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サッカー
23分、西澤の右サイドからのボールに中田英寿(ASローマ)が中央に素早く走り込んでヘディング。ゴールはならなかったが、この初シュートから流れが一転する。34分には、稲本潤一(G大阪)からのスルーパスを中央で受けた森島が、GKバルテズに阻まれながらシュートし、GKが跳ね返したボールを頭で押し込んで先制ゴールを奪った。この直後にも西澤が強烈なボレーシュートを放つなど、日本の攻撃の時間帯が長く続いた。 後半、来週からの欧州選手権を前に6人の交代枠を目一杯使うフランスが、動きの鈍かったデシャン(チェルシー)らを変え、故障上がりのジョルカエフ(カイザースラウテルン)ら3人を投入したことで、日本は翻弄される。61分にはプティ(アーセナル)からゴール右へ走り込んだジダン(ユベントス)に縦パスが通り、DFと重なって追いかけてしまったGK楢崎の頭上をトリッキーなシュートで抜かれ1−1。完全な個人技で同点とされた。 試合は結局このまま引き分け、規定によってPK戦となり、中田、三浦淳、稲本、名波浩(ヴェネツィア)と蹴った日本は稲本がポスト、名波がバーにそれぞれボールをはじかれ失敗。4人が決めたフランスに最後の最後に突き放された。 試合後のコメント 森島寛晃「自分なりに思うことはあった。ただ、後半の最後の方は足が全然動かなかった。疲れていました。でも、久々に思い切ったプレーはできたと思う。自分なりに満足はできました」
中田英寿「ちょっと休み過ぎちゃったね(笑)。体が動かなかった。試合では、もっともっと自信を持ってプレーすればいいと思う。ボールだって今日はちゃんともてたし、相手のディフェンスを見たらわかると思うけれど、体を引っ張って入れるだけで、(荒っぽい)ディフェンスをしていた。ああいうところで、逆サイドにボールをもっと大きく振ればフリーのチャンスをたくさん作れたと思う」 三浦知良(京都)「相手を本気にさせたことが大きな収穫だった」 中村俊輔(横浜)「体がデカい……。フィジカルが違う。前半、後半と、シュートのチャンスがあったのにそれが決められなかったことが反省点です。本当はもっと中でプレーをしたかったが、相手が4トップ気味だったので、あそこに張っているよりほかなかった。守りから攻めへの切り替えがなかなかできない点があったから、相手を追っかけていると言うよりは、自分たちの3バックを追っかけているという感じになってしまい、ディフェンスとの距離がどんどんどんどん開いてしまった。西澤さんがボールが届く範囲が広くてタメができたことがよかったと思うし、それによってチームの攻撃にリズムがうまれた。自分としてはもっと1対1をやっていきたかった。フランスのワンツー、あれは普通のワンツーだった。日本のワンツーはやるぞやるぞという感じのワンツーでしたね」 伊東輝悦(清水)「森島さんが前に出てきて動いてくれたことで自分のところでプレーがしやすくなった。前半当初はボールのコントロールがなかなかできなくて苦労していた」 三浦淳宏「西澤がとても調子がよかったので、どんどんあわせていこうと思ってボールを入れていった。センタリング、あれはピッタリでしたね」 稲本潤一「世界チャンピオンとの引き分け。自信を持っていいんじゃないかな。なかなかオフサイドを取れなくて、点を取られてしまったけれども、崩されてしまったわけではない。自信を持ってやればいいと思う。PKですね……。あれはちょっと引っかけてしまった。練習しま〜す」 大岩剛(名古屋)「相手のフォワードよりも中盤からの上がりが非常に厳しかった。最後の方で、相手が本気になってきたのがよくわかりました。全体的にはコンパクトにしようということをとにかく心がけていた。ラインについては、そうは意識していなかった」
大仁邦彌・技術委員長「素晴らしい。いい試合だった」 トルシエ監督(抜粋)「私は私の仕事に集中した、それだけです。西澤、森島はセレッソでコンビネーションがいいからといって使ったわけではない。私のチームでも融合できると考えたからだ。とにかくきょうは西澤が世界トップレベルのプレーをしたということです。日本とヨーロッパサッカーとには、大きな差などありはしない。コンプレックスを持つことはないのだということを、日本のみなさんにメッセージとして伝えたい。失点は2点とも、集中力の問題だった。 エマニュエル・プティ「組織のチームだった。どの選手が素晴らしいというよりも、組織力が大変素晴らしいチームだと思う」 マルセル・デサイー(チェルシー)「日本サッカーが非常によくなっていることは、私も知っていたので、この結果に驚きはない」 ディディエ・デシャン「評判通りの素晴らしいナイスなチームだった」 ロジェ・ルメール監督「この10年で日本は大きな進歩を遂げた。早さと動き、個人的にも組織的にも抜群だ。バルテズの活躍がなければ3点は取られていた。我々はクロアチア戦以後、毎日2回の練習をしているが、強固な組織は作りつつある」
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