想い出のクワガタ

ピーコ



 宮城県産オオクワガタ の上翅

 

これは1999年8月8日未明に、宮城県にて拾ったオオクワガタ♀の上翅である。上翅の大きさから、 成虫のサイズは30mm台後半くらいだと推測出来る。因みに今回「想い出のクワガタ」と聞いて 真っ先に頭をよぎったのは、この羽であった。

この年の7月中旬に岩手県在住のケン坊(小関)ちゃんより、街路灯にて岩手産オオクワガタ採集の連絡が入り、 当時はまだケン坊ちゃんも採集を始めたばかしであったため、オオクワガタの採集がとても身近に感じた。 「オオクワガタは採集経験が豊富な人でないと採れないもの」といった思い込みのようなものがあったからである。 そしてひょっとすっと自分も採ることが出来るかもしれないと思い、岩手行きを決めた。 東北での採集は、宮城のBAJA邸を拠点とさせて頂き、1999年は7月22日〜7月25日、8月6日〜8月8日、 その後も同年、翌年と何度かお邪魔をし、行動を共にした。迷惑な奴、、、

7月の採集では、狙っていたオオクワガタは採れなかったものの、ライトトラップにていきなし65mm位の ミヤマクワガタ♂を採集。これが自身初のミヤマクワガタ採集となった。その後も結構な数が採れ、 ミヤマクワガタが普通種と言われるのを実感した時でもあった。その他にも図鑑でしか見たことのなかった 色々な虫を実際に見ることが出来、楽しい採集となった。そうそう、この時の採集で岩手のGOさんと再会出来たことも ついでに書いておこう。そしてこれが「みちのくボーズ旅」の始まりとなった。

そして8月に再度訪れた時も結果的には狙っていたオオクワガタを採集することは出来なかったのであるが、 8月7日に岩手にて灯火採集をしている際にケン坊ちゃんより「ここ10年くらい宮城でオオクワが採れたって話は ないらしいけど、今年採れたって噂を聞きました」との情報を得た。「宮城でオオクワが採れるって言ったら おそらくあの辺りだよなぁ...」とBAJAさん。

翌日東京に戻ることになっていたあっしにとっては、今回の採集ではこの日がラストチャンスであった。 そのことがあり、折角だから岩手での灯火採集を終えた後、宮城方面にも行ってみようということになった。 深夜に道に迷いながらもそれらしきポイントでは車を止めて、ひたすらチェックの繰り返し。 あっしは疲労と車酔いもありフラフラになってしまっていた。それでもひたすらチェック。 そして時間、体力的にももうこれが限界といった感じで辿り着いたポイントを入念にチェックしていた時に、 画像の上翅を見つけた。そして「BAJAさん、これって・・・」とその上翅を見せたところ 「おめでとう!もちっと早かったら生きてたかもね」とな。(^^;;

結局、宮城県にもオオクワガタがまだ生息していることを確認して帰路に着くこととなった。 BAJA邸に戻ったのは朝6時を過ぎていた。ほんっと疲れたが、記憶に残る採集となった。

岩手でのポイントを案内してくれ、岩手入りする際にはいっつも時間を作っては採集に同行してくれるケン坊ちゃんには、 ポイントを含めこのことを伝えた。そして彼は数日後、同ポイントの街灯下にて、ひっくり返ってもがいている オオクワガタ♂を発見している。この時の様子は某クワガタ誌に掲載されている。

なんとも思わせ振りな採集ではあったが、前回は何もなし、この時は上翅と、着実にオオクワガタに近付いてはいる! と、思うしかなかった。(^^;;

そして今年の夏、このポイント付近で灯火を張ったBAJAさんがオオクワガタ♀を採集した。なんでも同ポイントで r.matsudaさんが灯火を張っているところに出くわしたこともあったそうな。怪しいポイントには、 くわ馬鹿が集まってしまうらしい。(^^;;

今年は岩手、宮城入りすることが出来なかったのが残念である。




 福島県産オオクワガタ

 

