U.樹液採集編(Aポイント)前編

5月12日(日)
 GWが過ぎ、そろそろ樹液採集シーズンの到来。この日の昼間、あきんこ氏と、Aポイントでの樹液採集の下見をしてみた。 ヤナギの木を1本1本見て廻ると、洞があるものが多くかなり有望と感じたが、あいにく樹液は未だわずかしか出ておらず、 クワの影はなかった。仕方なく材起こし採集を試みるも、コクワ♀が1頭見つかったのみだった。
結果:コクワ1♀確認

5月19日(日)
 今シーズン初めての深夜の出撃。ところどころでコクワが確認できたが、ヒラタは見られない。 すると、驚いたことに、夜も更けて0時を過ぎたところで、懐中電灯を持った人影が近づいてくる。 な、なんと、あきんこ氏。そう言えば、夜に出撃するってメールを彼に出してたっけ。それにしても、 あきんこ氏はすっかりハマってしまったようだ。
結果:コクワ数頭確認

[コクワ]

コクワが樹上に出ている

(注10) そのあきんこ氏、翌日の月曜の夜、このAポイントでヒラタ♂の採集に成功したそうな。やられた。 連夜のしかも平日の出撃とは恐れ入った。

5月24日(金)
 この夜も途中からあきんこ氏が合流。お馬鹿な近場採集コンビである。コクワが随分と樹上に出ており、 もう夏の雰囲気だったが、残念ながらヒラタは見られなかった。
結果:コクワ約10頭確認

5月25日(土)
 あきんこ氏と連夜の出撃。コクワがさらに多く見られる。最後のチェック・ポイントで、ついにヒラタ♀を発見。 正真正銘の東京都内における自身初めてのヒラタ樹液採集であった。嬉しかった。
結果:ヒラタ1♀採集、コクワ約20頭確認

[ヒラタ]

懐中電灯の先にヒラタ♀が

5月28日(火)
 こうなったら、5月中に♂も採っておきたい。平日でありながら、仕事からの帰宅後の深夜に出撃。 出撃前にk-sugano氏から電話があり、リュージョン氏、コダック氏と兵庫方面でヒラタ12頭採集との報が入った。 さすがは名うてのNWs。煽られてしまった。
 この夜はピーコ氏が短時間合流。しかし、結局、コクワを多数確認したのみ。うぅ、関西とは違うなあ。
結果:コクワ多数確認

5月30日(木)
 5月中のヒラタ採集のラスト・チャンスと思い、深夜採集を敢行。あいかわらずコクワが多い。ふと、ある小さな洞で、 黒光りする丸みを帯びた尻を発見。ヒラタ、しかも♂だ。「しめた」と思いつつ、デジカメを構える。すると、 なんとスルスルと洞の奥へ。当たり前とはいえ、洞が深いことをうっかりしていた。ショックであった。 掻き出し棒を使っても効果がない。随分と粘ったあげく、思いきり後悔しながら他の木を廻ることにした。

[ヒラタ]

奥に逃げ込まれる


 その後、運良く別の木でヒラタ♂を採集。とても小さい個体だが、♂採集の念願が叶った。何だかあっけなかった。 それより、先刻逃げられた♂のことが頭から離れない。そこに戻って徹底的に待つことにした。途中でコンビニに行ったりして、 2時間以上経過。ついに出てきた。こんどは写真撮影もなく即刻逮捕。時刻は金曜の午前2時半。それでも、達成感が疲労感を凌駕していた。
結果:ヒラタ2♂♂(34, 25mm)採集、コクワ多数確認

[ヒラタ]

5月のヒラタ♂達

6月1日(土)
 自分の誕生日の深夜、あきんこ氏と出撃。二人とも「ほとんどビョーキ」というヤツだ。Bポイントで惨敗(後述)した後、 口直しのためにAポイントへ。来て良かった。樹液に頭を突っ込んでいたり、樹上でぼんやりしているヒラタ達が見つかる。 ノコも出てきていて、賑やかな夏の樹液酒場の雰囲気を醸し始めていた。
結果:ヒラタ2♂♂(39, 29mm)1♀(26mm)、ノコ2♂♂採集、コクワ多数確認

[ヒラタ]

大型は稀なようで、どれもマメピカ・サイズ

6月4日(火)
 W杯の日本代表初戦で日本中が盛り上がっている中を、深夜採集へ。それでも先行者がいるようだ。しかし何とかヒラタ♀を採集。 ノコもチラホラ見られる。懐中電灯で見回るのが、一層楽しくなってきた。やめられません。
結果:ヒラタ1♀(29mm)、コクワ多数確認

