8月3日

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世界陸上
初日
男子マラソン
(カナダ・エドモントン、気温:28度、湿度:52%、北西の風4.4メートル)

 世界陸上初日、最初の種目として男子マラソンが行われ、昨年のシドニー五輪で金メダルを獲得した、エチオピアのアベラが2時間12分42秒でシドニー続きビッグイベント2連覇の偉業を達成した。2位は最後までデッドヒートを繰り広げたケニアのビウォットで2時間12分43秒、3位にはイタリアのバルディーニが2時間13分18秒で入った。日本勢は、琵琶湖国際マラソンで今大会の出場権を獲得した油谷繁(24歳、中国電力)が5位入賞したのが最高で、日本最高記録を持つ藤田敦史(24歳、富士通)は座骨神経痛により大会欠場も検討されていたが、2時間18分23秒で12位、完走は果たした。

順位 選手名 所属 記録
1 アベラ エチオピア 2:12:42
2 ビウォット ケニア 2:12:43
3 バルディーニ イタリア 2:13:18
4 トラ エチオピア 2:13:58
5 油谷 繁 中国電力 2:14:07
6 エルムージ モロッコ 2:15:41
7 ジファー エチオピア 2:16:52
8 森下由輝 旭化成 2:17:05
9 西田隆唯 エスビー食品 2:17:24
12 藤田敦史 富士通 2:18:23
26 高橋健一 富士通 2:24:41
レース後のコメント

油谷繁(24歳、中国電力)「一度引き離されそうになったが、あそこで話されてはダメだと思い、粘っていこうと思った。こういう大きな大会で順位はもちろんだけれども、自分がやってきたことをすべて出せたことがうれしい。ゴールすれば、メダルが取りたかったなとは思うが、3回目のマラソンで自分なりに納得できる部分が多かった。金・銀の2人は本当に強かった。タイムと、また違った差があると思った」

藤田敦史(24歳、富士通)「走り出す前からすでに痛みがある(座骨神経痛)ということで、自分に対して気持ちのどこが負けていたと思う。走っている最中は痛み止めが効いて痛みはなかったけれど、やはりスピードが変わった22キロ過ぎからまったくついていくことができなかった。それでも今回、途中で棄権するとか、レースをやめるという考えはまったくなかった。最悪の状況の中でも、次を考えてこの苦しいところを乗り越えようと思った。それだけは収穫でした」

森下由輝(30歳、旭化成)「レースの前半、もう少しうまく力をためて走っておけば、後半も戦えたと思う。今回は調整の段階であまりうまくいかなかったが、それなりにまとめて戻ってくることができたのは収穫です。(前回、同じ旭化成の佐藤信之が銅メダルを獲得しているが、と聞かれ)別に意識はしていませんでした。やはり今の力をできるだけいい形で発揮しようと思った条件などはあまり考えませんでした。世界のトップクラスというのはペースを何段階も変えながら、最後はトップスピードでゴールする。やはり大きな違いがあると思いました」

西田隆維(24歳、エスビー食品)「思った以上にタフなレースになった。コースは平坦だと言われていたが、大きな下り坂が22キロ過ぎからあり、ここでかなり足を使ってしまった。ただ、応援は本当に大きな励みでした。途中沿道で声をかけてもらうたびに勇気がわいた。このレースを次につなげたい」

高橋健一(28歳、富士通)「走り始めたところからもう足が痛かった。競技場を出るときにもすでに足が痛くしびれていた。いっそのこと痛み止めが切れて、しびれを感じる方がましだと思ったぐらいです。実際、途中から痛み止めの効果が薄れたら、今度は本当に痛くてそれどころじゃなくなった。初めての国際舞台で、選ばれたことに責任を持って最後まで走ろうと思いました。もっともっと自分を鍛え上げないと、こういう舞台では勝てないということは痛感した」

世界陸上エドモントン大会期間中、sportsnavi.comでコラムを連載します。ぜひ、そちらもご覧ください!

増島みどり「世界陸上スペシャル」



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