第2章「危険生物の話し」

ここで避けて通れないので、現地で知ったことも含めて
「危険生物」の話しをしよう。
まずは有名な「ハブ」である。
現地では、道路で煎餅になった奴に出会った。この皮からベルトが
できると教えると子2はそっそく道路からハブ煎餅をはがしに行った。
とにかくコイツが居るおかげでなかなか藪に突撃できない。
沖縄本島のハブとは大きさと柄が多少異なるだけでほぼ同じに見える。
田老には単なる離島亜種に思える。毒性も同じ。血清も同じ。
毒液の量が少々少ないので、本島のハブより毒が弱いとされているが
弱いといっても7割8割程度の強さである。殺傷能力十分。
10年ほど前には元気な女子中学生が犠牲になったと聞いた。本島のハブと
区別して石垣のハブはサキシマハブという。
このサキシマハブと似たようなのにヒメハブが居る。
しかし、ヒメハブは本島エリアのヘビで八重山諸島には居ない。
ヒメハブは本島のハブと生息域が重複するが交雑はしない。
ヒメハブは毒性も弱く人は死なないそうだが、田老は試していないので
ホントかどーか知らない。(サキシマハブは手遅れだと、人は死ぬ)
サキシマハブは研究用に本島に持ち込んだモノが脱走して、
本島のハブと交雑しているそーだ。交雑個体に繁殖能力
があるかどーか田老は知らない。

石垣には、カエルが多い。珍種がいろいろ居るのである。
が、滞在中毎日スコールだったせいかもしれないが、田老が出会ったのは
ヒキガエルである。ミヤコヒキガエルだと思う。
オオヒキガエル(帰化種)も居るそうだが判らなかった。それが夜になると
1Mおきに轢死体が出る(大して車が走らないのに)密度である。
ヒキガエルのくせにピョンピョン身軽に飛び跳ねてなかなかつかまらない。
他の小さいカエルも居るがコイツのせいで目立たない。
ハブもエサには不自由しないだろうと思った。
で、ハブは木に登ってカエルやネズミを狙うのだそうだ。
なんでカエルやネズミ狙いで木に登るのか知らないが、
ハブの咬傷部位の上位には、アタマや肩がある。
マムシなら長靴で防げるが、ハブ相手に長靴だけでは防御不十分ということだ。

で、このハブを町のアチコチで飼育してるのには驚いた。
怖いモノ知らずの観光客に注意を喚起しているのだと思うが
ヘビの苦手な田老にはチト刺激が強かった。

ハブの図鑑
http://www.cosmos.ne.jp/~tera/zukan.html

八重山毎日新聞の記事
http://www.cosmos.ne.jp/~mainichi/monthly/50th/34.htm

蛇足だが、石垣は石垣市である。石垣には、独自のケーブルテレビと新聞=
八重山毎日新聞 がある。この新聞は実に興味深い新聞だったが、現物を
持って帰れなかったのが残念だ。

次は、被害に遭う可能性の高い「ハブクラゲ」

ハブクラゲというのを石垣で初めて知った。さされるととんでもない
そうである。痛みと爛れでひどい症状だそうだ。
自慢じゃないが、田老は幼少のみぎりよりいわゆる電気クラゲには
毎年コンニチワを刺され、かの有名な鰹の烏帽子にも挨拶された
ことがある。烏帽子のあとは数年残っていた。
水クラゲは、水球の弾である。見つけると掬いあげて、投げたり
アタマに載せたりすると大変楽しい。あぁ、ヨイコはマネしないこと。
婦女子には決して試さないこと。
なので、観光客や観光ダイバーが監視人の注意を聞かずに刺されて
(自分の不注意は棚に上げ)大騒ぎしたのだろうと思っていた。
底地や富崎の美しいビーチが、クラゲネットで台無しである。
子供がネット外の水際で遊んでいたら、セーバーが血相変えて
飛んできた。たとえ波打ち際でもネット内で遊びなさいというのである。
よほど近年の客はマナーが悪いのだろうと思った。

ビーチにあるホテルのロビーの水槽には、ハブクラゲが泳いでいる
水槽もある。その触手は痛そうである。が、水槽内をユラユラしている
分には水クラゲと触手が違う程度のクラゲに見えた。

富崎で海水浴がてら魚を掬って遊んでいると、(もちろんネット内である)
波打ち際にも小魚がうようよ居るので、アミで掬えと子供がうるさい
のだ。ふとネットの脇(外)を見ると巨大な水クラゲが居た。
子供に見せてやろうとアミで突つくのだが、結構でかくて重い。
アタマの形も変だ。1mほどの茶色の海草まで絡みついている。
水クラゲのサキシマ亜種かと思った。ますます、子供に見せなくては。
突ついているとグルッとアタマが廻り、海草が伸びて触手となった。
正月の飾り餅のような段付きアタマ。スダレのように伸びる茶色の触手。
ハブクラゲである。水槽内に浮かんでいたやる気のない仲間と異なり、
ツヤツヤとしたそのハダ、針金どころかスポークのような触手。
ちょっとコイツに刺されるのはカンベンだ。
鰹の烏帽子が不気味ならコイツは凶悪である。
自信満々なクラゲというのをアタシは、初めて見た。
見つかったのに気付いた奴等は悠々と沖合に漂っていった。

ハブクラゲは、潮の関係かどーか出現するビーチと居ないビーチがある。
ネットのあるビーチは出現ビーチである。ネットから出るとまぁ
自分の体でその無謀さのツケを払うことになる。
現地の人に聞けば居ないビーチを教えてくれるので、そっちへ行っても
良いだろう。

あとは「海ヘビ」「ヒョウモンダコ」「アンボイナ貝」だったかな?
海ヘビは、グラスボートに載って、何気に海底を見たら居た。どこでも居るそうだ。
ヒョウモンダコは、今回は遭わなかった。が遙か昔、
サンゴの上を散歩していると、白黒のキレイな小型のタコを見つけ遊んだ
ことがある。たぶんソイツがヒョウモンダコだと思う。
アンボイナ貝には、遭ったことがない。