5月21日

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サッカー

岡野会長、トルシエ監督会見
(静岡県森町・メディアセンター)


会見のあと、日本サッカー協会スタッフのペットを抱き上げて笑みを浮かべるトルシエ監督
 日本代表・トルシエ監督、日本サッカー協会・岡野俊一郎会長が、W杯日本代表合宿がスタートするこの日、日本のメディアセンター(JAMPS)で会見を行う予定だったが、またも会見、質問は受け付けられず、監督から2分2秒のメッセージを読み上げるだけで終了した。
 監督が20日、フランスからの帰国後に「21日の会見には出たくない」と発言。関係者の説得で会見に出るには至ったが、強化推進本部・加藤部長によれば「フランス対ベルギー戦を視察したあと、興奮状態に陥っていて、どういう説得をしてもだめだった」と、代表選考のみならず最後のテストマッチとなるスウェーデン戦(国立競技場)への展望についても質疑応答はなく、何も話さなかった。
 また、17日、フランス対ベルギー戦の視察をするために監督が代表発表に同席しない、と当初の予定を変更したことを了承した岡野会長(強化推進本部本部長兼)は、ノルウェーでの親善試合(14日、0−3)後、「(会見をしないことでファンには説明不足となるのではないかと聞かれたことに対して)サポーターを無視しているわけではありません。逃げているわけでもない。代表選考の会見を行わないのではなく(日程上、監督には無理だというだけで)、21日にはそういう席(この日の会見のこと)もあるのでそこで質問してください」とし、また東京でこれを発表した木之本興三強化推進本部副部長も「落ちた人のことは話さないと強化推進本部と監督で取り決めたが、(ほかのことについての)会見は21日にやるので、みなさん(記者に)そこで質問してほしい」と説明していた。
 会長は一転、「今日(21日)は出陣式だと思っていた」と、壇上での挨拶をしたあとで説明。また「監督としては、ベストだと思った選考について、あれこれ言われるのは嫌なんでしょう」としたため、落選ではなく、選考の理由や、スウェーデン戦への展望を聞くために集合していた200人の報道陣から、説明を求められた。会長は「25日(スウェーデン戦)までまだ時間がありますから、(選考についても話す機会を作るように)話します。結果はどうなるかわかりませんが」と、説得するとした。

岡野会長「いよいよ決戦の日まで2週間となり、最終の合宿に入るわけです。メディアのみなさんの協力をよろしくお願いいたします。チームが決定し、最後の合宿に入るわけですが、このチームが日本のサッカーの歴史をつくるチームになってほしいと願っている。サッカーを愛する大勢のファン、サポーターの期待を胸に背負って、木之本団長、トルシエ監督以下、みなで新しい歴史を作ってくれると信じている。最後になって、怪我などでチームに加われなかったみなさんの思いを胸に秘めて、その分までがんばってほしいというのが願いです。日本W杯の歴史は、まだ一度しか出ていないし、1勝もしていない。見ている人すべてがよくやったなあ、と思う試合をしてほしい」

トルシエ監督「岡野会長からの言葉と、この4年、常に私を信じてくださっている言葉に感謝したいと思います。この信頼は、あと数週間でW杯が始まるというときに、ミッションを果たす上で大きな力になってくれるものであります。今回選んだ23人の選手ですが、この4年の間、一緒に培ってきたものを体現しているチームだと思う。今回の人員を選ぶにあたって、スタッフとともに構成したわけで、どのような人が必要であるか、いろいろな相関関係とか、また必要な条件をしっかりと考慮したうえで、心の底から湧き上がる信念をもって選んだわけです。またこれについては選択した私が全面的に責任を負うものです。
 今回のチームのバランス、テクニカルの意味でも、フィジカルでも、精神的な意味でも、それぞれの性格の持ち味といった上でも完璧な形でのチームとなっている。人間として全面的な信頼を置いている。今回選ばれた選手にお願いしたいのは、選ばれなかった選手に対して、敬意を忘れないでほしいということ、そして選ばれたことへの責任をしっかり果たしてほしい。
 選手に対して、自分のサッカーをプレ−してほしい、と頼みたいと思います。自分の価値観を大切にしながら、今回のミッション、難しいかもしれないが、しかし不可能ではないと思う、最高のものを出してほしい。私たちは最後のスプリントに入ったわけです。サポーター、メディアのみなさま、応援し、支えてください。このチームを愛してやってください。それによって私たちは表現力を最大限に発揮できるのです」


日本代表合宿初日
(静岡・ジュビロ磐田スタジアム)

 日本代表は21日午後6時15分に、練習が行われるジュビロ磐田スタジアムに到着した。冒頭の記念撮影のあと、ビブスを付けた組と付けない組に別れてパス回しを行った。スペインで急性虫垂炎の手術を受けた西澤明訓(C大阪)は、別メニューながらダッシュを行うなど、順調な回復ぶりを見せている。
 なお、この日ビブスを着用した11人は以下の通り。
    楢崎正剛(名古屋)、秋田 豊(鹿島)、森岡隆三(清水)、中田浩二(鹿島)、
    稲本潤一(アーセナル)、小笠原満男(鹿島)、明神智和(柏)、
    三都主アレサンドロ(清水)、中田英寿(パルマ)、
    柳沢 敦(鹿島)、中山雅史(磐田)



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