12月21日

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サッカー

日本代表候補発表

 2002年日韓W杯を目指して、年頭最初の合宿に参加する「代表候補」トレーニングキャンプのメンバーが21日発表された(メンバーは別表参照。キャンプは1月21日〜25日、鹿児島にて行われる)。
 帰化申請が認められた三都主アレサンドロ(清水)が初めて代表へのチャンスをつかんだほか、膝の故障で10月の欧州遠征を離脱して以来、手術、リハビリを積み重ねて来た名波浩(磐田)が復帰、今年のJリーグMVPを獲得した藤田俊哉(磐田)、リーグ優勝に貢献した秋田豊、本山雅志、小笠原満男ら鹿島勢もキャンプ参加メンバーに入った。
 GK5人、DF11人、MF16人、FW8人と、40人もの選手を招集する大キャンプとなるが、今回のメンバーリストには海外でプレーをする選手は含まれていない。

トルシエ監督のコメント(協会のリリースより)
「今回の合宿を通じて、幅広く日本の選手はワールドカップに参加する可能性があることを意識して欲しい。3年間チーム作りをしてきた中で、私の頭の中にグループは固まってきたとコメントしたことがあるが、まだ扉は完全に閉められていない。多くの選手を呼ぶことによって選手間の競争を高めたい。今回の合宿に参加する選手、また7名の海外でプレーしている選手はワールドカップへのチャンスということを意識して欲しいし、今回この40名に入らなかった選手も最後まで自分のチャンスを信じてチャレンジして欲しい。今回、鹿児島で行われる合宿は日本代表の合宿でありながら、Jリーグへの準備、各クラブのコンディション作りを手伝うことのできる合宿だと思う。ワールドカップへの意識、各クラブでの姿勢、メディアへのコメント等からも来年の少ない時間の中で自分達のモチベーション、まだあきらめていないという選手達の精神を感じたい。最後に、いつも繰り返して言うように、最後までワールドカップへの競争を続けて欲しい、大会の10日前の公式登録まで、全ての選手にチャンスがある」


「最初のおみくじか。吉と出るか凶と出るか」

 98年、トルシエ監督が就任以来何度も行なってきたのは、30人、40人ものトレーニングキャンプであり、本番まで残り6か月となってこれだけのメンバーを「候補」の名のもとに一箇所に、しかも年頭から招集するような強化策を取れる国は恐らく日本をおいてほかにないはずだ。潤沢な資金と贅沢な時間、寛容な協会の姿勢あっての賜物だろう。
 監督はこれまで、人数を絞らず、固定メンバーを置かない中で選手の競争意識を煽ろうとする手法を一環してきた。予選がない中で迎えるW杯に対し、内部的な競争力を推進力に転じて行くことが効果的なコントロールでもあり、事実、こうした中から、新しい選手が続々と代表のユニホームに見合う実力と、風格を身につけて来たことは評価の対象になる。監督自身、これまでのキャリアの中でも初めての、群を抜く4年もの長きにわたる就任期間をどう解釈し、どう消化するのか考え抜いた結果のはずだ。
 監督さい配とは、選手の選抜からすでに始まっている。メンバーを絞りこみ、すでに「頭の中では固定」(監督)しながらの大人数合宿は、これから最後の扉に向かって滑り込みたいとする選手たちにはビッグチャンスだ。一方サバイバルをしてきた選手たちは、チームの固定された全容が手探りの中で、まだ知らぬ「答え」のために最初と変わらない同じ競争を繰り返さねばならない。
 競争にも、裏表があり、作用にも予測し難い面がある。
 さらに、監督と選手の間に、例えば予選で味わうような「負ければ終わり」という運命共同体の中で培うような強烈な一体感がない現在の代表に、どういった「一体感」を生み出すのかも、半年の仕上げで極めて重大な課題である。自身がこの日紙で発表したコメントにある、競争、最後までW杯を諦めない、といった言葉にどういった作用を期待し、実際に効果をもたらすのか、これは監督と、代表チームにとって最初の「賭け」になる。
 1月21日の招集は、過去でももっとも早い始動に入る。2月10日、暖かい豪州でスタートした4年前は、開会式も今年よりは遅いが、それを差し引いても、選手はかなり早い仕上げを要することになる。逆算すると、天皇杯優勝チームならば実質10日も休まずに始動して入ってこなくてはならないだろう。休養の度合い、クラブでのコンディション調整と連動して難しい面もあるはずだ。各選手がどんな対応をしてW杯イヤーを迎え、鹿児島に入ってくるかにも注目をしたい。