これは2000年6月30日に福島県伊南村で自前の灯火セットにより採集した、自身初採集となったオオクワガタである。サイズは44mm。 それまでの苦労(と言ってもたいしたことないけんど)があっただけに、採集できた時はとにかく嬉しくて、 灯火セットの周りを採集したオオクワガタを持ったまま飛び跳ねながら回ってしまった。黄色い服でも着ていたら、 バターになっていたかもしれない。(^^;;

話はそれるが、この採集について書く前に「それまでの苦労(たいしたことないけんど)」のひとつについて少々触れさせて頂く。

上記した1999年8月8日に東北での採集から戻った数日後の8月12日の深夜(正確には日が変わって13日になっていた)、 BAJAさんより連絡が入った。檜枝岐からであった。なんでも12日から15日の予定で檜枝岐入りしたのだそうだ。 そして電話の内容は「凄い雨だけどオオクワガタ♀を妙な場所で採ったよーん」との報告であった。

福島県の檜枝岐近辺は、オオクワガタの多産地として有名な所であることは当時から知っていたし、 多産地であれば、それだけ採集できる確率も高いであろうとは思っていたが、それなりに採集者も多いであろうことからも、 前記したとーし、オオクワガタを求めて最初に訪れたのは岩手県であった。んが、「採ったよーん」との連絡と、 灯火セットを持っていてポイントも知っているBAJAさんが15日まで滞在しているということを聞いてしまったからには、 「こりゃ行くしかねーだしょ」となった。ただこの時、首や肩の張りが酷く、往復の運転が辛そうだったこともあり、 近所に住む知人(以下「先輩君」と記す)を誘ってみた。彼はその頃、あっしの影響でくわ馬鹿になりつつあり、お盆休みでもあったため 「行ってみたい」とのこと。8月13日お昼過ぎ、ナイターオンリー日帰りの予定で初の檜枝岐入りを目指し出発した。 そして数時間後にはBAJAさんと合流。灯火開始までの間、ポイント案内をして頂き、食料も補給。(←重要(^^;;)

そして19時頃よりナイター開始。灯火セットはBAJAさんと先輩君の2人が担当、あっしは街灯巡りに出た。 結果は、灯火セットに色々なクワガタに混じりオオクワガタ♀も飛来、街灯巡りをしていたあっしは、 地元の方達と話し込んでしまったこともあり、またしてもオオクワはボーズ...

帰り道にも何ヶ所かポイントがあるとのことで、BAJAさんに途中まで案内をしてもらい街灯巡りを行ないながら帰路に着いた。 そしてその帰りの途中、なんと先輩君がオオクワガタ♀を発見したのであった。彼はこれ以降、完璧にくわ馬鹿となってしまったのは言うまでもない。 その後も街灯付近を見ながらの帰り道となったが、オオクワガタを発見することは出来なかった。どぼじで自分だけ採れないの...

こうして1999年のオオクワガタ狙い採集は幕を閉じた。

そしてこの年の末、翌2000年の採集に有利となることが起こった。なんと叔父がY2K問題を気にして 発電機を購入したのである。Y2K問題が起ころうと起こるまいと、叔父が発電機を必要とするのはその時だけであり、 この発電機は不要となるはず。すると来年は...(^^)v

さて、それでは話を2000年6月30日に戻すとしよう。

発電機を購入する必要がなくなったあっしは、安価で灯火セットを揃えることが出来た。 そしてこの日も午後になってから自前灯火セットを持って、日帰り予定で檜枝岐へと繰り出した。 この年2度目の檜枝岐である。天気は良好。この日は金曜日であり、夜遅くにはBAJAさんも檜枝岐入りすると聞いていた。

灯火セットを張る場所を確保し、日も暮れてきたので発電機のエンジンをかけ、水銀灯を点灯。 と思ったのに点灯しないやんけ、、、、、球切れか?あっしの灯火セットは300ワットの水銀灯が1灯と 20ワットの誘蛾灯が2灯だけで、予備の水銀灯なんて持っていないだけに、焦りに焦って汗かいた。(←お約束ね(^^;;)

