10月16日

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サッカー

キリンチャレンジカップ2002 −Go for 2006! −
日本×ジャマイカ
(東京・国立霞ヶ丘競技場)
天候:晴れ、気温:20.6度、湿度:49%
19時00分キックオフ、観衆:55,437人

日本 ジャマイカ
1
ボール支配率:
48.8%
前半 1 前半 0 1
ボール支配率:
51.2%
後半 0 後半 1
7分:小野伸二


フラー:80分


<交代出場>
●日本
 76分:柳沢 敦(高原直泰)
 81分:中田浩二(稲本潤一)
 82分:福西崇史(小野伸二)
●ジャマイカ
 61分:フラー(デイリー)
 61分:ディクソン(ウィリアムズ)
 71分:ジョンソン(ハイド)
 74分:リケッツ(ロレンス)
 77分:テイラー(ホール)
 ジーコ監督率いる新生日本代表は、キックオフから全員が攻守に渡って積極的な姿勢を徹底するアグレッシブなサッカーを展開し、前半7分、中盤で奪ったボールを中田英寿(パルマ)、高原直泰(磐田)とつないで、高原がDFを十分に引き付けて右サイドを走りこんできた小野伸二(フェイエノールト)へ。小野は左足でシュートを放ち先制をした。
 黄金と形容された中盤のテクニックに加え、リーグでもコンディションのいい高原が効果的にボールをはたいて体を張って前線へ。カウンターでもジャマイカをはるかに凌ぐスピードでゴールまでボールを運ぶ。また守備面でも、中田、小野、稲本、中村がボールを再三奪うなど、欧州の激しいサッカーの真骨頂を感じさせるプレーが見られた。前半はそのまま日本がボールを圧倒的にキープする形で1−0で折り返す。
 同じメンバーで臨んだ後半、開始直後に服部年宏(磐田)がミドルシュートをバーにあて、その後も鈴木隆行(ゲンク)から左サイドを駆け上がった中田へ絶好のボールが渡りダイレクトでシュート。GKに阻まれたが、中盤から前では全員がシュートを打つ形を作った。30分には、高原と柳沢敦(鹿島)を替え追加点を狙う。スピーディな展開とアグレッシブな姿勢には、ジーコ監督がベンチから何度も拍手を送った。
 しかし試合の中盤から後半にかけては、そこまでの激しさからかやや中だるみし、後半35分には、左サイドのスカーレット(スパルタク・モスクワ)から出されたハイボールでフラー(プレストン)と服部が1対1の局面に。最初に打たれたシュートが服部の体に当たり、跳ね返ったボールをもう一度右足で蹴り込まれると、楢崎正剛(名古屋)は手に当てたものの失点となった。
 81分、小野に替わって福西崇史(磐田)、稲本に代わって中田浩二(鹿島)とボランチを2枚入れ替える。その後もややバランスを欠いたまま試合は1−1の引き分けで終了。代表としてほぼ4年ぶりに敷いた4バックの連携と、今後はそろうことが難しい中盤4人の連携と、ともに、大きな可能性と課題を示すドロースタートとなった。

    試合データ
    日本   ジャマイカ
    12 シュート 13
    10 GK 7
    6 CK 3
    18 直接FK 17
    2 間接FK 3
    0 PK 0
    ◆試合後の選手コメント:

楢崎正剛「失点した時間帯はけっこうピンチが続いていて、危ない場面を作ってしまっていたと思う。4バックについては、サイドが絞ったときにどうしても(スペースが)あいてしまい、そこにボールを押し込まれてくるケースがあった。ただ、連携のミスなどはなかったと思うし、むしろ個人的な技術の部分をもう少しレベルアップして、ミスを減らしていかなければと思った。サッカーはこういうものだと思うし、ジーコ監督からは試合終了後、全然問題ない、これからどんどんよくなるばかりだ、というふうに言われた」

秋田 豊「勝てる試合だった。勝たなければいけない試合でもあった。前半は非常にいいスタートを切ったが、中盤から後半は間延びしてしまった感じがする。初めてなので、いろいろできるわけではないし、これから試合の中で修正していければいいと思う」

稲本潤一「初めての試合にしては、いい出来だったと思う。自分は守備的な部分を強く意識してやるように心がけていたし、伸二が出ていったら自分はとどまるようにし、2人でバランスを見て全体を把握するように心がけていました。得点のシーンも、いいボールが行ったときに中盤はそれぞれいいポジションにいたと思います。高い位置でプレッシャーをかけ続けられていたと思うし、初戦としてはよかったと思う」

ジーコ・ジャパンの初得点となる先制ゴールを決めた小野伸二(フェイエノールト)
小野伸二「前半15分、かなり強いプレスをかけて点を入れようと思っていた。稲本とは一緒に(前に)出ないように気をつけていた。(中盤の)4人で初めてやったにしてはよくできたと思う。得点のシーンは、いいボールが来たのでゴールに結びついた。今朝、熱を計ったら39.1度ありました。じつは昨日の練習中からちょっと具合が悪いかなと思っていたけれども、やっぱり何のためにここに来たのかを考えたら、とにかく試合に出たかった。これからクラブ(フェイエノールト)に帰って、いいパフォーマンスをして、またアルゼンチン戦に呼ばれたいと思います」

鈴木隆行「フォワードとしては、非常にやりやすい試合だった。中盤が周りをよく見ているので、動き出しもボールの受け方も、自分としてはやりやすかったです。帰国して2日目だから、それほど多くのことをやろうというわけではなかったと思うが、できることをしっかりやろう、と気持ちを統一してやった。トルシエ監督のときより中盤が厚くなったことで、攻撃にはバリエーションが増えたと思う」

中田英寿「勝ちたかったので、残念と言えば残念な結果でした。伸二と稲本とは長くやっているけれど、チームには新しいメンバーも入っているし、(今後は)微調整というより、たくさん調整することがあるでしょう。(後半、中村とポジションを変えているようだったが、と聞かれ)中村がディフェンスラインの近くまで下がって守備をしている場面もあり、負担になっていたし、結果的にチーム全体にもよくないと思ったので、そういう動きをした。課題は1つだけということではない。たくさんあるので、難しいと思う。キャプテンマークをつけたからといって特に変わったことはない。今までの代表でもつけたことはあった。(満足いくかと聞かれ)非常に(満足度は)低いです。勝てなかったということが一番大きい。個人的にも、いろいろな課題があった。(2006年に向けて、と聞かれ)良い悪いは別としても、第一歩目の試合として負けなかったことは大事だった。これからもコミュニケーションをよくとっていきたい」

中村俊輔「自由に動くといっても、役割はそれぞれある。誰かが持ったら裏に飛び出すとか……。サイドが上がるという感じじゃなかったし、ゆったりとボールを回すことができました。そして、速攻でもいい形が作れたと思う。最初の10〜20分は、高いところからプレスをかけて積極的に行けたと思う。監督からは徐々に徐々によくなっていけばいいと言われているし、1回の合流ですべてができるわけではない。これから、新しいことをやったり、決まり事を作っていったり、していくんだと思う」



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