2月25日


横浜女子駅伝会見日
(横浜・インターコンチネンタルホテル)

 27日に行われる横浜女子駅伝(6区間、42.195キロ)の日本のナショナルチーム7人(補欠を含む)が会見を行い、シドニー五輪女子マラソン代表の有力候補、山口衛里(天満屋)がアンカーとして「6連覇を狙いたい。アンカーまでに差を広げてきてください」と、5年ぶり3度目(ナショナルチームでは初めて)の横浜出場に意欲をのぞかせた。山口は、開会式で選手宣誓を行い、手の甲に「カンニングペーパー」をしのばせて「もう汗だくですよ」と緊張しきりだった。
 山口は昨年の東京国際女子マラソンで2時間22分12秒をマークして優勝し、現在は大阪でシモンと最後まで争った弘山晴美(資生堂)とともに、代表の有力候補となっている。今回は、丸亀でのハーフマラソンに続いてのレースとなり、その後は3月12日の実業団ハーフ(仙台)にも出場する予定(陸連理事会が行われるのは3月13日)。なお、すでに代表に内定している市橋有里(住友VISA)は24日から、屋久島にてミニキャンプを張り、3月5日の福岡国際クロスカントリーに出場する。また、弘山晴美(資生堂)は26日まで奄美大島で合宿を行う。

    1区 野口みずき(グローバリー)
    2区 大越一恵(ダイハツ)
    3区 小鳥田貴子(デオデオ)
    4区 渋井陽子(三井海上)
    5区 小島江美子(旭化成)
    6区 山口衛里(天満屋)

「待つ身、の辛さよ」

 山口を指導してきた佐々木精一郎総監督(天満屋)は「山口の疲労は、肉体的なものよりも精神的なものですね。気疲れです」と、オリンピック代表となるまでの独特のプレッシャーを説明した。山口は東京国際の後、疲労を取るために練習をほぼ2週間休むなどしたが、そのほかに雑誌、テレビ、新聞の取材、また地元の取材は連日殺到するなど、忙しい毎日を過ごすことになったという。
 先に内定を受けている市橋有里(住友VISA)が、浜田コーチの意向から取材を徹底的に制限。これまでに取材を受けたのは、代表内定を受けた日、それと正月紙面用だけ、という状況できているのとは対照的だ。その市橋でも、先週の千葉クロスカントリーでは、その少ない取材機会に取材が殺到したため、浜田コーチが「こんなに注目されてしまうのでは、(うかつに)レースに出ないほうがいいんでしょうかね」と、想像以上の「注目度」に思わずため息を漏らす一幕もあった。
 代表決定は3月13日。山口がいくら「代表有力候補」であっても、実際に決定するまでは気が気ではないはずで、精神的にもほかのレースを「待つ」のは苦しいところだ。
 しかし、代表に決定してから本番までは半年以上ある。山口のストレスは、決まってから、のほうがはるかに大きくなるわけで、今後、メンタル面の安定をどう保っていくか、これも重要な課題になるだろう。山口は今後、12日のハーフマラソンを走ったあと、13日からの陸連合宿(延岡)に入る。また、武富監督によれば、「代表に決まったら、練習代わりにシドニーで本番のコースを走らせてみたい」と、4月30日のシドニーマラソンに出場する意向を示している。

山口衛里の一問一答(会見から)

──この大会への抱負は
山口 久しぶりで本当にうれしい。出たいレースでもあったので楽しみにしています。昨日まで宮古島で合宿をしていましたが、体調はなかなか上がってこなくて練習らしい練習もできていないんですが、がんばります。アンカーなんで、そこまでにかなり差をあけてきてくださると思うんで楽しく走らせてもらいます。ライバルとかは気にしてないです。自分との戦いになると思うので。

──体重のほうは
山口 (苦笑しながら)ベストよりはまだまだですが、まあ……。

──東京を走ってから、周囲の目など変ったことはありますか
山口 自分としては、ひとつひとつのレースに自信が持てるようになりました。それと、こうして多くの報道陣のみなさんに囲まれることが以前とは違うところです。

──自分のどういう走りを見てほしいですか
山口 アンカーなんで力を出し切る前に終わってしまいそうですが、とにかく積極的に走りたい。力強い走りを見せたいですね。

──今後の予定は
山口 今は疲労回復のつもりだったのですが、なかなか疲労が抜けません。春のサーキットまでには、なんとか体をもう少し絞って、勝負をできるような精神状態にしたい。

──大阪のレースを見た感想を
山口 自分も参加したつもりでレースを見ていました。東京でも自分は1人で走り(独走)駆け引きがありませんでしたから、ああやって(シモンと弘山が)最後までもつれるようなレースになったら、自分ならどうしているか、など考えていました。やはりオリンピックになれば駆け引きが必要と思うので、大変勉強になりました。

「名古屋女子マラソン選手発表」

 女子マラソンのシドニー五輪最終選考会となる名古屋国際女子マラソン(3月12日、瑞穂陸上競技場発着)の出場選手が発表された。
 日本最高記録を持つ高橋尚子(積水化学)、アジア大会銅メダリスト甲斐智子(京セラ)、東京国際にも出場した千葉真子(旭化成)らが出場。外国選手では、ポーランドのソバンスカが出場予定だが、東京、大阪に比べると外国勢のレベルがそう高くはない。桜井・シドニー五輪強化推進部長は「メンバーからも日本選手の優勝は可能性が高い。やはり記録を判断することになるが、東京の山口のタイムが目標になるだろう」と話した。

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