8月23日

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☆★☆ from England ☆★☆
サッカー

三都主がチャールトンと完全契約へ
(ロンドン近郊、チャールトン)

 三都主アレサンドロ(清水、25歳、MF)のプレミアリーグ移籍が23日午前(日本時間23日午後)、決定した。23日朝9時、練習参加と契約書にサインをするために宿泊中のホテルを出発した三都主は「ここまで時間がかかったけれど、決まればあっという間だった」と、ほっとした様子で笑顔を見せた。
 契約は、当初の条件だった1年目は清水からのレンタル、2年目から完全移籍とするオプションから、チャールトン側の高い評価によって完全移籍に変わり、これで身分的にも精神的にもチャールトンの一員として迎えられることになった。移籍金は約4億5000万円、年俸は約1億4000万円、メディカルチェックが終了していないためリーグ出場は未定だが、27日は同じロンドンのトテナム、31日はウェストハム、9月11日はアストンビラ、14日アーセナル戦と、デビューに向けて準備する。また、23日午前中は練習に参加し、早くも24日のアウェー、ボルトン戦に同行しチームの試合を観戦することになった。

 19日にロンドン入りしたあと、クラブとの交渉を進めていたものの、途中、CM、PR活動などで派生する肖像権の運用について、完全掌握したいとするチャールトン側と、これについては従来通り本人に帰属させたいとする三都主側の意向が対立。サインを保留し、22日午後に再度チャールトンと話し合いをした際、今度は相手側からレンタルではなく、「三都主の能力を高く評価したため」と、完全移籍を要望され、話が一気に進展し、サインに至ることになった。
 この時点で肖像権も、清水は移籍以前に清水の一員として行ってきたCMについて(例えば清水のユニホームを着たものなど)を持ち、チャールトン、三都主は今後派生する肖像権について分配をしていくことなどで、条件面では「完全合意に達しました」と、23日午前の会談後、代理人の西真田佳典氏は説明。あとは、条件面ではなく書類の問題で、契約書がレンタル&付帯条件だったものが完全移籍に変更され労働ビザの内容が変わるために、労働局に再度別の申請をする必要があり、これを週明けに行う。両者の弁護士がすべてを確認したうえ(契約書は日本語と英語)で28日に契約(サイン)をし、29日に会見をする運びとった。ユニホームは、この日、アストンビラに移籍が決まったキンセラ(アイルランド)のつけていた「8」が有力となった。


「着替えて来いよ」

 三都主はロビーの待ち合わせに一旦はジーンズで登場。代理人を務める西真田氏に「正式な形でサインをする場に行くのだから、ちゃんとジャケットを着て」と言われ、慌てて着替えに部屋に戻った。しかし、ジャケットを持参していなかったようで、コットンパンツに丸首のいいシャツと、ラフな恰好でクラブに向かった。結局この日はサインにまで至らなかったが、到着した翌日の20日には、いきなりトップの練習に合流して関係者を驚かせ、「今はサッカーをやりたくて仕方がないんですね。止まっている時間ももったいない感じがする」と、22日の休日にも「休みたくないなあ」と笑って話していた。睡眠もよく取れ、コンディションは良いという。
 チャールトン側からは、特にアラン・カービシュリー監督が高い評価をしたこともあり、レンタルではなくて完全移籍を申し入れるなど、いい意味でのドタバタがあったものの、ようやく着地。日本選手で完全移籍をするのは、98年中田英寿(平塚―ペルージャ)、昨年の小野伸二(浦和―フェイエノールト)に続き3人目となる。この日朝、「(清水からのレンタルではなくなったために)帰るところがないわけですが」と聞かれ、「日本が嫌いとかそういう意味じゃ全然なくて、もともと戻るつもりじゃなかった。海外で成功してずっと続けて行きたい」と、強い気持ちをにじませていた。

三都主の話「(完全移籍について)がんばらないと。5年といっても1年1年(勝負)だし、その1年を楽しくやっていけばいい。(5年契約の長さは)期間はあっても、(実感が)わからない。今年試合に出ていければ、やっていて楽しくなるんじゃないか。(24日に観戦して)試合を見て、チームの雰囲気に慣れたい。9月にデビューできればいいですね」



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