9月22日
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サッカー
J1リーグ2ndステージ第6節
浦和レッドダイヤモンズ×鹿島アントラーズ
キックオフ:15時34分、観衆:37,971人
天候:晴れ、気温:18.0度、湿度:31%
(国立霞ヶ丘競技場)
浦和 |
鹿島 |
1 |
前半 0 |
前半 1 |
2 |
後半 1 |
後半 0 |
延長前半 0 |
延長前半 1 |
87分:永井雄一郎 |
鈴木隆行:5分
本山雅志:102分 |
ここまで2ndステージ開幕から5連勝と首位に立つ鹿島は開始直後の5分、右サイドフリーでゴール前に走り込んでいた鈴木隆行がロングボールを慎重に扱い、利き脚の左に持ちかえてシュート。大きなサイドチェンジに浦和のDFがズレたところを狙いすまして、自身今季4点目、鹿島にとってはリーグ通算600得点目となるメモリアルゴールを奪った。
試合は、先制点を奪った鹿島が安定した守備を軸に浦和の攻撃を中盤から封じ、浦和のアドリア-ノ、エメルソン、トゥットらの得点を許さなかった。
しかし後半、浦和が阿部敏之を中盤に投入してから流れが変わる。ボールを高い位置で奪い、前線も無理なドリブルではなく流れの中で動くことができるようになると、鹿島のDF陣がこれに対応するのに時間がかかり、中央突破などからシュートまで持ち込まれるバターンが激増した。後半だけで10本のシュートを放たれる攻撃を受け、浦和に85分、交代で入った永井雄一郎に同点ゴールを許してしまった。
しかし、延長から投入した本山雅志、昨年12月の天皇杯以来の復帰となった相馬直樹らがリズムを鹿島に引き寄せ、103分、本山がVゴール。前々節の神戸戦に続いて、またも延長からの投入で仕事をこなす見事な集中力を見せ、鹿島は勝ち点を16とし首位を堅守した。
試合データ
浦和 |
|
鹿島 |
15 |
シュート |
10 |
7 |
GK |
15 |
4 |
CK |
5 |
18 |
直接FK |
20 |
4 |
間接FK |
6 |
0 |
PK |
0 |
鹿島/セレーゾ監督「私たちは今、勝ちに行こうということで一丸となっている。ベンチも試合に出ているものもそれは代わりがなく、ひとつのポジションを2人が激しく争うような状態がチームを向上させている」
浦和/ピッタ監督「先週は磐田、今週は鹿島と決して弱くはない相手に、自分たちの試合を出来たことに私は本当に満足をしている。阿部を後半から入れたのは、彼の守備力のためで、安定して全体が守れるようになった時間帯で彼を入れた。(浦和はこれで監督交代から3連敗)今日の後半のような試合ができれば間違いなく向上していけると思う」
9か月ぶりの戦列復帰を遂げた相馬直樹「熱いゲームだったので、延長からの出場だったが、緊張せずにピッチに入っていけた。延長だったこともあって、ボールを持ったときもそれほど激しいプレッシャーを受けなかったし、前に向ける場面が多かった。
セカンドステージはチームもいい状態できていて、勝ち続けることによって試合に出られない選手にもいい影響を与えていると思う。
まだたくさんの時間を出場することは難しいと思うが、ファーストステージは何ひとつチームに貢献できなかったので、それを少しでもとりかえしたい。自分では100%だと思って臨んでいるが、あとは時間の問題でしょう」
「スーパーサブ」
鹿島アントラーズのスーパーサブ、本山雅志が延長から出場し、第4節の神戸戦に続くVゴールを決め、期待通りの働きをした。
「とにかく前線で張ってろ」という監督の指示を受け、後ろに下がってボールをもらいたい気持ちを必死でこらえる中、延長前半13分、ようやくシュートチャンスが巡ってくる。
相馬からのスローインをゴール前で受けた時、「一瞬、このままシュートまでもっていける」と思った。しかし、前を見るとアウグストの顔がすぐ側にあったため、すぐにワンツーに切り替えた。結果的にこの判断が疲れの見え始めた浦和DFを翻弄し、Vゴールにつながった。
「自分としては迷った部分はあったし、最後まで石井さんがスライディングで足を伸ばしてきていたので、当たらなくて運がよかったとは思う。でも、あの抜け出し方からシュートまでイメージ通りだった」
出場すればかなりの確率で得点に絡むプレーができるという点では、監督も「モトヤマは非常に高い意欲を持って試合の局面を変えることのできる選手だ」と評価している。しかし、それには依然として「途中出場ならば」という前提がついているようだ。
今日の試合も、鹿島が1-0で逃げ切っていればおそらく出場機会はなかった。永井の決めた後半43分の同点弾が皮肉にも、本山にチャンスを与えた。
「先日の神戸戦も含めて2試合ともチームとしては90分で勝てた試合だったし、今日もあのゴールがなければ出番はなかったわけだから、与えられたチャンスを生かせたことは嬉しいけれど、チームのことを考えると勝ち点を1つ損したわけだから複雑な気分です」
シドニー五輪アジア最終予選以降スーパーサブと呼ばれて、もう2年が経つ。与えられたチャンスを生かすことにかけては、一流といえるかもしれない。彼に最も必要なのは技術でも、スピードでも、判断力でもなく、「チャンスを自分の力でつかみとる」という確固たる意欲である。(文・松山仁)

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