1月14日
中田英寿、ASローマへ移籍
(ローマ14日午後2時=日本時間14日午後10時 、撮影取材ジュゼッペ・ベリーニ氏)
13日に自身のホームページでローマへの移籍を明らかにし、セリエAデビューを果たして以来1年半在籍してきたペルージャを後にした中田英寿(22歳)が、14日、ローマの練習に合流した。13日夜には、すでにローマのセンシ会長らと契約書にサインを終えており、練習後にローマのユニホームを着て初の会見に挑んだ。現地ではローマの熱烈なサポーターも大歓迎をするなど、悲願の優勝への救世主、といった声があがっている。
中田は会見で「チームのムードやシステムなどにはまだ感想を持てるほどやっていないのでよく分からない。今は、すべてが自分にとっての勉強になると思うので前向きにがんばりたいし、色々と経験をして行きたい」と日本語の通訳を介して約100人の報道陣を前に抱負を語った。
ローマは現在4位。次節は16日、ホーム・オリンピコスタジアムにベローナを迎え撃つ。登録は完了しており、カペッロ監督は起用について「前向きだ」と話しているという。
テレビ朝日ビッグスポーツ大賞表彰式
(東京・赤坂プリンスホテル)
テレビ朝日が1996年からアマチュア選手を対象に行っているスポーツ表彰の「ビッグスポーツ賞」の表彰式が行われ、昨年の世界選手権で金メダルを獲得した女子48キロ級の田村亮子(トヨタ自動車)ら柔道からは金メダリスト7人、特別賞には、体操の塚原直也(明大)、シンクロナイズドスイミングの立花美哉、武田美保(井村シンクロ)、陸上の世界選手権で銀メダルを獲得した市橋有里(住友VISA)、佐藤信之(旭化成)、また昨年の東京国際女子マラソンで日本歴代2位の好タイムで優勝した山口衛里(天満屋)らが選ばれた。
また94年からプロ部門としてもうけられたスポーツ放送特別賞には、王貞治氏(ダイエー監督)とともに、松坂大輔(西武)が選ばれた。
松坂には、各賞の選考委員長でもある八木・JOC会長が、シドニー五輪への出場とあわせて、入場行進での旗手を務めるよう直訴する一幕もあった。
「ひとつ、よろしく……」
JOC(日本オリンピック委員会)の八木会長はすでに、「五輪をさらに一般的に広め、多くのファンを獲得したい」と、旗手に松阪投手を起用したいという私心を明らかにしていた。
この日は、その「意中の恋人」との初お見合いとあって、八木会長は緊張気味。控え室に最後に入ると、各選手に挨拶をし、松阪投手に対しては「プロ野球機構が(松阪の)出場を認めて正式に代表になった折には、ひとつよろしくお願いします」と、直々に「お願い」をしたという。
「あくまでも機構(の決定)が最初ですからね」と前置きした上で、会長は「いやさすがだよね。『え、何のことですか?』なんて言われたらねえ……。ところが、松阪君は、『はい、分かりました』と力強く言ってくれましたからね。いやたいしたものです」と、感心することしきりだった。
松阪自身、五輪に出たい、出られれば何でもやりたい、と希望しており、その意志を明確に伝えたに過ぎないのだろうが、この初お見合い、会長は、西武のオーナーで八木会長の所属団体でもあるスキー連盟の会長を務める堤氏に、「松阪君と口をきいてもいいか許可ももらいましたから」と笑わせていたが、大人の方が完全にテンションがあがってしまっていたようだ。テンションがあがったついでに、会長は、「金メダルは8個。取れたらパレードしたいね」と漏らしていた。
「指はもう大丈夫」
福岡女子柔道で左の小指の骨折をしていた田村は、すでにギブスを外し、小さな湿布だけで腫れを処置していた。
「痛みはまだ少しありますが、腫れも引いた。なんとかがんばりますから」と元気な笑顔を見せていた。
実は、精密検査を受けた当日、骨折が判明し大きなギブスをはめながらJリーグの年間表彰式にゲストとして出席した。痛みはもっともひどい日だったが、「スポーツの枠を越えて協力するべきことはやらなくてはいけない」という持論を常に実践しているだけに、関係者に大事であることも言わずに横浜の表彰式に出席したのだ。
この日のビッグスポーツ表彰パーティー会場には、Jリーグの川淵チェアマンも招待されており、チェアマンは1000人もの客が行き交う会場で田村を探し続けていた。
ようやく田村と会うと、「骨折なんて知らずにいた。新聞を翌日読んで驚いた。本当に有難うございました。感謝します」と深く頭を下げる場面もあった。田村は「とんでもないです、当然のことです」と恥ずかしそうだった。
今後は、フランスへの遠征合宿を2月に行い、シドニーへの本格的な準備を始める。週刊誌に「結婚宣言」と出たことについて、「あれは結婚観を聞かれたので答えたのに、参りました」と、同局ワイドショーの質問を受け、困惑しきっていた。
ビッグスポーツ賞
田村亮子(トヨタ自動車=柔道)
楢崎教子(ダイコロ=柔道)
前田桂子(筑波大=柔道)
阿武教子(警視庁=柔道)
吉田秀彦(新日鐵=柔道)
井上康生(東海大=柔道)
篠原信一(旭化成=柔道)
ビッグスポーツ特別賞
塚原直也(明治大=体操)
立花美哉(井村シンクロクラブ=シンクロナイズドスイミング)
武田美保(井村シンクロクラブ=シンクロナイズドスイミング)
市橋有里(住友VISA=マラソン)
佐藤信之(旭化成=マラソン)
山口衛里(天満屋=マラソン)
ビッグスポーツ新人賞
萩原智子(山梨学院大=競泳)
渡瀬雄太(札幌日大高=スキー・ジャンプ)
西下和記(北照高=スキー・ジャンプ)
スポーツ放送特別賞
王貞治(福岡ダイエーホークス)
松坂大輔(西武ライオンズ)
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