想い出のクワガタ

ピーコ



なんでも今回のくわ馬鹿の特集は「想い出の/思い入れのクワガタ」とのことである。 あたしゃこういった機会でもなければ文章にしようなどとは思わない奴なもんだすから、 思い切ってキーを打つことにした。それにしてもいつものことではあるし、何に対してでも そうなのであるが、切羽詰まってからでないと動き出さない性格は、今も昔も変わっていない。 今回の特集が何であるかなんてことは、9月には既にわかっていたのに...

っちゅーこって、時間の都合もあり、あっしの想い出に残っているクワガタ全てを紹介する ことなどとてもじゃねーが出来るわけもなく、「想い出の/思い入れのクワガタ」と聞いて「パッ!」と 頭に浮かんだクワガタの中で、採集によって得られたものの内のほんの一部を簡単に書いていこうと思う。 何故か頭に浮かぶのは、購入や飼育によって得た個体よりも、採集によって得た個体の方が圧倒的に多かった。




 東京都練馬区産コクワガタ

 

この画像はcoelacanthさんが、まだ月刊だった頃のくわ馬鹿1998年12月号に投稿、掲載された 「この顔にピンと来たら、、、 全国共通指名手配犯人顔写真」 に出ているコクワガタの終齢幼虫である。実はこのコクワガタの幼虫は、あっしが近所の友人宅の庭にて採集した個体であったりする。

coelacanthさんが「主な幼虫の顔のドアップを撮影して、違いを紹介したい」とのことから、撮影の助手を かってでたのであるが、撮影予定日の直前になってなんと「コクワの幼虫が手元にいない」との連絡が入り、 これはなんとかせねばと、深夜になってから近所の友人宅の庭に忍び込み(事後承諾得てま)、枝卸をして 積み上げられていた広葉樹の朽木の中で、白く腐朽したものを1本選んで割ってみたところ、コクワガタ成虫1♀と4幼虫が出てきた。 ここでは同年夏にも簡単に4幼虫を割り出しており、カブトムシすら見なくなった東京の住宅街なだけに「まだいたんだ」と、 なんとなくほっとしたし嬉しかった。

あっしがまだちっこかった頃には、近所でもコクワガタ、ノコギリクワガタ、ヒラタクワガタの採集は可能であった。 そして当時、近所では採れないミヤマクワガタに憧れていたのは自分だけではなかった。




 山梨県産ミヤマツヤハダクワガタ

 

1999年3月26日、あいあんさんにお誘い頂き、山梨にて採集したミヤマツヤハダクワガタである。 展足もしておらず(当時は標本までは考えていなかった)、ほったらかされて符節が取れてしまったりしてはいるものの、捨ててはいないことからも、 想い出のクワガタのひとつであることがわかる。このクワガタを初めて見た感想は「これがクワガタか?」といったところであったが、 ピカピカしていてよく見ると結構かっちょ良かったりする。

東京から山梨なんてたいした距離ではないと思う方も多いことであろうが、あっしにとっては、 これが初の遠征と言える採集であった。採集の一番の目的は狙った獲物を採ることであろうが、 この時は違っていたのを覚えている。初の遠征だったこともあり、どのようなクワガタがどのような所に生息しているのか、 そして普段はネット上でしか会話をしたことのない遠方の方々に実際に会える、 そしてその人達がどのような採集をするのかを見てみたいと言うのが一番の目的であった。

採集前日からワクワクしてしまい、翌日は中央道韮崎インターに早朝集合と言うこともあり、 前日の夜に出発して韮崎インター付近で仮眠をして他の人の到着を待つことにした。 既に宮城からBAJAさん、福井からえりー(藤森)さんが韮崎インターを目指して出発したのを聞いていたからと言うこともあった。

とっとと韮崎インターに着いたあっしは(深夜2時頃だったかな?)、「もうあいあんさんは到着しているんじゃなかったかな?」と思い、 携帯に電話をしてみたところ「まだ神奈川、起こすなよ(--メ」とのことであった。どうやら勘違いしていたらしい。 そしてインター付近にて車中で仮眠をとることにした。

1時間くらい寝たであろうか、突然目の前が真っ赤になった感じがして起きてみると、そこには宮城ナンバーのワンボックスカーが止まっていた。 BAJAさんである。この車のテールランプのでかいこと。目の前が真っ赤になった感じがしたのは、ブレーキランプだったのねん。 そしてもう一台、福井ナンバーの車も到着しているではないか。えりーさんである。BAJAさんとえりーさんはインターで偶然にも一緒になったのだそうだ。 3人とも初対面であった。

3人で色々と話をしているうちに、だんだんと夜も明け始め、続いてあいあんさんが到着。 カビるんるんさんも到着している筈だとのことで、付近を見渡したあいあんさんが車を発見。 これでツヤハダ採集隊は揃ったんだったっけかな?忘れた。(^^;;

そしてツヤハダクワガタを求め、いざ採集ポイントへ!

以前、あいあんさんが訪れたことのあるポイントであったため、容易にツヤハダの入った材を見つけることが出来、結構な数を採集することが出来た。 「この材を家に持って帰って割ればまだまだ出てくるよ」と渡され、帰宅してからも材割を楽しんだ。

この時のえりーさんは2mm程度の虫も採集し、すっと姿が見えなくなったと思ったら下の方を流れている小川に居たりと、 とにかく良く動き回る行動的な虫好きといった印象を受けた。あっしにゃ真似出来ましぇ〜ん。

この日の採集は、早朝からツヤハダクワガタを採集、午後からはオオクワガタの材割採集チームと合流といった感じの予定となっていた。 午後からの採集メンバーは、ツヤハダ採集メンバープラスOB5さん、JIROさん、ヒデキさんとそのご家族、ウチヤマさん、そしていつの間にやらタカさんと娘さんもいらした。 他にはいらっしゃらなかったと思いますけど、なんせ遠い記憶なもんだすから忘れてしまっていたらごめんなさい。

実際にオオクワガタが採れたポイントに案内をして頂いたわけだが、これはとても意外であった。もっと木々が深々と生い茂ったような場所を イメージしていたのだが、実際は舗装された道沿いであった。「こんなところでも採れるんだ」と思った。

そしてこの時、大きな忘れ物をしていることに気が付いた。「食料」を持って来ていなかったのである。

いつもの近場採集であればメインは雑木林であり、お腹が空けばコンビニに行って適当に買い物をしてくれば良いだけの話であるが、 一旦山の中に入ってしまうと、コンビニまで行くには相当な時間をかけなければならない。初めての遠征ということもあったが、 何も考えずに慌てて出てきてしまったことを反省した。そのことを知ってか知らずか、カビるんるんさんが「良かったらどうぞ」とお菓子 だったかおにぎりだったか忘れてしまったのであるが、とにかく食べ物をわけて下すった。一生付いていきそうになるほど嬉しかったのを覚えている。 この時以来、遠征採集時には、余るほどの食料を持っていくようになった。

他にも色々とあったが、遠征採集での注意点みたいなことを教わった感じの採集であった。 そしてツヤハダクワガタは、初の遠征で初めてGETした想い出のクワガタとなった。




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