ニジ色伝説外伝

(編:というより田老家ほのぼの家族旅行記。ワープ

田老の石垣島採集顛末

前章「10年に1度」

この夏、たまたま石垣島に渡ることになった。

仕事で長期滞在だったりすると大変嬉しいのだが、そうではない、
そもそも出張など日帰り出張が、年一あるかないかである。
単なる夏休みのファミリーキッズパック旅行だ。

なんて書くと毎年旅行に出かけているようだが、やはり、そうではない。
山の神が営々10年積み立てた資金での田老家10年に1度の
大旅行である。

第1回は、ハワイであった。その頃は、世の中バブル絶頂期で、
北極や南極に旅行したり、アフリカの奥地やアマゾン深部など
とにかくとんでもない旅行が流行っていた。「ハワイなんて飽きたわ」
というOLも居たりした。今もそうなのかな?
でも田老には、初めての海外、初めてのハワイだった。
まぁとにかく田老一家は、それ以来海外へは出かけていない。
最初で最後の海外旅行だったのかもしれない。

第1章「石垣島になったわけ」

海外旅行などどーでもいいのだが、今回は、大旅行第2回目である。
で、本当は去年敢行するハズだったのだが、昨年は、田老の業務の都合上
日程が採れなかった。
この10年というもの、ベースアップがどーのボーナスがどーのといい、
結局、年収ベースで見ると収入は減である。にも関わらず忙しさだけは
着実に増大するというのはどういうわけであろうか?
労働組合は選挙のときばかり活動しないで、組合員の年収確保という
基本任務に励んで欲しいものである。
今年もやっぱり相変わらず忙しいのであるが、上司が油断したスキに
休暇願いにハンコを押させてしまった。
まぁいろいろと手段があるのだ。

休暇が確保できれば、次は目的地の選定である。
当初は、オーストラリアだのニュージーランドだのもう1回ハワイだの
キャメロンだの好き勝手なことを言っていたが、だんだん予算と費用が
具体的になるにつれ、移動距離が短くなってきた。それでも海外の魅力は
捨てがたいらしく、最後まで山の神は、サイパングアムにこだわっていた。
だが、サイパングアムにはムシが居ないという極秘情報を田老は入手したのだ。
サイパングアムに行ってはイケナイ。なんとしても阻止しなければならない。。。

予算から言って、近場となった家族旅行である。まず行く方角を
決めなくてはならない。当然東西南北白紙の状態から始まったり、、、は
しない。北か南である。東の八丈島や小笠原も提案したのだが
馬耳東風である。西は韓国か?いや山の神のアタマでは、佐渡か
隠岐であったらしい。まぁそれでも良いと思ったが近すぎたようだ。
南のサイパングアムか、なぜだかわからないが北海道とを比較検討
しているようであった。(ドッチもムシが。。。)

話は変わるが、NHKの朝の連続テレビ小説(15分)を
山の神は欠かさず見ている。その時々で面白いだのつまらない
だのと言いながらやっぱり見ているのである。面白いならともかく
つまらないときは、見なくても良いのにと思うのだが。
それで、今年は「ちゅらさん」である。
あの沖縄の景色と蒼い海は、鈍感な田老も心動かされる映像である。
さぞ全国の視聴者を魅了したことだろう。そのせいかどーか
今年は、各社の沖縄ツアーの料金設定は強気である。
さて、山の神も八重山の景色に魅了されたらしい。いつのまにやら
旅行会社の沖縄パンフレットがちゃぶ台の上に山となっていた。
しかし、残念なことに今年の沖縄ツアーはウチの予算とマッチしない
のであった。毎日ため息をつきながらパンフレットを眺めていた
山の神であったが、ある日JTBのパンフレットを握りしめて
やってきた。これならイケルというのである。
なんとそれが、石垣島ツアーであった。

「石垣島」・・・隣の西表の方をご存じの方も多いかもしれない。
どちらも八重山諸島の島である。この八重山諸島は、nantoka
境界線で沖縄本島は勿論日本列島とは生物学上別天地である。
台北より南で、生物は台湾やフィリピンと近い種も棲息していたり
するのである。蝶だってツマベニ蝶も居る。セマルハコガメや
キノボリトカゲなんてイグアナみたいなのも居る。
川には南方起源のエビや小魚。カエルなど両生類。
コウモリだってフルーツバットの仲間が居たりする。
そして海はチョー有名な白保のサンゴを始めとするサンゴ礁群と
熱帯魚にマンタである。
でムシはというとおきまりのサキシマヒラタにヤエノコ、ヤエコクワ
ヤエマルバネにチャイロマルバネ、ヤエネブトとほんとにテンコ盛り
の嬉しさである。石垣ツアーに文句があるはずがない。
もちろん、最初から田老がこんなことを知っていたわけではない。
サキシマヒラタは対馬みたいにサキシマという島に居ると思っていた
ぐらいである。サキシマヒラタは石垣に居たのだ。などということを
本屋で雑誌など立ち読みして初めてわかったのである。

というわけで、一も二もなく、あっさり石垣ツアーに決定!!