9月16日

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シドニー五輪
柔道・田村亮子、野村忠宏が金メダル獲得

 バルセロナ五輪以来、8年がかりの金メダルを目指す田村亮子(トヨタ)が、最大のライバル、キューバのサボンが早々と姿を消した中(2回戦で敗退)、決勝でロシアのブロレトワを内股一本勝ちで倒し、金メダルを獲得した。また、アトランタ五輪の金メダリスト、男子60キロ級の野村忠宏(ミキハウス)も、初戦であわや一本負けというピンチをしのぎ、決勝では開始14秒に鮮やかな隅落とし一本勝ちでオリンピック2連覇の偉業を達成した。日本柔道陣は初日の2種目、軽量級から金メダルを2つ獲得する幸先のいいスタートを切った。明日、17日には同じく金メダル候補、女子52キロ級の楢崎教子(ダイコロ)が登場する。

田村亮子「今日は全部一生懸命やりました。全力の積み重ねでした。今回は、最高で金、最低でも金、そういう風に自分に言い聞かせて強い気持ちで臨みました。日本でもたくさんの方たちが応援してくれたことが後押ししてくれたんだと思います。この金メダルを手にするまで8年もかかりました。この瞬間を味わうために多くのものを犠牲にしてきました。夢のような気持ちです。8年間の思いというのは、初恋の人にやっと巡り会うことができた、というような思いでした。多くのプレッシャーがありましたが、この決勝ではこの4年間のすべてをかけようと思ってぶつかっていきました。これで国内、アジア、世界選手権、オリンピック、すべてのタイトルを手にすることができた。次の目標は、福岡国際女子柔道の11連覇と来年の世界選手権(ドイツ)の5連覇です」

柔道女子48キロ級 田村亮子 成績
2回戦 趙順心 中国 優勢勝ち
3回戦 ルスニコア ウクライナ 払い腰
準決勝 チャ・ヒョニャン 北朝鮮 優勢勝ち(判定)
決 勝 ブロレトワ ロシア 内股

野村忠宏「あの技は偶然です。どういう風になったのか自分でもわからなかった。シドニーに入ってからは体が先に動いていて、それで自然な技が出たんだと思います。本当にこれが最後なんだと自分に言い聞かせて畳に上がった。1回戦、本当にひやっとした。あのまま我慢してて、1度飛んで自分から技をかけて回った分、(相手の一本を)回避できたと思う。準決勝のポウロ(キューバ)は、組み手が3回組めればいい、というぐらいの(組み手がやりにくい)相手だった。その3回のうち1回で有効が取れたことがよかった。前回のアトランタは、代表になったことも金メダルを取ったこともまぐれでした。今回は会社に入って、オリンピックに出るという気持ちで、これを目的にして這い上がってきて取ったメダルです。とてもうれしい」

柔道男子60キロ級 野村忠宏 成績
2回戦 賈運兵 中国 一本背負い投げ
3回戦 グレツコウスキー 米国 肩車
4回戦 マツシェク スロバキア 大外刈り
準決勝 プウロ キューバ 優勢勝ち
決 勝 鄭富競 韓国 隅落とし

●本日の選手コメント、コラム等はsportsnavi.comの
「Masujima Stadium出張版」に随時掲載予定です。

◆シドニー五輪特別企画◆
杉山茂樹の

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