Aポイントに飽き足らず、ポイント探しをしている中で見出した場所。遠目から見つけたのにかかわらず、 見た瞬間にヒラタが生息しているという確信に近い感じを抱いたポイントである。
3月10日(日)
Aポイントの開拓が煮詰まりつつあるので、新たなポイントを探すことにする。車を走らせていると、ふと、
とある場所から見た向こう岸の河川敷の植相が目にとまった。水際に細めのヤナギが立ち並び、いかにもヒラタが
生息していそうな環境に見えた。残念ながら渡れるような橋もないので、次の機会に踏み込むこととした。
4月6日(土)
田老氏をお誘いし、3月10日に見つけたポイントへ満を持して向かった。まだ日の出前、車を降りてからかなり歩き、
ようやくポイントに到着。思ったとおり、なかなかの雰囲気。しばらくすると、おあつらえ向きのヤナギの立ち枯れを発見。
砂地に埋もれている太めの枝を折ってみる。早速、食痕が見つかる。折れた先を田老氏が削り、折れた元の部分を自分が割る。
すぐにヒラタ3令幼虫が出た。やがて田老氏も声を上げる。ヒラタ♂成虫が出たのだ。やった。期待していたとおりだ。
俗に言う、「リーチ一発ツモ」である。時刻はまだ午前6時だった。
割り出した瞬間
ヒラタの成虫と幼虫。右上はコクワ幼虫
5月6日(月)
Bポイントの場所をあきんこ氏に教えると、GWの最中、2週連続そこでヒラタ成虫を割り出したという。それは聞き捨てならないと、
自分もあきんこ氏とともにBポイントに向かう。あきんこ氏がヒラタ成虫を割り出したという材の残りを削ると、
ノコ幼虫が次々に出てくる。そしてヒラタ♀成虫も出た。そばの別の材を削ると、またもやノコ幼虫だらけ。
削るのを途中でやめてしまったほどだ。
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ピカピカのヒラタ♀ | みんなノコ幼虫 |
ヒラタ幼虫も満杯
6月1日(土)
自分の誕生日の深夜、あきんこ氏を誘ってBポイントへ。このポイントでの初の樹液成虫採集に挑戦である。誕生日プレゼントが
樹上を歩いているのを夢見ていた。しかし、現実はけっして甘くはない。5月と違い、草が背丈ほどに伸びている。その中を藪漕ぎし、
苦労の末にようやく目指すポイントに辿り着いた。ところが、そんな苦労にかかわらず、樹上にはコクワがチラホラ程度、
あとはカブト♀のみ。うーん、ヒラタやノコはどこへ行ったんだ? 失意のうちに引き返そうとするも、帰りの藪漕ぎはさらに
難を極め、方向が全くわからなくなり、あやうく遭難しかけた。夜露で服がびっしょり濡れてしまった。このポイントは、
樹液採集には全く不向きのようだった。
結果:コクワ数頭、カブト1♀を観察
タカさんに教えてもらった、市街地内のヒラタ実績ポイント。そんなところに優良ポイントがあるとは。
2月17日(日)
タカさんからの情報をもとに、早速早朝の下見に出る。なるほど、雰囲気抜群だ。これならヒラタも十分生息しているだろう。
しかし、このポイントの場所柄、とても鉈や斧で材採集を試みるわけにはいかない。それでも、つい、樹種不明の細い立ち枯れを
引き抜こうとすると…、簡単に引っこ抜けてしまった(汗)。そこで、根っこの部分に目をやると、クワガタらしき幼虫の部屋の
跡が見られる。それならばと、引き抜いたあとの土を園芸用のシャベルでそっと掘ってみる。出た。頭の色が濃い幼虫が1頭、
そしてもう1頭。気門を見ると、ノコではなさそうだ。これはヒラタか? 散策を始めて30分も経っていない。昨年散々
苦労したのに、採れるときはこんなものなのか? つい嬉しくなって、その場でピーコ氏に電話を入れる。
結果:不明3令幼虫2頭採集
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不明幼虫が顔を出した | 怪しい幼虫達 |
2月24日(日)
ピーコ氏、モグどんとポイントを散策。先週幼虫が採れたところを少しだけスコップで深追いしてみる。すると、
また3令幼虫がポロッと1頭。これもヒラタ?
結果:不明3令幼虫1頭採集
(注21) 以上の不明幼虫は、5〜7月にいずれもヒラタ♂に羽化した。
5月〜9月
幼虫が採れるポイントなら、成虫を樹液採集するしかない。自宅からけっして近くはないのに、5月から9月にかけて、
深夜を中心に14回も採集に訪れた。しかしながら、コクワを数頭見かけただけで、結局ヒラタ成虫の影さえ見当たらずに
終わってしまった。幼虫が3頭とも♂に羽化したので、ぜひとも♀を採っておきたかったのだが、まあ、ライバルの多い
市街地のヒラタ採集なんてこんなものだろう。なお、このポイントで、8月中旬にピーコ氏がヒラタ♂を採集した。さすがである。
それにしても、幼虫はサクッと採れたのに、成虫採集は見事なほどの惨敗であった。
8月末に樹液で見つけたセンチコガネ(後刻ピーコ氏採集)