三郎キャプテンの話「トルシエ監督が来られなくて本当に残念だった。しかし、ジーコ監督の講演には、戦術のこともあり、普通、ああいう(アジアに対してオープンな)会議で表明することはまずないものだろう。そういう意味で画期的であるし、アジアに向けて常にオープンに、日頃から私が話している、オープンマインド、情報の透明性、共有をこの会議の大事なテーマにして欲しい。参加者の質問もなかなか良かったと思う。ジーコの話は、いつも聞いているようなものであり、これといった驚きはなかったが、それを多くの方々に聞いてもらえて意義があった」
「献身」 ジーコ監督の講演は、 中でもフォーメーションについては、日頃から繰り返している「タレントによって布陣が決定する」という自らのコンセプトについてと、4-4-2、4-3-3といった布陣はまず日本人の能力を引き出すことができるとし、ロナウド、リバウド、ジダン、フィーゴ、べロン、ベッカム、デルピエロらのW杯でのプレーを引用。才能の高い選手が全体の60%、チームの完成度にかかわるとする考えを示した。また、個人が布陣を決める別例に、「私が知る限り、4バックから3バックへ、あれほどスムーズに移行できた例はない。名波、高原、中山らが非常に高い能力を発揮し、システムさえ揺るがないほどの個人の力を出しているチーム」と磐田を絶賛した。 最後の質疑応答 ──トルシエ監督のコンセプトに対して、ジーコ監督のコンセプトは何なのか ──日本代表の心理的な不安を指摘していたが、自分は中学、高校を指導している。この年代にはどういう指導が大事か
(パシフィコ横浜)11日から13日まで
会議は、指導関係者、地域クラブ、中学、高校、Jリーグの監督などが参加、海外からも技術委員会関係者が集まって、ディスカッション。UEFAからも来年欧州選手権への準備についての経過報告や、レフリーについての話題(レスリー・モットラム氏)などが13日まで行われる。
1.はじめに 主に来年の日程
2.海外選手の活躍の重要性
3.フォーメーション
4.今後の課題、今後の可能性(アジア、日本の帰化選手)
5.おわりに
と、5つのパートにわたって、ビデオ、ホワイトボードを使うなどして、具体的に自らのサッカー観を明かしていった。
また代表が抱える戦術、具体的な課題として、両サイドからの得点が、現在のサッカーでは8割を占め「(3バックの)ウイングバックと(4バックの)左サイドでは違ったもので、今後代表は左サイドバックの適任者を見つけなければならない。服部年宏(磐田)、中西永輔(市原)は十分に期待にこたえているが、若い世代の台頭も期待する」と話した。
DFは、「絶対にやってもらいたくない」と、最終ラインがフラットに並ぶシーンを選手にもビデオでビジュアルから見せて改善して欲しいと促していることを明らかにし、今後、サイドの絞りとマークの徹底を強化する方針を打ち出した。黄金と呼ばれる中盤にも、「攻守のバランスの悪い点がある」とし、今後、ボランチ、ボランチの裏のスペースをいかに消していくかを、選手にも見せているスカウティングビデオを使って聴講者に説明していた。
また、課題のもう1点を、「心理的な弱さ」を、アルゼンチン戦(昨年11月)のビデオで検証。1点目の失点の場面でFKを蹴ったベロンを中盤で全くマークしていなかったこと、これによる動揺から2点目を失った事を指摘した。そして、今後は若い世代に期待する」としていた。最後に「私は非常に攻撃的なサッカーが好きで、そして真面目に、サッカーのためであればどんな努力でも惜しまない人間の一人です。結果はそうした努力に必ずついて来る、と信じてもいます。コンセプトをあえていうなら“献身"でしょう。今、自らが置かれている職業への任務をいかに正しく、情熱を持って遂行できるか、それは監督だけではなくて選手も同じ考えでいかなくてはならない」と、指導者たちに訴えた。
──監督は、代表強化の時間が少なく、できるだけリーグで行なっているポジションでやることがリスクがない、と言っているが、ならば、なぜリーグで多くのクラブがとっている3バックではなく4バックなのか。そのほうがリスクが少ないのではないか、また、レアル、マンチェスターが4バックというのでは根拠に乏しい
ジーコ監督 確かに左のスペシャリストがいない、とお話しはした。しかし、服部、中西の能力には私は満足しているし、当分はこのやり方でいく。ただし、それでもあるレベル(個人のタレントが、システムを動かすことができるようなレベルに)至らない場合には、もしかすれば3バックへの移行を検討することもあるかもしれない。(左サイドは)世界的にも、世代交代など苦心の伴うポジションであり、日本でも難しい。しかし、今の若い世代には大いに期待ができるはずだ。
ジーコ監督 トルシエ監督の強化への準備、スタッフの支援などはすばらしいものだった。しかし、今後も、大切なことは、強化については決して机上論で終わらせてはいけないということだ。いかに選手それぞれが高いレベルで理解をし、わかってもらえるか、それを重要視しなくてはいけない。あえて言うなら、私は“献身"という言葉を、私のサッカーのコンセプトにしたい。私だけではなく、選手も置かれている職業への任務を遂行しようと努力を惜しまない、そういう姿勢だ。
ジーコ監督 そうした年代では当然心理的に不安を抱えている。できるだけ伸び伸びと、リラックスをさせ、心理面云々ではなくて、自由にクリエイティブにサッカーをしてもらいたい。そして18歳を過ぎた時点でもしプロに、というならば、意識付けはできるはずだ。意識付けによって、弱さを克服することはできる。しかし、あくまでも意識付けであって、何かを強制してはいけない。
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