Dポイント(川崎市内)

 昨年探し当てた、多摩川土手のクヌギ・ポイント。ほとんど東京である。昨年9月下旬には、小さいながらも待望のヒラタ♂を採集できた、 自分にとっては縁起の良いポイントだ。

5月24日(金)
 Aポイントへ行く前に、今季初めてこのポイントを見回る。残念ながら、樹液は未だ出ていなかった。見られたのはゴキブリのみ。
結果:ボーズ

6月4日(火)
 深夜の見回り。樹液が滲み出しており、コクワがついている。ついにこのポイントもシーズン開幕のようだ。
結果:コクワ5頭確認

6月6日(木)
 状況は一昨日と特に変化なく、コクワのみ。
結果:コクワ5♂♂・2♀♀確認

6月15日(土)
 樹液は相変わらず滲む程度。大型のコクワが貼りついていた。
結果:コクワ数頭確認

6月19日(水)
 あきんこ氏と見回る。樹皮捲れにいきなりヒラタ♂を発見。よしよし、やはり良いクヌギであるようだ。 昨年9月と同じく、せっかくのシャッターチャンスにデジカメを忘れてしまったのは、なんだか因縁を感じる。
結果:ヒラタ1♂(40mm)採集、コクワ数頭確認

[ヒラタ]

再掲:シンクロ・ヒラタ。右がDポイント採集個体

6月22日(土)
 この夜はコクワが見られたのみ。ノコくらいいてもおかしくないのだが。
結果:コクワ数頭確認

7月1日(月)
 いつものように懐中電灯を照らすと、無数のゴキブリがついていた。数にして30はいるだろう。思わず目をそらせたくなる光景だが、 よくよく見てみると、その群れの真ん中に1頭だけ♀らしきクワガタが樹液を吸っている。なんと、ヒラタ♀だ。 ゴキブリを掻き分けてのGETである。
結果:ヒラタ1♀(26mm)採集、コクワ数頭確認

7月〜9月
 その後、このポイントに何度も繰り返し訪れてみるも、それ以降ついにヒラタには巡り会わなかった。今年のこのポイントは、 昨年に比べてノコやカブトもあまり見られなかった気がする。樹液の出が今一つであったことが主な理由だろうが、通り道の荒れ方などから、 昨年よりも採集競合者が多くなったようであり、それも理由の一つかもしれない。

[カブト]

7月末に見られたカブト



Eポイント(川崎市内)

 昨年、カブト幼虫をタコ採れした土手の材置き場。ここもほとんど東京である。今年もGW明けにカブト幼虫の様子を見に行っただけ なのだが…。

5月12日(日)
 Aポイント・Cポイントをあきんこ氏と下見した後、少し時間があったので、近場でカブト幼虫がタコ採れできる場所をあきんこ氏に教える つもりで、このポイントに1年ぶりに寄ってみた。早速朽ちた材を起こしてみると、なんと、カブトではない大きな幼虫がいきなりポロリ。 それは、どう見てもヒラタの3令幼虫であった。しかし、これまで見てきた関東のヒラタ幼虫のどれよりも大きい。 そんなものが、狙ってもないのに、いとも簡単に採れてしまっていいのか? 繰り返しになるが、昨年までのヒラタ探しの苦労は いったい何だったんだ? 採集を続けていると、不思議なことに巡り会うものである。
結果:ヒラタ3令幼虫1頭採集

[ヒラタ]

大きなヒラタ幼虫

(注22) この期待幼虫は8月末に羽化したが、極めて残念なことに、羽化不全であった。♂57mmと、関東のヒラタとしては 立派なサイズだっただけに、勿体ないことをした。飼育ビンを置いていた虫部屋が、あまりに暑すぎたか。 これまで本土ヒラタでの羽化不全はなかったので、つい油断してしまった。この個体は、その2週間後に天に召された。涙&合掌。

[ヒラタ]

残念なことに羽化不全



エピローグ

 どうもダラダラとした冗長な採集日誌になってしまった。所詮、素人採集者であることから、回数を稼ぐことでしか顕著な成果が 望めない。そのため、結果的に無駄な出撃も多く、そのことも是非とも強調しておきたかったのだが、これ以上書くとさらに 締まりのない日誌になってしまうので、ある程度は省略させていただいた。しかし、無駄骨に終わった多くの採集も、 それはそれで自分にとっては貴重な財産であると思っている。

 とにかく、幸いにも今年は東京ヒラタに数多く出会うことができた。ベテランの採集者なら、別に驚くことではないのかもしれない。 それでも、時により「東京では貴重種」と称されるヒラタの採集経験が積み重なったことは、嬉しい限りである。昨年の日誌以来の繰り返しになるが、 このことは、これまでネット等を通じて多くの採集者の方々によって自分が勝手に煽られ励まされ続けてきたお蔭である。 あらためて深く感謝申し上げたい。

 さて、今は年末、今年ももう終わりである。目前に迫りつつある来年は、いったいどこを狙うべきか、いや、何を狙うべきか。 ボーズをけっして怖れることなく、今度はヒラタにこだわりもせず、いろいろとチャレンジしていきたいものである。 とりあえず、来年も、採集にたくさん行けるといいなあ。


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