[ノコ] [ヒラタ]
ノコは原歯型が多い樹上のヒラタ♀

6月6日(木)
 またもや平日深夜採集。ノコ♀を今季初確認。これまでノーマークだった木でヒラタ♂を運良く採集。 採集はけっして先入観を持たず、丁寧に見て廻るに限るようだ。ヒラタはその後もう1頭を追加。
結果:ヒラタ2♂♂(34, 32mm)採集、ノコ2♂♂1♀・コクワ30頭以上確認

[ノコ] [ヒラタ]
ここではめずらしい大歯型に近いノコヒラタが樹上でぼんやり

(注11) 週末は三浦半島方面へ出撃し、Aポイント廻りは一休み。

6月11日(火)
 まだ週の前半だというのに、生暖かさに誘われて、平日深夜採集へ。チェック1本目でサクッとヒラタのペアを採集。 その後♂2頭を追加。好調さを感じる。6月も中旬に入り、早くもコクワの姿が少なくなってきている印象。 ノコは合計8頭確認した。
結果:ヒラタ3♂♂(38, 38, 29mm)1♀(29mm)採集、ノコ5♂♂3♀♀・コクワ多数確認

[ヒラタ]

ヒラタの集合写真

6月15日(土)
 W杯の騒ぎも何のその、深夜採集。この日も1本目でヒラタ♀。しかし、その後はヒラタの追加なし。
結果:ヒラタ1♀(28mm)採集、ノコ数頭・コクワ多数確認

6月19日(水)
 あきんこ氏と平日深夜採集。樹上のコクワが減ってきている。これまでの最大個体のヒラタ♂(41mm)を採集。 Dポイント(後述)でも♂(40mm)を採集したので、持ち帰って仲良く記念撮影。一晩のうちに異なる二つの場所でヒラタが 採れたのは初めてであった。
結果:ヒラタ1♂(41mm)・ノコ1♂1♀採集、その他ノコ数頭・コクワ多数確認

[ヒラタ]

なぜかシンクロしている。左がAポイント採集個体

6月21日(金)
 深夜、Cポイントで成果がなかったので口直しのためAポイントへ。霧雨が降ってきたので引き返そうとも思ったところで、 ポイント前であきんこ氏の車を発見。あきんこ氏のこの夜の成果はヒラタ4頭(3♂♂、1♀)。霧雨でもヒラタは採れるようだ。 自分の出番はなし。
結果:ノコ・コクワ数頭確認

(注12) あきんこ氏は、6月17日の週は月〜金と、毎晩このポイントに通ったらしい。仕事も忙しいというのに、 恐るべき気力&体力だ。(ただし、その後さすがに体調不良になったとか。)

6月24日(月)
 深夜に出撃。やはりコクワの影が減っている。しかし、この夜はヒラタも見かけず、ノコも少なかった。先行者のせいか、 梅雨寒のせいか、はたまた自分の未熟な腕のせいか。
結果:ノコ・コクワ数頭確認

6月29日(土)
 長雨と低温が続いていたところ、めずらしく土曜の昼間に家内から出撃許可が出たので、今季初の日中の樹液採集へ。 すると、何本目かで、曇天のためか昼間にかかわらず樹液についているヒラタ♂を発見。その後も洞を丁寧に確認していくと、 結構ヒラタが見つかる。むしろ、コクワより目立つ感じだった。
 ふと、あきんこ氏が小学生のご子息を採集に連れて行きたいと話していたのを思い出し、携帯で呼び出してみる。 小一時間後、親子で到着。あきんこJrはヒラタのわし掴み採集などを経験できて楽しそうだった。
結果:ヒラタ2♂♂(38, 36mm)2♀♀(27, 27mm)採集他3頭以上確認、ノコ2♂♂1♀採集、コクワ多数確認

(注13) 6月29日は、結局、採集したものと逃がしたものを合わせると、少なくとも7頭のヒラタを確認。 樹液採集は夜に行うものとの先入観があったが、昼間の採集の方が洞の位置や中が確認しやすいのでもっと採れるのかもしれない。 ただし、家族への配慮や渋滞の可能性、そして他の採集者と競合する蓋然性などを考えると、 深夜採集の方が自分にとって気楽であることは確かである。


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