    Goalkeeper
     下田 崇
     楢崎正剛
     都築龍太
     曽ケ端準
     南 雄太
    1975.11.28 183cm/79kg
    1976.04.15 185cm/76kg
    1978.04.18 185cm/81kg
    1979.08.02 186cm/78kg
    1979.09.30 185cm/75kg
    サンフレッチェ広島
    名古屋グランパスエイト
    ガンバ大阪
    鹿島アントラーズ
    柏レイソル
    Defender
     秋田 豊
     大岩 剛
     服部年宏
     上村健一
     田中 誠
     森岡隆三
     波戸康広
     宮本恒靖
     松田直樹
     中澤佑二
     中田浩二
    1970.08.06 180cm/78kg
    1972.01.23 180cm/75kg
    1973.09.23 178cm/73kg
    1974.04.22 180cm/74kg
    1975.08.08 178cm/73kg
    1975.10.07 180cm/71kg
    1976.05.04 178cm/70kg
    1977.02.07 176cm/70kg
    1977.05.14 183cm/78kg
    1978.02.25 187cm/78kg
    1979.07.09 182cm/74kg
    鹿島アントラーズ
    ジュビロ磐田
    ジュビロ磐田
    サンフレッチェ広島
    ジュビロ磐田
    清水エスパルス
    横浜F・マリノス
    ガンバ大阪
    横浜F・マリノス
    東京ヴェルディ1969
    鹿島アントラーズ
    Midfielder
     藤田俊哉
     森島寛晃
     名波 浩
     三浦淳宏
     伊東輝悦
     奥 大介
     福西崇史
     三都主アレサンドロ
     戸田和幸
     明神智和
     中村俊輔
     小笠原満男
     本山雅志
     酒井友之
     市川大祐
     阿部勇樹
    1971.10.04 174cm/64kg
    1972.04.30 168cm/62kg
    1972.11.28 177cm/71kg
    1974.07.24 176cm/69kg
    1974.08.31 168cm/72kg
    1976.02.07 173cm/72kg
    1976.09.01 181cm/74kg
    1977.07.20 178cm/69kg
    1977.12.30 178cm/68kg
    1978.01.24 173cm/66kg
    1978.06.24 178cm/69kg
    1979.04.05 173cm68kg
    1979.06.20 175cm/64kg
    1979.06.29 170cm/62kg
    1980.05.14 181cm/68kg
    1981.09.06 176cm/78kg
    ジュビロ磐田
    セレッソ大阪
    ジュビロ磐田
    東京ヴェルディ1969
    清水エスパルス
    ジュビロ磐田
    ジュビロ磐田
    清水エスパルス
    清水エスパルス
    柏レイソル
    横浜F・マリノス
    鹿島アントラーズ
    鹿島アントラーズ
    名古屋グランパスエイト
    清水エスパルス
    ジェフユナイテッド市原
    Forward
     中山雅史
     鈴木隆行
     久保竜彦
     柳沢 敦
     山下芳輝
     吉原宏太
     北嶋秀朗
     前田遼一
    1967.09.23 178cm/72kg
    1976.06.05 182cm/75kg
    1976.06.18 181cm/74kg
    1977.05.27 177cm/75kg
    1977.11.21 177cm/67kg
    1978.02.02 170cm/66kg
    1978.05.23 182cm/75kg
    1981.10.09 181cm/72kg
    ジュビロ磐田
    鹿島アントラーズ
    サンフレッチェ広島
    鹿島アントラーズ
    アビスパ福岡
    ガンバ大阪
    柏レイソル
    ジュビロ磐田
       



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