電球や配線を調べていくと、ソケット内部の配線が圧着端子部分で切れてしまっていた。 車に積んであった工具で応急処置完了!そして点灯!30分くらいロスしてしまった。 このトラブルは翌年、あっしと同しセットを使用している爆発栄螺さんも経験し、 くわ馬鹿2001年秋号自家発電記2001 の中に書かれている。予備の電球の必要性を感じた時でもあった。

「山の天気は変わりやすい」良く聞く言葉である。この日も雨が降り出してしまった。 んが、灯火採集では雨よりも風の方が敵となることを経験的に知っていたため灯火続行。 土砂降りとなってしまったが30分くらいで小雨となった。その後雨も降り止み、あっしの灯火を見て誰かが近付いてきた。 なんとタカさんであった。この時期にここに来ると誰かしら知り合いに会える。それもまた楽しい。 タカさんはこの日、既に街灯回りにてオオクワガタ♀を採集済みであった。さっすが。しばらく会話をした後、 タカさんはまた街灯巡りへと戻っていかれた。それから間もなくのことである、灯火セットのスクリーン右上に ピッカ〜ンと黒光りする物体発見!ヤッホー!

それから間もなくタカさんの車が再び通りかかったのを見つけ、懐中電灯を振って御挨拶。しばらくすると今度はBAJAさんが到着。 そしてオオクワガタ採集を報告。それまでの苦労(たいしたことないけんど)を知っているだけに喜んでくれた。 その後、すぐ近くでOB5さん&みっちゃんさんがライトトラップをしていることをタカさんから聞いていたので、様子を伺いに行った。 OB5さんの灯火セットは、雨天対策もしっかりとされており参考になった。水銀灯に小さなビニール傘が付いていたのがお洒落。

確か灯火セットを撤収し帰路に着くことにしたのは日付が変わる頃だったと思う。ちょいとジュースで一服&街灯チェックと思い、 BAJAさんと有名ポイントに寄ると、またしてもタカさんにお会いした。なんとこの日2頭目のオオクワガタを採集されていた。 その前年1999年にもこの時期にこの周辺で2頭のオオクワガタを採集されたそうな。そして今年2001年もまた...(^^)v

んが、まだ宮城と岩手での借りを返しておらず、こやつらをどうにかしなければ、「みちのくボーズ旅」 が終わったとは思えなくなってしまっている。来年こそ...




おっと、冒頭で「簡単に」と書いたが、一部であっても結構長くなってしまった。それに「想い出のクワガタ」っちゅーよか、 「想い出のクワガタ採集」といった感じになってしまった。ま、いいか。 思い出してみると、ここに書いた以外にも多くの方々に大変お世話になったことを改めて感じる。

2001年ももうすぐ終わりを迎えるが、今年は採集に出た回数は少なかったものの、狙った獲物は必ず採って帰ることが出来た。 これもネットワークの情報と、それによって出来た人脈のお陰である。もちろん狙った獲物を得ることだけが採集だとは思っていないが、 これはこれで素晴らしいことだと思っている。そしてこの他にも「帰宅すると体重が増えているnaritaファミリーさんとの採集」、 「ミヤマ!と思ったらなんとタガメ、、、採集」、「一人で茨城夜間樹液採集」、「一人で丹沢、怖くて灯火張れなかった採集」、 「福島標高700mの灯火でツヤハダ採れた採集」、「気温低過ぎてクワガタゼロなのにオオミズアオタコ採れ採集」、 「タイヤ2本バーストしてなかったらオオクワ採れなかった採集」、「コルリ追いかけ過ぎて滑落しちまった採集」他、 想い出に残るクワガタ採集は色々ある。んが、画面の都合上(またかい)この辺で。ちかりた...

お世話になった皆様方、ほんっとーにありがとうございました。そしてこれからもどんぞよろしくお願い致します。 (新たにお世話になる皆様方もね。(^^;;)




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