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昨年行われたスポーツ競技で優れた成績を収め、人々に感動を与えた選手に贈られる「2000毎日スポーツ人賞表彰式」が行われ、シドニー五輪女子マラソン金メダリストの
高橋尚子(積水化学)がグランプリに選ばれた。高橋は欠席したが、代わりに同賞で特別賞に選ばれた
小出義雄監督(積水化学)が今後の予定などを明らかにした。
トルシエ監督も代表で受賞し「2002年には是非とも日の丸をかかげたい」と優勝を改めて目標とすることを宣言した。
ほかの受賞者は以下の通り:
一体いくつめの賞になるのか不明だが、今年に入って本格的にトレーングを再開した高橋は「合宿中」を理由にして欠席した。年明けには大島で練習を再開したが、すぐに外耳炎で入院するなど、9月の五輪以降の疲労を抜き、新たなトレーニングを始めることは、金メダルを狙う戦いよりもある意味では困難を伴うのかもしれない。
しかし、この日、小出監督が明らかにした復帰プランは、これまでのどんなものよりも具体化している。それによると、予定通り2月4日の丸亀ハーフには出場。ここまでにジョギングでしっかりとハーフを完走できる力をつけ、2月中旬までに30キロ、同時にそこまでに、ベスト体重46キロまであと2〜3キロのところまで体を絞ってくるように、とのプランだ。
またそれ以降も、3月中に40キロを走れる走力を回復することと、ベストにほぼ近いところまで体重を戻す。4月にロッテルダム、ボストン、5月のパリと、海外賞金3レースから1つを自分で選んで走ることになる。
小出監督は「あの子なら5〜6割の力でも22分台は可能。とにかく楽しみは秋ですよ。秋は驚かすからね」と、金メダル余波からようやくぼんやりながらも見えてきたスタート地点に照準を合わせる。
高橋の体重が増加したことや、ランニング以外の活動があまりにも多いといった状況を憂う声は多い。肉体的にも精神的にももう燃え尽きるのではないか、といった批評もある。
しかし、昨年末のインタビューで彼女が1日4件もの取材や講演をこなす途中で口にしたコメントは忘れられない。
「マラソンで歴史と記録に名前を残すランナーになりたいんです。とりあえずそれが私の目標でしたから」
これほど率直な向上心をさり気なく口にする力強さや柔軟性を根本に持った女性が、そんなに簡単に「変わる」ことはないのではないか。
歴史は変えた。次は記録の番である。
■短信:トルシエ監督、スペインの西澤を視察する方向へ
サッカー、トルシエ監督は来月中旬にスタートとする日本代表合宿について、「すでに体勢は決まった」と、45人の絞込みは終了したことを示唆。またデビューを果たしたエスパニョール(スペイン)の西澤明訓について「15分では判断できないが、大事なのは、彼が使われたという信用にある。私も彼に会って、今後のことなどを話すのが重要な仕事」と、22日に一度フランスに帰国し、スペインリーグを視察する方向性を明らかにした。